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【第17話】『閲覧履歴に基づくおすすめ商品』は人物の内面を完全に晒す(8)
「だ、だって俺のパソコンだし。登録してるカードだって俺のだし」
悪いことをしているわけではないのだが、幾ヶ瀬も後ろめたいのか、歯切れが悪い。
「有夏こそ、おすすめが進撃の巨人のグッズばっかりだったよ!?」
「いやぁ、完結の衝撃がいつまでも色あせないっていうか。記念にポチる指がとまらなくて」
「俺の金で記念ポチやめてよ……いや、まぁいいよ!」
幾ヶ瀬が目をぎゅっとつむって、両手を振った。
この話はそこで終了という合図だ。
「進撃の巨人語り出したら有夏、長くなるから」
「何それ。ゲートボール大会のこと語り出したら、じいちゃん話長くなるみたいな」
「えっ?」
「……いや、別に何でも」
「えっ、ゲートボール? えっ、何が言いたいの?」
「……例え話なだけだろ! そこツッコムなよ」
「ツッコムなら別のところにしろと……うまーい、有夏! で、有夏はローション買ってほしいの?」
何がうまーいだとぼやいて、有夏が顔を赤らめた。
せっかく履きなおした下着を幾ヶ瀬がまた引っ張る。
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