32 / 87

第32話 わからないだろ!? ①

どれぐらい時間が経っただろう? ベッドで泣いていた智樹は、そのまま寝てしまっていた。 酷い顔…。 目、パンパンに腫れてる。 泣き腫らした顔を鏡で智樹が見ていると、ベッドに置いたままのスマホが振動する。 発信者を確認すると、 「母さんだ…」 取ろうか取らまいか悩んだ結果、智樹は母親からの電話を取った。 「もしもし、どうしたの?」 智樹はいつもと同じ声、言い方で話す。 『どうしたじゃないわよ。雅樹とケンカしたでしょ。雅樹、本当に反省してるみたいよ。許してあげたら?』 母親の言い方では、雅樹は相当落ち込み、反省しているようだが…。 いつもそうだ。 母さんはケンカの理由を俺には聞かず、すぐに雅樹の肩を持つ。 「嫌だ。雅樹は反省した方がいい」 いつもはすぐに雅樹を許す智樹だが、今回は怒っていた。 俺がどんな気持ちで雅樹の事、いつも考えてるのか? それ、わかってんの? 彼女と歩く雅樹の姿を俺がどんな気持ちで見ているとか、ヒートの時しか抱いてくれなくて、雅樹に必要とされていない事に、俺の心がどれだけ締め付けられているのか…。 どうして雅樹意外の好きでもない人に、俺は抱かれているのか? 雅樹、お前にわかるのかよ‼︎

ともだちにシェアしよう!