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箱に閉じ込められたなら

「せんぱ〜い!」 「出口は見つかったか?」 「見つかるわけないでしょ!辺り一面扉や継ぎ目すらないんですよ」 「賢、あまり騒ぐな。酸素が減る」 「理不尽だ」 帰り道に誰かに襲われ、二人で知らない部屋にいるのだが、いっこうに解決策が見当たらない。 辰馬先輩とは部活動が一緒で、片想いをしている。 飽き性で人使いが荒いけど、先輩の描く絵は綺麗で、描いている姿もカッコよかった。 「賢。この箱なんだが」 部屋と謎の箱しかない部屋で、辰馬先輩は箱を一つ開ける。 「ちょっと危ないものだったらどうするって、うわぁ」 辰馬先輩の服がナース服に変わっている。スカートの丈が短く、ピンク色で先輩に似合っている。黒髪も括られていて、きっちりきまっているから余計に先輩は怒った。 「おい!俺にこんなもの着せて楽しいか?何なんだよ、これ!」 「怒っても仕方ないですって」 「それならお前も箱を開けろ」 「え〜絶対良くないこと起こるじゃないですか」 少し言い合いした後、賢の方が折れ箱を物色することにした。 「怖いし小さい箱にしよ」 赤い箱を開けると心が温かくなる。 「変化ないな」 「なんか心があったかくて」 「あったかい?」 「うん。なんか」 身体が勝手に動いていた。辰馬先輩をぎゅっと抱きしめる。辰馬先輩は驚いていたが、抱きしめると嬉しくなる。 しかし、その状態を30秒すると魔法が解けたみたいに恥ずかしくなった。 「先輩、ごめん⁈」 「びっくりしたけど、元に戻ったみたいだな」 辰馬は先程の赤い箱を調べると、底に30という数字が書いていた。 「箱の色と数字に関係があるとすると、俺が最初に選んだ紫の箱はコスプレ系、数字は45だから分かもな」 「僕が選んだ赤い箱は温かくなる系?30は持続時間だよね」 「他の色は何の効果があるか分からないし、数字にも気をつけないと危ないってなんだよ」 「一番無難なものを選んでみます?」 賢は緑や青の箱を指す。自然な感じがして選んだのだが、先輩は裏の数字を見て放り投げた。 「あーっ!」 「よく見ろ。365とか書いてあったぞ。秒か分か日か分からないのに大きい数字は危ないだろ」 「う、うん。でも、青の箱は?ほら、数字は5だし」 「それなら開けてみろ」 賢は青い箱を開けると、涙が溢れてくる。 「ほら言っただろうが」 「悲しくて辛くて、せんぱ〜い」 「ほらほら泣くな。5は秒じゃないみたいだから分かな。ハンカチで涙拭け」 「ありがとう、ううっ」 「これはさっさと開けないとまずい。危なそうな箱に挑むしかないってなると黒か黄色か」 黒の箱に決め、数字を探す。何も書かれておらず唾を飲み込む。 「俺が駄目になったら、賢だけでも他の箱を開けろ。いいな」 「そんな、駄目ですよ」 「泣いてたら本気で心配してくれてるみてえ」 「心配してるのにぃ」 「分かってる。開けるぞ」 開けると勢いよく水が吹き出る。 「けほっ、けほっ、水?」 「中にハズレって書いてます」 「あれ、服が制服に戻ってる」 「僕も涙が止まった!」 ハズレとあったがびしょ濡れになっただけで、今までの効果が消えたのだからラッキーだった。 「黒じゃないなら黄色にします?」 「緑も開けるしかないか」 「身体が痺れる〜」 「植物が育ってるな」 他の箱を手当たり次第開けては酷い目にあうが、先輩と乗り越えていく。 「この部屋も賑やかになりましたね」 「びっくりどっきりショーが?」 「ははは」 茶色の箱のせいで、土をかぶる羽目になり制服が溶けてしまっている。 ブラウス一枚で正直寒い。あとはピンクの箱だけまできたが、もう数字を確認せずすぐさま開けた。 「何も起きない?」 目をそうっと開けるが何も起きない。 「先輩、中に時計が入ってる」 「時計?」 「ストップウォッチでどうすれば」 「30秒にセットされてるから、何が起こってもすぐ終わる。押すぞ」 ストップウォッチを押すと凄く身体が熱い。ヘソの下が燃えるようだった。30秒経つとストップウォッチは勝手に1分に設定される。 「なんだこれ」 「押すぞ」 止める前に辰馬先輩は再びストップウォッチを押す。すると時間が経つにつれ、ムズムズしてくる。 「先輩、何か変に」 「次は10分だ」 「待って!それ、何か変だから、っあ!」 辰馬先輩の前で腰を動かすなんて恥ずかしいのに早く出したくて擦った。 「賢、来い」 「先輩?」 「凄く色っぽい顔になってるぜ」 先輩に押し倒され抵抗するが、下着を剥ぎ取られる。 「悪い。俺も我慢してるんだが、身体が勝手に」 「先輩、身体に模様が」 「賢もここに浮き出てる」 なぞられただけでナカが疼いて仕方ない。 「先輩、ストップウォッチ」 「ああ。勝手に時間が60分になってる」 「遠くに投げて!持ってたら危ない」 「くそっ!」 壁に投げつけるが、賢は辰馬先輩のもので突かれたくて仕方ない。 「先輩、早く、ナカに」 「そんなことお前に出来るかよ」 「先輩ならいいよ」 「賢」 「好きにして、お願い」 「ここから出たら忘れてるとか無しだからな」 痛いと思っていたのに簡単に入って、目の前では先輩が腰を振っている。 「先輩、好きぃ」 「可愛いな、賢」 キスを目元にされるが、気持ち良くて涙が出てくる。 「蕩けた顔」 「んっ」 銀の箱を開けた時に出てきた鏡に自分の顔が写っている。そこには欲で交わる獣しかいなかった。

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