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友達とは……⑦
「いつもごめんね。
土日はバイトがあるから放課後に付き合わせてさ」
「別にいいよ。
それに日曜日はカフェでゆっくりナギのウエイター姿見るの好きだし」
屈託の無い笑顔で言われると照れる。
カフェのバイト中いつも視線を感じるので、見られているのは分かっていたが、改めて言われると少々恥ずかしい。
「今日はどこ行く?」
「どこでも……
ナギと一緒なら別に……」
特に行きたい所は思い浮かばない。
ただ彼と会話が出来るならずっとファミレスなどでもいいと叶芽は思う。
「そっか……
じゃあ……」
今からでは行くところも限られるので近くの何処か食事でもしようと歩いていた。
「何か食べたいものある?」
「激辛食べたい……」
渚の質問に迷わず即答する叶芽に、それ禁止されてるんじゃないのと笑う。
「だって……もう俺今夜親が寝てるときブート・ジョロキアを発掘してみようと思ってる」
「発掘って何?」
叶芽曰く、折角買ったが取り上げられたブート・ジョロキアを夜中にこっそり見つけ出して食べてみようと思っているらしい。
それを発掘と言い換えた所がまた渚のツボに入る。
「ほんっとカナちゃんって面白いよね」
「そう?
そんなこと言うのはナギくらいだよ。
周りは皆アホってバカにしてくるもん」
こんなに褒めてくれるのは渚くらいである。
なので彼といるのは居心地がいい。
勿論なんでも言い合える佑真も居心地のいい居場所ではあるが、佑真が実家なら渚は普段とは違うが、暖かくてリラックス出来る別荘の様な居心地の良さであると叶芽は感じた。
叶芽の激辛が食べたいを少しだけ尊重し、旨辛くらいの中華料理屋に入った。
「どう?」
「うん、美味しい。
でもあとちょっと、ほんの少しハバネロまるごと入れても良かったかもしれない」
「それ最早ちょっとどころじゃないよね」
どんだけ辛いの食べたいんだよと終始笑顔が絶えなかった。
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