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【第16話】幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(2)

 バイトのストレスもたまる一方だよ。  おかげで発注を一ケタ間違えて、バイト先のお菓子屋には今「たけのこの里」が300ケースある。  「たけのこの里」が詰まった段ボールが倉庫の半分を占めているのだ。  そこは本当に店長よ、ゴメンナサイと思うんだけど、インケン店長から1週間以上怒られ続けているアタシも可哀想だと同情してほしいところだよ。  せめてものお詫びとして、今日アタシは「たけのこの里」を60箱買って帰った。  美味しいよ「たけのこの里」は。それは確かだよ。  でもこれで今日のバイト代がトンじまったよ……。  そんな折も折。  たけのこの重さにヒィヒィ言ってコーポ中崎の階段を登ったところで、アタシは遭遇した。  アタシ以上にグロッキー状態の幾ヶ瀬に。  ノゾキの結果、ヤツが15連勤ということは知っていたが、これはかなりお疲れのご様子。  顔色が何やらドス黒い。  眼鏡も斜めにズレているし、目もうつろだ。 「こ、こんにちは……いや、こんばんはですかね?」  夕日のオレンジが消えていこうとしている空を見上げながら、アタシはこれでもちょっと気を遣っている。  だが幾ヶ瀬の奴、今日は挨拶してもこっちを見もしない。  いつも返事はないんだが、蔑んだような視線をくれるんだぜ、ヤツは。

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