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第19話(起きたらあの場所だった)

「ん、、、。ここは?、、、。」 目を覚ましたばかりで意識がはっきりしない。 (何?何か薄暗い所、、、?今日は学園に行って教室に入ってから、、、、あれ?そこからの記憶がない!) 「ッ、体が動かしづらい?」 起き上がろうとしたら体が動かしづらい事にきづいた。 体全体がダルい感じだ。 (あれ?何か立つのも難しい?、、、コレってまさか!) 「ちっ、やっぱりな」 その部屋?には何もなかった。 部屋は一応電気が通っているみたいで薄暗いけど電球がついていた。 (この部屋見た事がある。葵虐め事件の一つで葵が閉じ込められてた部屋だ!しかも、体が動かしづらいのって薬のせいだよね?葵の体に何て事をする!) 「くそ!体が思い通りに動かねぇ!」 かなり強い薬なのかさっきから立っているだけで足が震える。 (少し楽に眠れる所に行ってから意識を菫の所に飛ばせば大丈夫なはず) 「フゥ。ここなら大丈夫か?、、菫の所に行くか」 私は目を閉じた。 菫が自分のクラスに居ないので、いつも会ってる所に向かうとそこには、線の細い儚げな感じの菫と、背が小さくて下手すると少年に見える無表情の暗がいた。 「葵ちゃんがクラスに居ないって本当?」 「ああ、本当だ。葵は今日も紅達と登校しているはずだが居なかった」 「何かあったのかな?」 「そうみたいだ。葵が居ないので変だと思っていると様子の可笑しなクラスメートが居たので心を読んだんだが、そいつは葵が登校して教室に入った瞬間にスプレー型の薬を葵に吹き掛け、葵を眠らせた」 「葵虐め事件が始まったのか!葵ちゃん大丈夫かな?」 そんな話をしていた二人の所に私は姿を見せて見た。 〔菫、見えるか?聞こえるか?〕 「葵ちゃん!見えるし、聞こえるよ!葵ちゃんは今、何処に居るんだ?」 「葵が居るのか?菫すまないがシンクロさせてくれ」 「シンクロ?」 「俺は一人だけだが、そいつにシンクロしてそいつの見ているモノや聞いている事が分かるんだ。だから頼む」 「分かった。それなら良いよ」 「シンクロするにはそいつと接触していないと駄目なんだが、その、手を繋いでも良いか?」 「っ、!勿論、良いよ。けど流石、葵ちゃんの妹だね」 「何がだ?」 「無意識なのが可愛い」 「う?、、今は葵だ。手を繋ぐぞ?、、、」 暗は菫と手を繋ぐと少し集中してからゆっくりと目を開けた。 〔暗、オレが分かるか?〕 「ああ、俺にも葵が見えるし、聞こえる」 〔なら話すが、オレは今あの部屋、、、葵虐め事件で葵が閉じ込められていた部屋に居る〕 「あの部屋に!あ、あと葵ちゃん薬を吹き掛けられたみたいだけど体はなんともない?」 〔ああ、、、体が動かしづらい。思う様に動かない。立っているだけで足が震えるくらいだ〕 「な!あいつ、かなり強い薬を使ったな!葵の体に何か合ったらどうするつもりだ!」 「本当だよ!可愛い葵ちゃんの体に後遺症でも残ったらどうするつもりなんだ!」 そのあと、私が居る部屋が何処にあるのか教えた。 「あ、みんなに連絡しないと!LINEをみんなに送ってから様子を見てみよう?」 「そうだな。菫、頼む」 「、、、、まだ読んでないみたいだ。緊急だし電話してみるよ。ボク達だけだと弱いから強い人達を呼んでおかないと、、、」 「まぁ、そうだな。葵も今は薬であまり動けないしな」 〔ああ、兄さん達は強いからな色々な意味で、、〕 「、、、兄上、携帯の電源入れてないみたいだ。なら次は、紅さんに、、、駄目だ紅さんは電話に出ない」 そんな感じでみんなに電話したけど何故かみんな電話に出ない。 「何でみんな出ないんだよ!葵ちゃんが危ないかもしれないのに!」 「一応LINEはしたんだ、そのうち気づくだろう。もしかしたら、葵を閉じ込めた奴らが紅達を足止めしているのかもしれないからな」 〔ここまで連絡がつかないんだ。暗が言った事が本当に起こってるかもな〕 「俺達だけで遠くから様子だけでも見ておくか?」 「そうだね。ボク達だけでも少しは動いた方が良いだろうし、、、行こう」 「ああ。葵、案内を頼む」 〔分かった。こっちだ〕 私はあの部屋まで二人を案内した。 今、少し離れた所から二人は様子を見ている。 私は意識だけなので誰にも見えない。なので堂々と見張って、二人の近くに誰も来てないかを見ている。 「気配何て解らないが、ここは人の気配が無いな」 「うん。ボク達だけで葵ちゃんを助けられそうなくらい誰もいないな~」 〔しっ。二人共、向こうから大勢人が来るぞ!〕 15~20人くらいの男の人達が私の居る部屋に入ろうとしていた。 〔悪い二人共、オレは自分の体に戻る〕 「あいつら葵ちゃんの居る部屋に入って何をするつもりなんだ?」 「葵は早く体に戻れ。菫、紅達から連絡はまだ来ないのか?」 「まだ来ないよ。葵ちゃん、何があるか解らないから早く戻った方が良い」 〔ああ、悪いがあとは頼む〕 頷いた二人を確認して私は体に戻った。

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