4 / 359

【第1話】ランチ休憩に、蜜(4)

「んなの、いい。それより早く……」 「有夏……」  幾ヶ瀬は苦笑する。 「早く、何?」  苛立ったように有夏が息を吐いた。 「……知ってるくせに」  言ってくれなきゃ分かんないなぁ、と幾ヶ瀬の口調は今度は意地の悪いものとなる。 「触ってほしいの? それとも舐めてほしい?」 「……幾ヶ瀬ぇ?」 「どっち? 触るか舐めるか……有夏が決めて」 「さ、わる……」  か細い声。 「どこを触るの? 乳首? それともこっち?」 「うあっ、あぁ……んっ」  有夏の腰が跳ねた。  咄嗟に片手で己の口を押さえるが、漏れる喘ぎは隠せない。 「ココなんだ。有夏、気持ちよさそう……」  幾ヶ瀬の左手の中指。  その先が有夏の入口を弄う。  指を動かすたびに有夏の唇からは熱い息が漏れる。  じわじわと指先は有夏の内部に侵入し、中指の爪が見えなくなるくらいの処で、一旦引き返す。 「いっ……く、せっ、ヤぁだっ!」 「ん? 何が嫌なの?」  同じ箇所を何度も出入れするたびに、有夏は腰をくねらせた。  目元が赤く染まり、途切れ途切れの喘ぎ声は徐々に高くなっていく。 「う……ん、んっ……!」  有夏の前から先走りが迸り、ドロリとした液体が股を伝って下りてくる。 「有夏、感じすぎ。そんなに俺に触ってほしかったの?」 「ちがうしっ!」 「違わないでしょ」  垂れてきた白濁液に指を絡めて、滑りを良くした幾ヶ瀬の手の動きは少しずつ速さを増していった。 「や、あっ……んあっ」  徐々に奥深く挿ってくる指から逃げるように腰を引くのを、まるで捕まえるように幾ヶ瀬の右手が有夏の左手に絡まる。 「有夏、指……何本挿ってるか、分かる?」 「やめっ……そっゆうの……ヤだっ、んっ」  有夏、かわいい──見下ろす幾ヶ瀬が頬を歪める。 「ほら、何本? そんなに感じてるんだから分かるでしょ? 当てるまでこのままだよ? 有夏の欲しいの、挿れてあげられないよ?」  存在感を示すつもりか、指先が内部でくねくねと動く。  その度に有夏の液は飛び散り、腰は崩れる。

ともだちにシェアしよう!