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【第27話】本日のリア充(1)

「イデッ! イデデデッッ!!」  悲鳴にすらならない。  喉を潰されたような、か細い唸り声をあげているのは有夏である。 「アデーーーーッ!!」  断末魔の叫びに似たそれに、幾ヶ瀬は大仰にため息をついてみせた。 「有夏……、これは酷すぎだよ?」  当人が聞いちゃいないのは分かっているが、愚痴のひとつもこぼしたくなろう。 「ころされる。しんじゃう……」  ブツブツ言いながら、当の有夏は床に蹲ってしまった。 「有夏はコタツで寝ていたいのに。冬の間はずっとコタツで寝ていたいのに……」 「ちょっとー? 有夏さん?」 「コタツから出たら生きていけない……」

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