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⑤御姉様 ─迅─⑧※

 俺は自分ってもんが分からなくなった。  性欲が満たせれば相手は誰でも良かったこれまでと比べて、そう簡単に踏み込んじゃいけねぇ境界線をしっかり守ってる雷には、俺の方が固執してる気がしてならねぇ。  ちょっと抱き締めて顔を近付けると、それだけで分かりやすいテンプレ的な照れ方するくせに、まだ俺をダチ呼ばわりする。  そのツラに弱え俺からしてみれば、美味そうな裸体が目の前にあったらそりゃ頂きたくもなるだろ。  あんま見えねぇけど、一応はライトアップされたキレイな景色と湯けむりがすぐ目の前。  若干の肌寒さを感じてようが、逃げようとした雷を捕まえて後ろからチン○を握ってやると、不思議とすぐに温まる。 「あッ……♡ 迅、ダメだ! なんかこのシチュエーションはダメだ! ぁあっ……んッ♡」 「なんでダメなんだよ。 あんあん言ってんじゃん」 「だ、だって……ッ、猿とかリスとか見てたらどうするんだ!」 「………………」  あぁ、……それでいまいちチン○の反応が薄いのか。  扱きながら耳を舐めて、あんあん喘ぐ口の中に指突っ込んでみようとしたんだが。  雷は前屈み、俺はその小せえ背中に覆い被さって、まさに今から予選を開始しようとしていた。  どうりで集中してないわけだ。  夜行性の動物ならまだしも、この時間は大概の生き物は寝てんじゃねぇの? てかここ三階だけど? 「なっ!? 視線感じるだろッ?」 「………………」  俺には分かんねぇ視線に怯え始めた雷が、猫目をまん丸にして俺を振り返ってきた。  あー可愛い。 何も、誰も、見てねぇっての。  今こんなにビクビクしてんなら、……例えば、こんな事言ったらどんな反応するんだろ。 「それってさ、雷にゃん……」 「な、ななななんだよ、おっかねぇ顔して……」 「この時間だし……そんなに視線感じるんならほら、幽霊とか。 そっち系じゃね?」 「え、…………ッ」  うわ、体が一瞬で硬直した。  俺を見詰めていた黒目がウロウロする。 竦んだ身体を俺の腕一本に預けて、だんだん眉間が狭くなった。  ゆっくり雷の細腕が動く。  まだ浴衣を着たままだった俺の二の腕部分を掴み、フンフンと鼻息が荒くなってきた次の瞬間、───。 「やだぁぁぁぁッッ!! 迅!! 助けて!! 抱っこしろ!! ギュッてしろ!! 俺を離すな!!」 「…………っ」  全裸の雷は絶叫し、見事な瞬発力で俺の体に飛び付いてきた。  でまかせ言って雷の反応を見ようと面白がってた俺が、「マジでごめん」と謝りたくなるほど、しがみついてきた手のひらが震えている。  この手の話がそんなに苦手だとは思わなかったんだよ。  反応を見て詫びる以前に、思いがけず俺得なシチュエーションが完成してしまった。  抱っこしろ? ギュッてしろ? 俺を離すな? ───上等じゃん。  つくづく、可愛いヤツ。 「迅!! 早く!! この宿から逃げよ!!」 「大丈夫だって」 「何が大丈夫なんだ!! あっ、おい! やだやだやだやだ! 離れるなよッッ! 抱っこしてろ!!」 「俺脱げねぇじゃん」 「お前がビビらせたんだろ!! 責任持て!!」 「じゃあ俺にしがみついてろ。 俺は露天風呂に浸かりたい」 「お前正気!? おばけが見てるかもしんねぇのにチン○晒して平気なわけ!? どんだけ自信満々なんだよ!」 「雷にゃん、ちょっとうるせぇから声抑えろ。 おばけの前に苦情がくるぞ」 「んぅッ……♡」  叫んで喚いてうるせぇ口を塞ぐ術は身に付けた。  チビが体にへばりついたまま、やっとの思いで浴衣を脱いで素早く唇を重ねる。 温もった檜板の上を移動している間もずっとだ。   つまり今回はベロ入り。  口では言えねぇから、たっぷりベロを絡ませて「ビビらせてごめんな?」を伝えた。  ファーストキスもファーストディープキスも俺が貰ったから、このどうしたらいいか分からねぇって怯むたどたどしい舌を、俺好みに開発できる喜び。  鼻息まで甘え雷は、ディープキスに必死だ。  その隙に、腹についたチン○を柔く扱く。  こんなのまるで駅弁体位じゃん。 めちゃめちゃ興奮すんだけど。 「ふぁ……♡ 迅、ダメ……おばけ見てる、からぁ……ッ」 「見せとけばいいじゃん」 「俺そんなに自信無えよぉ……」 「ナニに?」 「迅の迅様みたいにデッカければさぁ、……あっ♡ ン、……やんッ」 「いい匂いだよなぁ。 桧風呂ってのがまたいい」 「う、ん……ッ、俺もそう思……っひぁッ♡ 迅……っ、ダメ、こんなとこで……出せな……ッ」 「外は寒みぃけど、雷にゃん温いからわりと平気だ」  唇を解放すると途端に淫らな声で啼く雷は、ちゃんと俺の首に腕を回して体重を支えていた。  かたくなってきたチン○を扱く手を速めて、仰け反った細い顎を舐める。  キスの余裕は無さそうだから我慢して、雷の首に新たなキスマークを何個も残した。  これが、ヤツへの牽制になればいい。  俺は雷を手懐けてるだけじゃねぇ。 純潔な体に俺の色を仕込んでる最中で、最高に楽しいコトをする間柄だってな。 「迅……ッ、人の話、聞けよぉッ! あぁッ、ダメ、迅ッ……ダメ、イっちゃうってば……ッ」 「雷にゃん」 「な、……っ、なんだよッ?」 「気持ちいい?」 「──えッ!? なん、なんでそんな、こと……ッ?」 「気持ちいいかどうか、知りたい」 「…………ッッ!?」  俺は雷をこうしてるだけで気持ちいい。  お前はどうなんだって意味で聞いただけなんだが、そんなに驚く事かよ。  先走りを利用して、わざとクチュクチュ音を立てる。 扱いてるこの卑猥な音と雷の吐息が重なると、俺のも反応しちまってヤバイ。  確実に開発が必要な穴に、無闇に突き立ててしまいそうになる。 「雷にゃん、どうなんだよ。 気持ちいい?」 「いや、ッ……あの、そんなイケボで聞かれると……っ、あの……ッ! ぁん……っ♡」 「キャラ変わってんぞ、雷にゃん」 「だって迅が……ッ、迅が、カレシみたい……」 「みたい?」 「うぁ……ッ、キモい事言ってごめん! あっ……だめ、イきそ、……ッ♡ ヤバイッ、迅……ッ! 出ちゃうっ、出ちゃうってばぁぁッ」 「少しはそういう事考えてんのな。 ホッとした」 「あ、ッ……出る、出る、……ッッ……迅〜〜ッッ♡」

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