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恋人_6

音を立てて吸われたら腰の力が抜けて、バランスを崩した身体を篠原の腕に支えられる。 「……っはぁ……そ、れ……吸わな………ぃで」 言葉の代わりに腰に回った腕が逃さないと言いたげに身体を引き寄せて、角度を変えてはまるで赤ちゃんみたいに吸い付くのを止めない。 どうしよ……気持ちいい…………けど、可愛い、かも……。 服を捲くっていた両手の片方を篠原の頭にそっと乗せた。 「――?……どした?」 「ん……か、わい……ぃ……かったから……」 「…………ばか、可愛いのはお前だろ」 「――あッ!?や、噛まな……ぃでぇ……っ……!」 歯の当たる強い刺激。なのに全然痛くない……むしろ……。 「ほら、ちゃんと服持ってて」 「ん……ぅ……」 濡れそぼった右の尖りが空気に触れ、今度は左が口の中へと含まれていく。 「……あ……ッ……」 こっちも気持ちいい……っ、気持ちいい……ぜんぶ、篠原に触られるところ全部気持ちいい……。 「し、のはら……も、そこいいから……」 「ん?」 「〜〜っ……もっと……」 「もっと?」 「もっと……下……触ってほし……」 こんな自分から強請るなんて、はしたないのに……感情が気持ちが抑えらんない……。 我慢出来ない……もっと欲しい……。 「ん、素直に言えて偉いな」 胸元から口を離して、褒めながらくれるキスに夢中になっていたら身体はいつの間にかベッドに沈んでいた。 見上げた篠原は着ていた服を脱ぎ捨てて、綺麗に付いた上半身の筋肉が顕になる。 無駄のない引き締まった身体。 俺には絶対手に入れられないそれに目を奪われる。 「――あ、……っ……!」 胸がきゅうっと締め付けられると同時に、後ろが濡れる感覚がして思わず足を閉じた。 「――それじゃ触れないだろ?」

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