1 / 1

第1話

「ねえ、今金欠じゃない?」 そう街で声をかけられて、つい頷いてしまったのがいけなかった。 山里千晶(ちあき)は、カメラを向けられながらそう思った。 今更後悔したってもう遅い。それでも、そう思わずにはいられなかった。 大学生になってからというもの、遊びや飲み会、ゲームに課金、生活費と、財布からはお金がでていくばかりの生活だった。 送ってもらった仕送りも月の頭には全て使い果たし、残りはバイトをしてなんとかすごす――そんなことを続けていたから、とにかくお金が欲しかった。 ふわっとした猫っ毛の茶色い髪と切れ長の瞳。中身はそうでもないのに、外見だけだとクールにも見られることもある外見は、街では割と目立つらしい。 逆ナンをされることもあるが、今日千晶に声をかけてきたのは、何かの取材なのか、手に大きなカメラを持った男性三人だった。 怪しさはなく、どこにでもいる社会人、といった感じの彼らの「撮影を手伝ってくれたらお金稼げるよ」という言葉にふらふらとついて行った千晶は今、どこにでもありそうな街中の小さな店舗の中にいた。 それなりに賑わう大通りのビルの一階、ガラス張りのそこは、小さな不動産屋といわれても納得といった感じの見た目だった。 ただ、全面ガラスなのにもかかわらず、外から中は一切見えない。いわゆるマジックミラーというもので、中からは外が鮮明に見えることに、千晶は驚いた。 そんな千晶の様子を撮影していた一人の男は、ソファに腰掛けて千晶と二人の男を眺めている。部屋の隅にソファがあって、扉側――マジックミラーの側には、マットが敷き詰められているスペースがあった。子供が遊ぶスペースのようなそこには、クッションがいくつか散らばっている。 「そんなに緊張しないで、ね。約束通り、ちゃんとお金も渡すから」 「千晶くんは何も心配しないでいいからね」 二人の男がゆっくりと千晶をマットの方へ追い詰め、優しく、しかし有無を言わせぬ力で千晶を押し倒す―― (ああ、やめればよかった) 千晶を見つめるカメラのレンズを見つめながら、そんなことを思った。 「はっ……あ、ぁっ!」 ギンギンに勃起した性器を激しく上下にこすられながら、千晶は息を荒げていた。 足を左右に大きく開かされ、後ろから男に抱きすくめられているような格好で、千晶は男の手によって翻弄されていた。 腹に当たりそうな程に勃起した性器はしごかれる度に水音を部屋に響かせ、手の動きに合わせるように千晶の身体が小さく跳ねる。 性器をべっとりと濡らす透明な液は、本人の愛液とローションだ。 男二人に身体をいじられながらもなんとか抵抗した千晶だったが、ローションでぬるぬるの手で性器を擦られるとすぐに陥落した。 手の温度で温められたヌルヌルのそれにペニスを包まれ、身体の力が入らなくなり、その瞬間を見計らって激しく扱かれてしまったのだ。性器はすぐに勃起し、ぬちゅぬちゅと音を立てて刺激され――いつの間にか、抵抗することも出来なくなってしまった。 今やカメラに足を広げ――――といっても男の手に開かされているのだが――その間から存在を主張する性器は悦んで涎を垂らして震えている。 「はぁ、っあ、んんっ……ふっ」 他人に触られたことのないソコは、男の手に扱かれて、たまらない快感を千晶にもたらしていた。いつの間にか腰が上下にへこへこと揺れ、いやらしい姿をカメラに写されている。 内ももがピクピクと筋肉の筋を作り、性器への刺激に反応してヒクつく様がひどく淫らだ。 下肢を包むものは何もなく、上半身はシャツを脱がされ、黒いタンクトップ一枚の姿。 男の手が千晶の胸元をいやらしくなでると、今度は別の快感に千晶の身体が震えた。 「あっ!」 タンクトップの上から何かを探すように指が何度も往復し――つんっと胸の敏感な箇所をつつかれて、甘い快感が身体を走り抜ける。 まだ柔らかいソコを指が何度も押しつぶすと、ソコはだんだんと硬くなり、タンクトップの上からでもわかるほどに尖り始めた。 「千晶くん、女の子みたいだね」 「はっんぅ……あ、あ――っ」 指でこねくり回されると、そこがきゅうっとさらに硬くなるのがわかる。 きゅっとつままれ、ねじるようにして刺激されると、たまらない愉悦に千晶の身体がくねる。 性器が熱くてたまらない。じんじんとした疼きが先走りを溢れさせ、乳首からの刺激が腹の奥にたまって身体がおかしくなってしまいそうだ。 千晶の腰は、まるでセックスしているかのように一人で上下に揺すられ、男の手で性器を扱かせる。 千晶の痴態にクスクスと笑いながら応える二人の男は、千晶がイキたいのをわかっているが、簡単にそんなことはさせなかった。 「あっんぁっ……!?」 ぴちゃ、と何かが足の間に触れた感触に、千晶の身体がびくりとする。 尻の間、その谷間を、細い何かがゆっくりとひっかいていた。 「ぇっ……あ、ぅ」 性器をつかんでいる男とは別の男の手が、千晶の後孔のまわりを優しくなでている。 性器を濡らしていたのと同じローションがたっぷりとまぶされており、温かくて心地が良い。しかしその心地よさとは裏腹に、指が行っているのは――千晶が自身でも触れたことのない場所への愛撫の準備。 どっどっと性器は脈を打ち熱く、そのまま流されてしまいそうになるが、ヒヤリとした恐怖も腹の奥からわき上がってくる。 「あ、あ……っ」 固まってしまった千晶の乳首を男の指が優しくつまむと、その快感に一瞬、力が抜ける。 その瞬間、指は千晶の身体のナカへとゆっくりと入り込んできた。 「っ――!」 ぬち、と液体をまとった指は、小さな孔に侵入して、進んでいく。 今まで感じたことのない感覚に息が詰まるが、それは千晶の反応なんか気にせず、どんどんナカへ入り込んでくる。 痛くはないが、変な感じだ。身体のナカを何かが潜っていくのは、やはり怖い。 腹にたまっていた快感の熱に、今度は違和感と恐怖が混じってぐるぐると渦をまく。 乳首をつままれた甘い快感は上半身を電流のように駆け抜け腹に落ち、性器は張り詰めて涎を垂らしているというのに、後孔に入り込んだ指に快感をストップさせられているような感覚だった。 否応なく募る快感で身体が熱いのに、ナカへ入り込んだ違和感を肉壁がきゅっと包み込み、その異物感にまた身体がかたくなる。 「っ、ふ……ぅ、っ」 「根元まで入ったよ、千晶くんのお尻、優秀だね、ほら」 手を導かれて自分で尻の合間を触らせられると、たしかにそこには男の指が突き立てられていた。 この異物感は男の指なのだ――と、わかっていたことを自身の手で確かめると、その生々しさに腹の奥が熱くなる。 ビンビンに起き上がった性器は変わらず力強く天を仰いだままで、タンクトップを押し上げる乳首もつままれては悦んで反応する。 (こんな、俺の身体――おかし、っ) 今までこんなこと、したこともなかったのに。 自分のからだの反応に困惑する千晶だったが、次の瞬間、身体が衝撃に飛び跳ねた。 甲高い声を上げ、びくびくと身体が痙攣する。 「アッ!あひっ、いっんっはあぁんっ!」 ぐるぐると渦を巻いていた快感の泉へ、何かが突然アクセスしたかのような――鋭い快感が脳天まで一気に貫き、たまっていた熱が体中を駆け巡る。 「なっにィイッ!?あっ、は……はあっ!」 びくっびくっと身体が敏感するが、そのたまらない快感が何なのか千晶には理解が出来なかった。ただ、身体を翻弄する快感の衝撃に耐え、身を悶えさせる。 「あれっ千晶くんのいいところ、見つけちゃったのかな?」 「え?もう?すげえ」 「ああっ!あっ!あ――っ!」 粘着質な水音がぐちぐちと音を立て、部屋に響き渡る。 後孔に差し込まれていた男の指が、千晶の内壁を激しくかき回していた。 衝撃のような快感は、男の指が押し上げる快感スイッチから発されていたのだ。 「やっはっあああんっ!らっ、めらめっ……!それっぇっ……!」 激しくナカの肉をこね回され、千晶はたまらず甘い悲鳴を上げる。 手を止めようと無意識に千晶も尻に手をやるが、力が入らずまるでもっとしてと強請っているかのようになってしまう。 「ひぃんっ!そっんなっ……どっ、ちもぉっ……!?」 千晶の上半身がまるで胸を突き出すようにくねり、男の指が乳首を強く引っ張ると、上と下からのたまらない快感に千晶はもうわけもわからなかった。 「らめっ!あっあ、あ!もっ、やめっ……!」 身体が激しくのたうつが、指の動きは止まらない。 さらに奥へと押し込まれるようにして指が深くをこすりあげ、千晶の身体から力が抜けて前に倒れていく。 自分で身体を支えることも出来ず、千晶の身体はマットへと倒れ込んだ。つままれた乳首はそのままで、マットに倒れたまま、後ろから伸びる男の手によって胸を愛撫され続ける。 まるで腰を突き出すような体勢になり、それが余計にナカへの刺激を与えることになってしまう。 柔らかくなった後孔にさらにもう一本指が差し込まれると、そこは抵抗することもなくぬるりと男の細いソレを飲み込んだ。 ぽてりと縁が膨らみ、指をきゅうきゅうとしゃぶるソコは淫らで、今まで何もくわえたことがないなんて誰も信じられないだろう。 「はっ、は、ぁっ……おか、し……らめ、へん……」 快感に翻弄され、力が入らなくなった身体はぐったりとマットの上に横たわり、尻の孔には男の指が突っ込まれ――タンクトップの上からしこり上がった乳首を何度もひっかかれて、じんじんとした疼きが腹の奥で熱を上げる。 「らっ、めえ……っあ、はっううんっ」 卑猥な水音と千晶のだらしない嬌声が部屋に響き、それがカメラに収められていく。 いつの間にか千晶の腰はへこへこと揺れ、足の間のペニスがぷるぷると揺れていた。 「さて、そろそろ良さそうだな」 「っ……?」 突然、ナカをかき回していた指が抜き取られる。 今まで異物をしゃぶっていた後孔は小さく口を開き、きゅんきゅんと収縮している。 そこはローションでべたべたで、まるで涎を垂らす女の性器のようにも見えた。 「はい、じゃあー、千晶くんの処女、いただきます♪」 ぴた、と尻の間に何か熱いものが当たる。 それはぬっぬっと谷間を何度かなぞり、ぷくりと膨らんだ後孔へとこすりつけられた。 熱くて、硬くて、太い。 ぼんやりとした思考では何が起きているのか理解できず、状況を確認するために顔を後ろへと振り向かせる――その瞬間、視界と感触の両方で何が起きているのかを理解することになった。 「あ、あ……っ」 「力抜いててね、まあ大丈夫そうだけど……」 男の下半身が自身の尻へとこすりつけられていて――後孔がカッと熱い。そう感じた瞬間、メリメリと身体を押し開きながら、熱の塊が自分の身体を押し上げてくるような感覚。 息が浅くなり、今までに感じたことのない異物感が身体をゆっくりと、しかし強烈に犯しはじめる。 「っ、ぅ……っはぁ……っ」 息が出来ず、はっはっと浅い呼吸を繰り返す。にちにちと肉壁はペニスを拒むように口を閉じるが、しかし灼熱の肉棒は止まることなく千晶のナカを進んでいく。痛みというよりも、熱さと恐怖に身体が硬直する。 「ひぃい……」と情けない声が自分から漏れるが、千晶はなんとかこの状態から逃れようとマットの上の手をばたつかせ――それはすぐに、男の手によって押さえつけられる。 「はっ、ひぃっ……こわ、こわいぃっ……」 ペニスを三分の一ほど挿入された状態で震える千晶を、男たちはくすりと笑う。それはあざ笑うというよりも、かわいらしい子供をみている大人のような笑い方だった。 「だーいじょうぶ、千晶くんならすぐ良くなるよ」 「さっきだって気持ちよかったでしょ?」 「さっき、ぃ……?」 そうかもしれない。確かに先ほどまで、与えられる快感に身をよじらせていたような気がする。恐怖と混乱でべそりと鼻をならすと、男はやさしく千晶の頭をなでた。 「はーい、よしよし、じゃあ早く気持ちよくしてあげるからね」 「きもちよ、えあっ!は、うううんっ……!」 突然、身体が揺れ、ぬちゅっとした水音が耳に届く。 「はっ、あっああっふあ、あっぁあっ」 身体が揺らされる、最初に千晶が感じ取れたのはそれで――何が起きているか理解出来ないままに、今まで感じたことのない快感が電撃となって身体中を駆け巡る。 熱くて、しかし身の内側からとろけるような悦楽が千晶の身体をくねらせ、たまらず手がマットを握りしめるように力が入る。 「なっにィイッ!?やっは、は、あっ……!アッぁっんんあ!」 「気持ちいいとこ擦れてるねー、千晶くんのスイッチ、わかりやすい」 「ひっはあ――っ!あはっ、は、ぁっああっ」 途中まで侵入したペニスがぬっぬっと前後に動き、肉壁を強くこすりながら刺激する。 入り込んでくる時は肉壁が熱の塊によって押し広げられ、引き抜かれるときには隘路を強く擦られて――指で快感にならされていたソコは、ピストン運動によって快感を得て震えた。 きゅっきゅっと入り口がすぼまり、肉棒を離すまいとしゃぶりつく。 男に身体を犯されながら、千晶は理解できない快感に悶え、甘い悲鳴を上げていた。 「やっあ!なにっなにっこれぇえっ!あぁ!あーっ!あっふううんっ……!」 先端の方までしか入っていなかったペニスが、動く度に奥へと侵入する。快感に身体をビクビクと震わせながら喘ぐ千晶は、そのことに気付いていなかった。ピストンの度に、ずんっと身体を突かれペニスが深く入り込んでくる。その衝撃が千晶の口からは甘い悲鳴となって漏れ、部屋に響く。 勢いよく身体が突き上げられ――「あううっ!」と千晶はその衝撃に鳴いた。 目の前がチカチカと光り、息が止まる。気付くと男の腰が自身の尻にぐいぐいとこすりつけられていた。 「あっ、あ、は……あ、ぅ」 「千晶くん、わかる?最後まで入ったよ」 「へ、えっあっそれ、それっそれえっらめっなっにィっ」 根元までずっぷりと千晶に包まれたペニスが、ぐるぐると円を描くようにして肉壁を揺らす。ゆっくりとした腰の動きだったが、今まで前後のピストンを繰り返されていた肉壁は、身体の中をかき回されるような動きに大げさなまでに反応する。 気持ちのいい箇所を肉棒が押しつぶし、たまらない快感に千晶のペニスから溢れる透明な液体が薄らと白く濁り始めた。 「らめっ、やっあっ!あっあっああっあっ!」 円を描くような動きによる快感に身体を震わせていた千晶は、今度は激しい前後の動きに嬌声を上げる。男の手が千晶の腰をつかみ、腰を激しく振り立てた。 「あっあーっ!はふっうううんっあっあ……!」 がくがくと身体を揺らされ、身体の奥を激しく突かれて千晶はただされるがままに喘いでいた。ペニスに押し開かれは媚肉はみっちりとしていて、それが激しく内側から擦りあげられるともうたまらない。 こんな快感今まで知らなかったはずなのに、千晶はもうその快感から逃げられなくなっていた。 身体の内側から熱され、腹の奥の快感の泉が湧き上がり全身へと広がっていく。 たまらなく気持ちが良くて、肉壁はきゅうきゅうと収縮してペニスを咀嚼する。それがまたペニスを強く包み込み異物感を増して、身体はその刺激に悦びいやらしくくねる。 「いっい、いっ!あはっ!はふううんっ、はっはあんっ!」 パンッパンっと尻肉に腰をたたきつけられる度に、目の前がどんどん白くかすむ。 前立腺をゴリゴリにペニスに抉りあげられて、もう絶頂はすぐ目の前だった。 「あっあうぅ――、っは、ひあ、あっらめ、おかしっ、おかっあっあ……!」 迫り来る未知の感覚が怖くて、千晶は子供のようにすすり泣く。しかし男はそんな千晶に、より激しく腰を動かしながら弱い箇所を重点的に擦りあげた。 擦れるだけでも快感が身体をドロドロに溶かしていくのに、ペニスの先端で何度も押し上げられたらもうたまったものではない。 「やっはっはっああっあッァっあ」 犬のように激しく息を繰り返し、口からは意味をなさない嬌声を垂れ流す。 涙と涎でべとべとになった顔は紅潮し、しかし表情にはしっかりと快感を刻んでいる。とろけた瞳はもう視線が定まっておらず、ただ迫り来る悦楽に涙が湧き上がってくるのみだ。 「やっばこの子、才能あるわ……おらっ!イケっ!」 きゅううと収縮する肉壁が絶頂したいと訴えていたのか、男は根元まで差し込んだペニスをさらにぐいぐいと奥にこすりつける。 男の腰骨が痛いくらいに尻肉に押しつけらた。腰をつかむ男の手は千晶の尻肉を左右に開けるだけ開き、もうこれ以上は物理的に不可能な程にペニスが千晶の身体を串刺している。 その状態で男はくい、と腰の角度を変え――さらに敏感な箇所をゴリゴリのペニスが抉りあげた瞬間、千晶は悲鳴を上げながらまるで打ち上げられた魚のように身体をのたうたせた。 「ひっ――ッ!アァアッ!あ――ッ!」 男の下で千晶の身体は強く痙攣し、腰がびくんびくんと跳ね上がる。 尻に勝手に力が入り、硬くなった筋肉がより一層ペニスを強くしゃぶりあげる。 「ああうっ!うっひ、イ――ッおか、っおかし、こっれええっ!」 恐怖を感じる程のたまらない悦楽が身体の深くから四肢の隅々まで広がり、まるで毒にでも犯されてしまったかのように、身体が快楽に支配される。 そんな状態で男の肉棒はさらにぐっ、ぐっと快感のスイッチを押し上げるものだから、千晶はもう自分の身体がどうなっているのかわからなかった。 上り詰めたまま、戻ってくることができない。ペニスからはとろとろと白濁があふれ出し、腰はガクガクと震えている。 大げさなまでに全身はブルブルと震え――どれだけその状態だったのか、永遠にも思える程の時間をかけて男が千晶のナカで何度も小刻みに精液をほとばしらせると、そこでようやく千晶は脱力した。 男に犯された身体が、どさりとマットに崩れ落ちる。 上り詰めた余韻で身体が小刻みに痙攣していた。 「ひぐ、ぅうっ……」 とろけたままの声で、何度かうめき声を上げる。 脳が悦楽に溶かされ、自分がどうしてこうなったかも考えることが出来ないままに、千晶の意識は次第に薄れていった。 「はい、お礼」 「えっ……」 手渡された金額に、千晶は戸惑いの表情を見せた。 1万円札が5枚。時間にしては5時間程だったので、時給1万円ということになるだろうか。これが高いのか安いのか、判断がつかない。 というよりも、正気になった今、なんということをしてしまったのだ、という後悔の念がとめどなくわいてくる。 動画もとられていた。あれを売りさばかれて、自分の痴態がネット上に広まってしまったら―― そんな千晶の表情に気がついたのか、ぽん、と男の手が千晶の肩にのせられた。 「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫だよ、動画を売ったりしないからさ」 「ほんと、ですか……?」 「うん、もちろん」 優しそうに微笑んでみせる男に、千晶の気持ちが一瞬軽くなる――が、続く言葉に千晶は動揺した。 「その代わり、またやってね、このお仕事」 「え――?」 「君が続けてくれたら動画は流さない、どう?千晶くんも楽しんでたし、お金も稼げるし……いい条件でしょう?」 手元の5万円は、確かに千晶にとって大金だ。これだけ稼ごうとしたら、相当の時間がかかってしまう。それに何より、動画という人質を取られている自分に選択の余地はない――そう言い聞かせ、千晶は何も言わず、小さく頷いた。 「うん、じゃあそういうことで、また連絡するね」 「は、い……」 千晶は戸惑いながらも、渡された紙幣をくしゃ、と握った。 これから長い付き合いになるバイトだとは、このときの千晶には想像出来なかった。

ともだちにシェアしよう!