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⑦曲解 ─迅─⑧※

… … … 「わわわわッッ、ちょっ、迅! どこ行くんだよ! 俺は腹が減って……!」 「気が散ってそれどころじゃねぇだろ?」 「俺がいつどこでンなこと言った!? 待ちに待った昼休みなんだぞ! 腹減りに決まってんじゃん! どこ行くんだよ!」  そうだ、待ちに待った昼休みだよな。  なんで同クラじゃねぇんだとイライラしながら時計と教師を睨みつけること約四時間、性欲の限界がきた俺はチャイムと同時に雷を拉致って猛進中。  行き先は俺らの秘密基地、の上の階にある男子トイレ。  万が一翼が追いかけて来て現場を見られたら最悪なんで、誰の目にも触れない場所といったらココしかねぇ。  腹が減ったと喚く雷の主張よりも、俺のイライラとムラムラ解消の方が優先すべき事項。 「は? 雷にゃんは俺のなんだから別にいいだろ」 「はあッ? あぅッ♡」  鍵かけて、狭い個室なのを言い訳に雷としっかり密着する。 自分の体に押し付けて締め上げるようにして抱きしめると、ひとまずイライラは落ち着いた。  この感触が待ち遠しかった。  土日はとりあえず唇が腫れ上がるまでキスしまくって、強引に開催した大会で雷は計四発、俺は二発抜いて終了。  何せ部屋に猫が四匹も居ると、めちゃめちゃ視線感じるし物音で起きた子猫がベッドによじ登ろうとするし、それを見た無類のにゃんこ好きな雷の気は逸れるし。  もっさんジュニア達に邪魔されねぇように、頭まで被った布団の中でコソコソシコシコするとか萎える。 ……なんてことはもちろん無く、ぶっちゃけ余裕かましてらんねぇほど燃えた。  ほんとは雷の嫉妬にかこつけてメロテクってやつを最大限に活かそうとしたんだが、そうやすやすと先へ進めるほど男同士の行為は簡単じゃねぇから。  少しずつでいい。  可愛く心臓チクチクさせてる雷が俺を意識してんなら、マジで焦る必要は無えし。 「雷にゃんは、俺のだ」 「ふぁ……っ♡ 迅、イケボやめ……ッ」 「イケボ言うなって。 てか俺の声だけでイけんじゃねぇの」 「そ、それはムリ……ッ、あっ♡ そ、……そんないきなり擦ったら……ッッ」  抱きしめて耳舐めただけで勃起させて、パンツん中に掌突っ込んでチン○触っただけで腰砕け。  やわらかいほっぺたにキスすると、くすぐったそうに目を細めた雷が背中を丸めた。  俺の掌に収まるチン○へのダイレクトな刺激に、控えめに喘ぎ始める。 「んッッ……♡ 迅、ダメだって……ッ、ガッコは、ッ♡」 「ここガン勃ちさせたまんまでいーの? それこそ気が散るんじゃね?」 「お、まえのせい、……あッ♡ だろ!」 「そうそう、俺のせい。 いや、俺の声か?」 「あぁっ♡ 耳っ……耳、なめ、……るな……ッ」  快楽に従順な童貞チン○から、粘っこいカウパーがとぷとぷ溢れてきた。  掌でチン○全体にそれを塗り広げて滑りをよくしてみるが、これじゃパンツが汚れちまう。 いや汚れるのは構わねぇけど、午後の授業に差し支えるのは問題。  イってスッキリした雷は、「二度とガッコで盛るな」って猫目吊り上げて文句言うだろ。 そんなの俺がムリ。  細え腰を支えてた左手でポケットからゴムを二つ取り出し、その一つを雷のチン○に装着する。  ちなみにこれは、ネットで買った雷のナニ専用。 つまり俺には絶対、どうやっても嵌まらないやつ。 「な、ッ……またこれ……!」 「童貞男子用にゴム調達しといた」 「うるせぇッ! ありがとなんか言わねぇぞ! なんで俺こんなとこで……ッッ」  喚くわりに、ここから出ようとしない。  それどころかこっそり俺のブレザー掴んで、ピタッと装着された自分のアソコを物珍しそうにまじまじ見てる。  可愛いな。  雷は何も知らねぇから、拒否るより興味が勝つ。  俺はそんな雷と密着できてシアワセ。  頭ン中バカになりそーなくらい興奮してる。 「雷にゃん、俺もキツい。 ベルト外して、俺の出して」 「ふぇッ? だ、出すって……迅の迅様を……ッ? 俺がッ?」 「そ。 出して扱いて」 「まッ? それマジで言ってる!?」 「雷にゃんだけスッキリしようっての? ほったらかしは俺の俺様がカワイソウじゃん」 「こないだここで、俺だけイったの根に持ってるんだな!?」 「口動かさなくていいから手動かせ」 「うぇぇん!! 迅がおこだぁぁッッ」 「そんな大声出してたら人来るぞ」 「ハッ!!」  ……またその顔か。 それクセになんだよな。  顔文字より可愛い。 てか雷は何よりも誰よりも可愛い。  いやらしい雰囲気には違いないが、キスもしてねぇでおっ勃ててる俺も雷の事は言えねぇな。  不器用で不慣れな小せぇ手で、ゴツいバックル付きのベルトを外した雷のつむじだけでムラムラは頂点だ。 「うぁ……ッ……いつ見ても立派っすね、迅様……」 「ゴム付けて」  雷は俺のナニを握るのだけは慣れてきた。  こういうありがちなシチュエーションと、俺の声には殊更弱えって事も分かってきた。  まるでAVみてぇな要求に、言った俺も言われた雷もちょっと慌てる。 俺は顔には出さねぇけど。 「えッ? いや、でも俺付けたことねぇ……」 「見様見真似でいい。 突っ込むワケじゃねぇし大丈夫」 「つ、突っ込むって……ッッ! ガッコで太ももエッチは絶対ムリだ!」 「太ももエッチ? あぁ……あれやりたい? 雷にゃん童貞男子のわりに積極的じゃん」 「違ッ、そうじゃなくて……!!」

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