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彼の仕事
「男優、、ですか?」
「そう。いわゆるネコ男優ってやつ」
言っている事を理解したいのに頭が働かない
いや、働かせたくないと言うのが正しいだろう
それでも必死に言葉を紡ぐ
「な、なんでですか?そんなにお金なかったんですか?言ってくれれば僕も少しなら協力できたのに」
「いやお金の問題じゃないんだ。これが俺の夢でありしたい事だったんだ」
その後の会話で僕がどんな返事をしていたのかよく覚えていない。
昔ゲイである事で悩んでいた時男優のインタビューに救われたとか俺も悩んでる子の救いになりたいとか理解したい理由は言われた。
ただなんでそれをするのがレンさんなんだなんで僕の彼氏なんだなんで今なんだ、、
次の日レンさんと回転寿司に行った。
レンさんは認めてくれたんだからもっと高いところでも良かったのにと言った。
どうやら僕は昨日レンさんが男優である事を認めたらしい。あまり覚えていないせいか返事がすぐにできなかった。
寿司を食べながらレンさんは男優について詳しく教えてくれた。
1つ 撮影は月に一回だと言う事
2つ 撮影で知り合った人とプライベートで会うのは業界のタブーだと言う事
3つ 一年間男優として契約を結んだ事
それの他にも危険なイメージがある業界だけどしっかりとした衛生管理や男優を守る体制があるだとか給料の面でも悪くない条件だとか隠す事なく教えてくれた。
「他にも聞きたい事あったらなんでも聞いて!君には隠し事したくないから」
真っ直ぐな目をしたレンさんを見て思う
あぁこの人は仕事も大切だけどそれ以上に僕を思ってくれているんだな
「レンさん」
「なに?」
「僕と結婚してください」
交際期間 半年
場所 回転寿司店
彼氏の仕事 男優
この条件でプロポーズをするのは僕くらいだろう
けど僕は彼と離れない自信はあっても
彼が離れていかない自信はなかったんだ
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