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第39話(私も強いんだよ?)

興奮しながら五人は私達に近づいて来る。 (薄く笑いながら近づいて来るから気持ち悪い) 「来るな」 「ひひ、嫌だ。お前らの血をよこせ。オレ達が紅様達の弟になる為にな!」 「ちっ、二人共そこを動くなよ」 「うん」 「ああ」 私は一歩前に出て近づくに居る男を蹴った。 “ドンッ” 「ぐぁ!」 「なっ!」 「てめえ、何しやがる!」 「きゃ!」 「あいつ蹴ってきたわよ!」 蹴ったけど少し距離があったせいか蹴った相手がお腹を擦りながら立ち上がった。 (ちょっと距離があったから浅く入ったんだ!刃物も持ってるし、こいつらの相手面倒臭い!) 「浅かったか」 「ちっ、こいつ強いぞ!」 「そういえば、紅様の弟って事は極道の人じゃん!」 「手負いの癖に!」 「何かこいつを倒すモノはねぇか?」 「あ!私コレ持ってる!コレをナイフとかに塗って使わない?」 「お!ソレか、良いな!オレにもくれ」 「みんなで使いましょ?」 女がカバンの中から何かの薬を出し、それを五人がそれぞれ持っている刃物に塗りつけた。 (うわ、何の薬?変な毒じゃなきゃ良いな。かすったら終わりって嫌だし) 「ちっ、薬を出してきたか」 「何の薬だろう?」 「あいつらの考えてる事、気持ち悪い事だけだから分からない。自分達が紅達にいやらしい事をされてる妄想しかしてない。気持ち悪い」 「暗、あんな変態共の考え何か読むな。顔色が悪いぞ」 「暗、大丈夫?そんなに気持ち悪いんだね、あいつらの考えてる事」 「ああ。しかも、かなり強く思ってるから読もうとしてなくても勝手に考えが入り込んで来て気持ち悪い」 「お前の能力は強く思うと勝手に入り込んでくるのか。菫、暗を頼む。嫌だがオレはあいつらの相手をしてくる」 「うん。変な薬を使ってるみたいだから気をつけてね?」 「ああ」 私は五人を倒す為に菫達から少し離れた。 (こいつらの相手は嫌だけど、暗の顔色が悪い。かなり気持ち悪いんだ。どんな事考えてるんだろう?知りたくないけど) 「お前らの相手はオレがしてやるよ。さっさとそのお粗末な刃物でかかってこい!」 「俺達五人を一人で相手するのか?かすったら終わりなのに?」 「そんなに言うなら相手してやるよ!」 五人は一斉に私に向かって来た。 私は先に女二人のうなじを叩いて気絶させる。 (流石に女の子は殴るのはためらうからね。後は男共だけだ) 「ちっ、二人気絶したか!」 「女共にこいつの相手は難しかったんだろ?」 「まぁ、良い。さっさと死ね!」 男共は容赦なく殴った。 気絶はしなかったけど、うずくまって立てないみたいだ。 (考えていたより少し頑丈だな。手が痛くて力でないし、次は蹴りにしよう) 「っ~、はぁはぁ。くそ、強い!」 「くっ、、、この野郎!」 「、、、。」 二人が私に向かって来たので今度は力いっぱい蹴っとばした。 (よし、今度はちゃんと気絶した!) 「、、、死ね」 「っ!ちっ」 “バキッ” 「葵ちゃん!」 「大丈夫だ。少しかすっただけだ」 「けど、そいつら薬を塗ってたよ?大丈夫?」 「今の所はなんともない。暗は大丈夫か?」 「まだ少し気持ち悪いけど大丈夫」 最後に少し油断して腕にナイフが少しかすったけど、今はなんともない。 「こいつら、どうする?」 「ボク、みんなに連絡したからもう少ししたらここに来ると」 “バタバタバタバタ” 「来たみたい」 「そうみたいだな」 “ガラガラ、バンッ” 「葵!無事か!」 「葵ちゃん!」 「菫!」 「兄さん達、ドアはもう少し丁寧に扱ってくれ」 足の早い兄さんと鈴の兄さんと灰炉さんの三人が先にここに来たみたいだ。 後から他のみんなも息を切らしてやって来た。 「暗、大丈夫か?顔色が悪い」 「少し気持ち悪い思いが無理矢理入り込んできただけだから俺は大丈夫だ」 「菫、何ともないか?」 「ボクは何ともないけど、葵ちゃんが」 「葵?」 怪我した両手を隠していたけど兄さんに呼ばれて隠すのは無理だと思い両手を見せた。 (ずきずきすると思ったけど、改めてちゃんと見ると凄く痛そう。) 「ッ!葵ちゃん、その怪我」 「酷いな」 「葵ちゃん、ボク達を庇う為に向かって来る相手の勢いを止める為に刃の部分を握ったんだ」 「後、葵の腕の怪我の方がヤバいかも知れない」 「暗?」 「そいつら、後から刃物に変な薬を塗ってたからな。あの女の薬だ」 「このビンか。成分が書いてあるな、、、コレは」 黒さんが女が持っていた薬のビンの成分を読んで何の薬か分かったみたいだ。 (何の薬な、、ん、、だ、、ろう?、、?、、なん、か、体が、、ぐらぐら、す、る?) 「ッ、、はぁ、はぁ?、、」 「葵ちゃん?どうかしたか?顔が赤い」 「葵くんに使われた薬が分かったぞ」 「本当か黒、何なんだ?」 「それは、、」 黒さんが薬の事を説明してるけど、私は頭がぼーっとしてきて言葉が入ってこなかった。

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