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ガコン、と音を立てて到着する体感的には短いが距離的には長かったジェットコースター。めちゃめちゃ楽しかった… 「…黒川さん…早くおりないと…っふふ」 「うるせぇ」 産まれたての小鹿並にカタカタ震えながら立ち上がる黒川さんが可愛くて仕方がない。先に立って黒川さんに手を伸ばす。俺より少し大きい手は今日も綺麗で温かい。 「次は?」 「黒川さんはどこ行きたいですか?」 見上げると黒川さんは少し考える素振りを見せて、ニっと笑い俺を見下ろした。その顔があまりにもカッコよくて俺の体温がぐっと上がった気がした。 「俺は…お前と二人きりになりたい」 「…アトラクションです」 「分かりましたって事か。よし行くぞ」 実は俺もです!なんて言えるわけなく、俺はまた素っ気なく返してしまう。 そんな俺を気にしているのかいないのかそう言うと出口の方へ方向転換した黒川さん。 さっきまでプルプルしてたくせに今は俺の手を握って颯爽と歩いている。付き合い始めたからか分からないけれど急に黒川さんが今まで以上にかっこよく見えて仕方がない。 元々かっこいいのに『恋人』というフィルターまでついて俺はどうなるんだろう。キラキラし過ぎてるよ黒川さん。 「おら乗れ」 「はい」 「シートベルトしたか?」 駐車場に停めていたあの黒い車に乗り込む。 黒川さんの問いかけに頷くと頭をひと撫でされ、静かに車が発進した。

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