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【第16話】幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(5)

   ※  ※  ※  ※  ※  夜の8時。  中途半端に田舎で、中途半端に都会であるこのあたりは、コンビニや飲食店の照明のおかげで灯かりには困らない。  そうは言っても、町はずれの廃校となると話は別だ。 「ヘイ、照明! カモン!」  幾ヶ瀬が指をパチンと弾いた。 「……ハイ」  アタシはスマホのライトをオンにした。  錆びた校門の向こうに、4階建ての灰色の校舎が重苦しく横たわっている。  黒く沈みこむ窓から何かが覗いているようで、アタシは思わず顔を背けてしまった。 「ちゃんと撮れてる? まったく役に立たないんだから」 「……ハイ。ちゃんと撮れてます」  えらく張り切っていやがる、ヘンタイメガネのくせに。  何回も断ったよ?  だが、ヤツは聞いちゃいない。  ──町はずれの廃校に心霊系動画を撮りに行く! 行くったら行く!  そう言って、ヤツはアタシに付いてくるよう命令した。  ジェスチャーで分かる。カメラ係をしろと言っている。

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