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【第16話】幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(21)

 アクの強いオバチャンは、アタシを酔っ払いか何かだと勘違いしたのだろう。 「困るのよ? カルチャースクールの朝活書道に来てみれば、アナタこんな所で寝転がって。イヤだわ、酔っぱらって学校に入り込んだのね」 「いや、ちが……」  オバチャン、アタシの話なんて聞いちゃくれない。  ワラワラと集まってくる朝活書道のオバチャンたちがアタシを取り囲む。 「イヤねぇ」 「ほんと、世も末ねぇ」 「この町も物騒になったわ」  なんて言いながら、ゾロゾロと校舎の中に入っていってしまった。  呆然と見送るアタシ。 「ハッ……ハックショーーーン!」  大きなクシャミをしながら、トボトボとアパートに帰ったアタシは、その後3日間カゼで寝込むことになる。  家には大量の「たけのこの里」しかなく、それを食ってカゼをやり過ごした。  せめてものお詫び(?)として、イチャついてほしい隣りの部屋なんだが、深夜アニメに興奮した有夏チャンが主題歌を熱唱する大声が聞こえてくるだけだった。  何だよ、このオチ!  もう、やってられないよ!  タイトルのままにイチャついてくれよ!  次回こそはきっと……。  そう心に誓った冬の夜でした。 幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル【完】

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