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⑭彼氏がキレました…… ─雷─⑧※
挿れてい?って、はなからそのつもりなんだろうが!
……と叫びたいとこなんだけど、展開の早さと迅のマジトーンでビビリ上がった俺の喉は、朝一番よりもキュッと締まっていた。
「壁に手ついてケツ突き出せ」
「そッ……そんなこと出来るか!! 恥ずか死ぬって言ってんだろ!」
「うるせぇ。早く」
「ヒェッ……!?」
怖えよぉぉッ!
なんでそんな能面のまま喋れるんだ!
迅の迅様は出来るだけ見ないようにして、精いっぱい強がる俺は下唇を出しながら壁に手をついた。
ケツ突き出せって言われたけど、それはムリ。ナニされるか分かっててそんなの……気絶しちまいたいくらい恥ずかしい。
そんで俺は、ペタッと壁に張り付いて大事なことを思い出した。
いきなりこんな展開になると思ってなかったから、俺はレッスンする時のマナーを怠ってんじゃん。
無表情で俺のお尻をもみもみしてる迅が、はたして聞く耳持ってるかは分かんねぇが一応言っとこう。
それなら今日はやめとこってなるかもしんねぇしな、うんうん。
「あ、ッ、あの! 迅さん、お話が!」
「何?」
「あぅ……ッ♡ ちょっ、耳……ッ♡」
「話って?」
「あッ♡ おまッ、ち、ちくびまで……ッ! やッ……♡」
「話って何ー?」
「あぁッ♡ ヤダッ、全部一緒くたに、……ひぁッ♡ 触る……ンにゃッ♡」
「にゃ? 触るにゃって?」
「ち、ちがッ……ベロ噛んだ……ふぁッ♡ だけ!」
おい! これじゃ全然話せねぇよ!!
耳ペロから始まって、ちくびコリコリキュッといじられて、最後にはチン○シコシコ……!
突然俺の体が快感まみれになって、ふにゃふにゃ言ってたら舌噛んだ。
下半身からぶわっと何かがせり上がってくるようなヘンな感覚が、迅のイケボでさらに膨らむ。
どうやったらそんなに器用に違うことを同時にやれるんだ、チクショー!
「雷にゃん、話って何?」
「あッ、んや……ッ♡ ちょ、一回やめ……ッ! 話せねぇ、から……ッ!」
「ンな事ねぇだろ。話せって」
「はぅぅッ♡ うッ♡ うぅッ……♡」
「なんて言ってんのか聞こえねぇなー」
「おまッ……お前わざとやって……ッ! ふぁ……ッ♡」
「雷にゃん、喘いでんの可愛いんだけど、も少し声落とせ。一人寝の寂しいオッサンからクレーム入るぞ」
「誰ッ!? オッサン!?」
「隣で聞き耳立てて、雷にゃんの声でシコってるかもよ」
「へッッ!?」
そんなことがあんのか!?
それはかなりキモいな!?
でも、声落とせって言われても俺には声出してる自覚が無かった……こういう場合はどうしたらいいんでしょうか、迅さん……?
耳とちくびとチン○のトリプル快感をやめてくれないとこを見ると、クレームなんかどんとこいって感じ?
出しっぱなしのシャワーで湯気モクモクの温けぇここで、こんなにやらしいことされたら童貞処女な俺は立ってるのもやっとなんですけど。
「……あッ♡ 迅、……ッ♡ 迅、マジで一回、やめ……あぁッ♡」
「声落とせって言ってんのに」
「む、むり……ッ♡ だってトリプル、だから……ぁあンッ♡」
「トリプル?」
「ンッ♡ イケボまで、やめ……ッ♡」
「どこで感じてんの? 耳?」
「あぁ……ッ♡」
「乳首?」
「ンあぅッ……♡」
「……ココ?」
「ひぁぁッ♡」
「全部か」
「そう、だよ……! だからッ、いっぺんやめろって、言ってんだろ……ッ」
「ははっ、可愛いな」
「…………ッッ」
分かってるくせに、順番に攻めてくるなんてヒドイ!
これ絶対、初々しい俺をもてあそんで楽しんでるだろ! 可愛いって言えば俺が喜ぶと思って! いやそれは嬉しいけど。……ヘヘッ。
いやダメだ。
俺の左乳首とチン○が捕らわれてる今、迂闊にヘラヘラしてたらもっとヒドイ遊びを仕掛けられちまう。
平常心だ、平常心。
ちくびが感じるとかあり得ねぇ。
チン○シコシコされてんのはしょうがねぇとして、これは俺の弱点である耳をペロペロされてっから倍速でイきそうなだけだ。
そう、……そうなんだよ、……俺は……ッ。
こんな気持ちいいの知らねぇから……!
普通に立ってらんなくなる。
ケツ突き出せって言った迅がこんなことしてきやがるんだから、もたれかかっても文句は無えはずだ。
やめろって言葉は通じねぇし。
バスルーム内に俺の声が反響して、気持ち悪りぃけどそれさえ煽られ材料になる。隣に泊まってる寂しいオッサンに、この声を聞かせちまってんのかと思うと……なんでだろ。
余計に興奮しちまった。
いろんな要素詰め込まれた俺は、自分で言うのも何だけどカワイソーなくらい気持ちいいのと戦うので必死だった。
もみもみシコシコ、耳舐めついでのイケボも全部やめてくんなきゃ、マジで話なんか出来ねぇよ……ッ。
「で、話って?」
「ひゃッ……!?」
おいぃぃッ! いきなりピタッとやめるやつがあるか! せっかくあとちょっとでイけそうだったのに……!
下半身が浮いてるみてぇにふわふわしてたんだ。
ほんとにもう、迅のデカい手のひらでチン○を握り込まれたらそれがトドメだってくらい。
俺は迅にもたれかかってんのをいいことに、もはや自力では立ってなかった。
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