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二人の関係性⑪

「別にそこまでして友達作んなくていいじゃん。 俺がいるんだから」  佑真は叶芽と同じ金持ちのお坊っちゃまなので叶芽の家目当てでは近づかない。  ただ純粋に叶芽といるのが落ち着くからと言う理由で友達になった。 「そいつらなんか要らないだろ。 俺がずっとお前の友達でいる」 「佑真………」  彼がそう言うから、もう他の友達を家に招くのは止めたし、持ち物をあげるのも止めた。  そしたら一緒に遊んでくれる事がなくなったが、別に気にならなかった。  だって佑真がいるから……  佑真が友達でいてくれるなら他に友達が出来なくてもいいかなと思えたんだ。  けれど渚は違った。  今、明確に彼に嫌われたくないと思ってしまった。 「だから欲しい物があれば持っていっていいから、離れてほしく無いなぁって…… 俺、佑真しか友達いないからどうやって友達作るのか分かんなくなっちゃって…… ごめん………」  ただ、佑真以外との接し方が分からないだけだ。  それがなんと無く理解出来たから何だか叶芽が愛おしくなった。  それだけ自分と一緒にいたいと思ってくれている。  そう考えたら無性に胸を締め付けられた。  気付いた時には彼の顔に手を伸ばし、顔を近づけ、彼の唇にキスをしていた。 「…………っ!?」  だが、キスしてすぐさま我に返り顔を離した。 「ごめんっ、俺………」  自分が何をしたのか今更ながらなんて事をしているのかと後悔し、混乱している。  叶芽も同様に混乱し、頭が真っ白な状態だ。  一体何がどうなったらキスされたのか……  もしかして先程気分を害してしまった仕返しではとさえ思ってしまう。  色々と疑問が巡るが、きっと自分は今顔が真っ赤だと下を向いたまま顔が上げられず、聞きたいことも聞けない。  暫くの間沈黙が続いた。  どのくらいそれが続いたかは定かではないが、漸く渚が振り絞るように声を出す。 「ごめん、俺どうかしてた。 やっぱ体調悪いっぽい…… 今日は帰る………」

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