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【第8話】ヘンタイメガネの変態たる所以(11)
その夜、有夏チャンも同じことを言っていた。
「今日はブリーチ全巻読もうと思ってたのに。もうあのネカフェ使えないし!」
「有夏ぁ、ごめんって」
そう言って甘えるメガネを、それはそれは恐ろしい目つきで睨み付ける有夏チャン。
アタシとしてもこんな騒ぎに巻き込まれて、ひどい目にあったもんだよ。
せめて……せめて謝ってほしいものなのだが。
奴ら、アタシの話題すら出しゃしねぇ。
アタシはあの後、エレベーターの扉が閉まるまでずっとペコペコ頭を下げてたんだぞ?
何て言っていいか分かんなかったから、無言で頭下げただけなんだけど。
せめて今夜は濃厚なやつを拝ませてもらおうかと、張り切って覗き穴に目を当てたんだが。
「有夏……」
ごめんねと肩に触れた手。
しかし有夏チャン、幾ヶ瀬の手首をつかんで捻りあげる。
「痛ててて」
悲鳴をあげながらヘンタイメガネ、何だか嬉しそうだ。
ヘンタイメガネの変態たる所以だな。
今日はダメだ。ダメな日だ! エロは無いよ!
待ってたって何も始まんないよ。
みなさん、ごめんなさい。
アタシだって濃厚なエロを求めているんだよ!
「ヘンタイメガネの変態たる所以」完
【予告】9「かきまぜる行為」へつづく
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