16 / 30

第16話 番の印

誤解だとか、なんだかんだと僕の機嫌を取ろうとする佐藤を引き連れて、僕の家にやって来た。 今日は、明日の佐藤の仕事もあるだろうし、送って貰ったら直ぐにバイバイする予定だったけど、気が変わった。 ふだんのモサモサの佐藤は放っておいても大丈夫だと思ったけど、それは違った! ジゴロ佐藤は野放しにしてはいけない! まず、佐藤を部屋に正座させました。 エンペラーには絶対にさせられない行為だ。 「千歳、行っておくが、俺は断じて潔白だからな……俺は、お前以外には全く興味ない。」 やめろ!ジゴロ、ときめくじゃ無いか!! 真剣な目が僕を射貫く。 本当は信じてるし、疑ってないけど、佐藤がモテるのは事実。 くそー! 面白くない! 僕なんて、今まで変態ばっかり寄ってきて、ちゃんと告白なんてされたの小さい時くらいだ…。 「ちょっと、目をつぶってて!!絶対みちゃ駄目だからね!」 「なぁ、千歳。もしかして、エッチなお仕置きをしてもらえるのか!?」 佐藤が正座の上で拳を握っている。 「しない!馬鹿!」 なんだよ、エッチなお仕置きって。 なにするんだよ…。 逆に気になるだろ…。何妄想したんだよ。 僕は馬鹿言っている佐藤を無視して、クローゼットを開けた。 佐藤の為に買ったピアスを手に取る。 振り返ると、佐藤はちゃんとお行儀良く正座して、目をつぶっている。 改めてみるとやっぱり、格好いいなぁ…。 僕は近づいて佐藤の左耳を見た。 んんー、よく見るとピアスホールあるんだ。 耳まで日焼けしてて、よく分からなかったけど。 隣のテーブルにピアスの箱を置いた。 「千歳、おれパンツとか脱ごうか?」 「だから!そういうんじゃない!」 まだ、考えてたのかエロおやじ…。 なんだよ、なにされるつもりなの!? 佐藤の耳を確かめる。 穴が空いているなら、これ消毒してすぐつけられるんじゃないかな? 僕は再び佐藤のそばを離れて、今度は個別包装の消毒液を数枚取り出して、テーブルに置く。 ピっと一枚開けて自分の手を消毒して、もう一枚出して、佐藤の耳を掴んだ。 「いやあん」 「変な声出すな、アホ佐藤!お隣さんに聞こえるだろう」 お隣に住む凄くいい人な笹原さんに変な目で見られたくない。 耳の表と裏と消毒して、ピアスを取り出す。 「千歳くん…私に何をするつもりなの!?」 妙な声色で、握った手を女の子のように胸に寄せている。 もう、黙ってられないのか…佐藤。 「いいから、動くな」 ピアスも消毒して、佐藤の耳につぷっと挿入した。 裏から留めるのつけて できた!! ゴミを集めて、ゴミ箱にポイ! 佐藤の前に回って、眺めて見る。 「うん、良い感じ!」 シンプルなデザインのダイヤのピアス。 佐藤建設の社長には、ちょっと似合わないかもしれないけど、ジゴロ佐藤にはよく似合っている。 「目開けて良いよ」 僕は鏡を取り出して佐藤に向けた。 「……?」 ゆっくり目を開けた佐藤が、僕が前で持っている鏡の中を覗き込む。 「佐藤が、僕の番だっていう印だよ」 耳に手を当てながら、ぼけーっと鏡を見続ける佐藤。 えっ、まさか……気に入らない?? 超ダサいとか思ってる?? そうだよね…あんまり考えなかったけど、気に入って貰えない事もあるよね… 僕、一人よがりだったかも… 「ごめん、佐藤。嫌だったら捨てて良いよ…」 しょんぼりして鏡を下げた。 「っがう……違う!!」 佐藤が僕を抱き寄せた。 正座している佐藤の上に乗り上げて、ぎゅーぎゅーにされる。 ちょっと、痛いんですけど……。 「………」 「……佐藤?」 佐藤が僕を無言で抱きしめている。 どうしたのかな? そんなに、嫌だった?? 「ごめんね、佐藤。勝手なことして…」 「……」 えっ!?ちょっと、嘘!? なんか泣いてない!?佐藤、泣いてない!? 痛かったの??耳、もともと穴空いてたよね? 「……佐藤…」 仕方なく佐藤の背中に腕を回して、撫でてあげた。 どうしちゃったのかな? しばらくして、佐藤が僕を離してくれた。 でも、そのまま佐藤の顔が近づいてきた。 「…んん…」 後頭部を手で押さえられ、僕の口が佐藤に塞がれる。 佐藤の舌が僕の唇を割って侵入してくる。 息が苦しい程に貪られる。 「んっ…さ…さとう!」 ぐいっと腕を突き出して佐藤を引き剥がす。 「…はぁはぁ……どうしたの突然…」 「どうしたも、こうしたもあるか……こっちが我慢してるのに、俺の理性を崩壊させるな…」 えぇ!? なんで?? 僕のせい?? 佐藤が僕を押し倒した。 あれ?あれ? 「俺を煽ったお仕置きだ…」 佐藤がもさっとした髪を掻き上げて悪い顔でニヤリと笑っている。 えぇ!?カッコいい!! そして僕の太ももに佐藤の性器の高ぶりがあたっている。 なんで!?いつの間にそんな事になったの!? 「……僕、悪いことしてない!」 「お前は、もう存在が犯罪だ……お前のせいで、胸が苦しいぜ……安心しろ……気持ち良いお仕置きな……」 なんだそれ!? これだから、エロエロおっさんは!! でも……ちょっとだけ…ちょっとだけ、興味がある…いや、ホントにちょっとだけだからな。 佐藤が僕のパーカーをめくり上げた。 僕の乳首があらわになった。 昔から色素が薄くて、男子としては恥ずかしいくらい、ピンクの乳首だ。 佐藤と色々するようになって、最近では敏感になって乳首も快感を感じるようになってしまった。 「……さとう……」 僕の乳首が期待でツンと尖っている。 佐藤がいつの間にか、ローションを取り出している。 それをジュプっと僕の乳首に出した。 「…んぁ…つめたい…」 冷たいローションが僕の乳首に飛び出してきて、冷たさと刺激で乳首が反応する。 さっきよりも尖って佐藤の刺激を待っている。 さわって じんじんさせて… ペニスも期待でムクムクと起き上がってきた。 ズボンの中で苦しくなってくる。 佐藤がローションに濡れた僕の乳首をツンっとつつく。 「…あっ…ん…」 気持ち良い 乳首から電気が走る。 自然と胸を反らして、佐藤の方にもっと乳首を差し出す。 「佐藤…もっと、もっと触ってぇ」 「あぁ…良い子だな」 佐藤がさっきと反対の乳首を、親指と人差し指でつまんで擦る。 ローションで濡れた乳首がぐちゃぐちゃと刺激されて堪らない 「あっ…や…ん…さとう……じんじんする…あっ…」 佐藤と出会うまで、乳首が感じるのは女の子だけだと思っていた。 知らなかった、こんなに気持ち良いなんて… コリコリ ツンツン 「ふっ…あっ……あ…」 ペニスが、もうきつくて痛い。 乳首は気持ち良いけど、それだけでは逝けないし、もっと強い刺激が欲しい。 直接、ペニスを弄って欲しい。 佐藤が僕の乳首をつまんで引っ張る。 乳首がぎゅーーっと絞られるような快感。 ちょっと痛い…けど……ぎゅーって気持ち良い!! 「やあぁ…ん…さとう!」 僕は喉をそらして、限界まで乳首を尖らせている。 気持ち良いよぉ…でも…だめ苦しい。 「さとう……乳首もうだめっ…あっ…おしまい!」 僕は佐藤から乳首を守るように、手で隠した。 「いいぜ。今度はこっちな」 佐藤が僕のズボンのホックを外して、チャックを下げた。 ズボンとパンツを一緒に下ろされ、放り投げられた。 僕のペニスが立ち上がっている。 先端がもう濡れて光っている。 Ωのペニスはホルモンのためなのか、一般の男性よりも小さいことが多い。 毛も薄い。 それが男としてちょっと恥ずかしい。 「えっ…」 ペニスへの刺激を期待していたのに、佐藤は再びローションを手に出して、僕の足を高く持ち上げた。 「…さとう…」 「今日はお仕置きだろ…」 そう言うと、佐藤は僕のお尻に手をあてた。 「ひゃあっ」 冷たさと違和感で体が跳ねた。 しかし、佐藤の指がくちゃくちゃと音を立てながら入ってくる。 いつか佐藤を受け入れる時の為に、お尻も毎回刺激されて、段々と広がるようになってきた。 それにΩ男性特有の粘液で濡れるようになった。 でも、まだ違和感が大きくて、お尻では逝けない。 「…さとう……」 目の前には僕の勃起したペニスがある。 こっちが良いのに…。 ぬちゃぬちゃ ローションでべちょべちょの指が僕のおしりの中を動き回る。 「やっ…あぁ!」 佐藤の指が前立腺の気持ち良いシコリに触れる。 コリコリコリ ぐちゃぐちゃ 「いやああ……あっ…あっ…さとう…」 気持ち良い! 前立腺を直接コリコリ刺激されて、射精感が高まる。 でも、まだ逝けない。 「触って!僕のペニス…擦って!」 いつもは僕のペニスを舐めたり擦ったりしながら後ろを刺激してくれるのに…。 「ペニスに触らねぇで逝けるようになろうな。膝抱えてられっか?」 僕は足を開き、自分の膝の裏に手をやり、佐藤に全て見られている格好だ。 恥ずかしいよ… 佐藤がぼくの太ももにキスをした。 ペニスが震える。 「お前の体はどこも綺麗で、繊細で…堪らなくそそられるぜ……」 佐藤が僕の玉に口を寄せた。 大きな口で片方の玉を吸い込まれ、じゅぶじゅぶと口の中で優しく捏ねられた。 「さ…さとうっ!やっ…あ…」 その間も、お尻の中の指は止まらない。 いつの間にか3本に増えている。 指がお尻を拡張しながら、ひだひだを刺激して、コリコリと前立腺をいじめる。 「あっ…うぅ…さとう!!逝きたいよぉ!あぁ…いいよぉ……触って、前、擦って!」 逝きたい! でも、前も触ってくれないと、逝けないよ! 佐藤は僕の玉を開放して、僕を見ると優しく微笑んだ。 あぁ…やっと……逝ける。 「……後ろで逝こうな、千歳」 「うそっ…やっ…逝きたいよぉ…」 佐藤が指を抜いて、僕を軽々と抱き起こして、あぐらをかいた上に乗せられた。 佐藤がズボンの前を開き、自分のペニスを出した。 赤ちゃんの腕くらいありそうな巨根が反り返っている。 「こっち擦ってろよ」 佐藤の手に導かれ、佐藤の巨根を握らされた。 佐藤のペニスが跳ねる。 「一緒に逝こうぜ」 「あっ…うぅ…」 佐藤が僕を抱きしめるように後ろに手を回し、お尻に指を入れてきた。 僕はもうヤケになって、佐藤のペニスをしごき始めた。 「っく…千歳…いいぜ…千歳…っ…」 佐藤が耳元で僕の名前を呼んでる… そして気持ちいいシコリが佐藤の指で強く捏ね回された。 ごりゅごりゅ 「やああっ!んんっ…はっ…あぅ」 逝けそう! もうちょっとでっ、出せそうっ!! 苦しいよぉ! 僕は自分のペニスかのように佐藤のものを懸命にしごき、まるで自分のものを刺激しているかのようにイメージをした。 「っぐ……いくぞ…千歳…うぅ!」 佐藤のペニスが硬直して、大量の精液を吐き出した。 それと同時に、お尻のソコを指で突き上げられた。 「ひゃああっ…あっ…あぁ…いっちゃう……でる……ああっ…さとう!こわいよ……あぁう…まだ…あっ!!」 僕はお尻で絶頂を迎え、ペニスからたらたらと射精した。 「やっ…うぅ…あぁ…」 ダラダラと射精感が続いて、気持ちいいけど怖い。 僕は佐藤に抱きついた。 「偉いぞ、千歳…上手にイケたな。良い子だ」 佐藤が僕を抱きしめて、あやすように背中を撫でた。 「お前が愛しくて堪らない…」 「……佐藤…僕も好き…」 「どうして、思いついたんだ?ピアスなんて」 落ち着いて、シャワーを浴びて、ベッドに寝転んだら佐藤が聞いてきた。 二人で寝るとベッドはギューギューだ。いつも佐藤はいつの間にか床で寝てる。 「だって……僕だけ番の印ついてずるいじゃん。佐藤も僕のだってしたかったんだもん」 「……はぁ……お前のそういうところな…」 番の噛み痕は一生残る。 お互いに残れば良いのに。 Ωだけなんてずるいじゃないか。 「ねぇ、佐藤……そういえば、噛まれるのって痛いのかな!?一生残る痕でしょ!?めちゃくちゃ痛いのかな!?」 今までちゃんと考えて無かったけど、それは怖くない?? 「噂では、めちゃくちゃ気持ち良いらしいぞ」 「ほんとに??ホントに本当??」 嘘だったら、佐藤の大事な所を蹴る! 「一応、このまえ歯医者に行ってケアしてきたぜ」 佐藤が歯を見せて笑った。 お前、ホントにそういうとこ気が利くっていうか、ちゃんとしているっていうか……僕、大事にされてる。 「それにしても、こんなに素敵なプレゼントは初めてだぜぇ」 佐藤が鏡をもってピアスを眺めている。 佐藤にとっては大した物じゃないだろうけど…。 「もっと良い物持ってるだろうけど…」 「今まで、人からは強請られるばっかりで、プレゼントされるなんて考えも無かったぜ……しかも、番の印とはな……ホントにお前って……千歳だよな」 長い腕を伸ばして、鏡をテーブルに置いた。 佐藤が笑い皺を深めて、優しく笑って満足そうにピアスを弄っている。 「……それって褒めてるの!?」 馬鹿にされている気がするんだけど 佐藤の胸にすり寄る。 「……当たり前だろ」

ともだちにシェアしよう!