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第62話
「奇跡だ…」
医師が目を見張る
「こんなことが…起こるなんて」
「言ったでしょ?俺は諦めないって。ねぇ。先生。見てて。俺は本場に行って絶対に成功してみせるから。その時は自慢してよ。俺のお陰なんだぞって。ね?そしたら患者さん増え過ぎちゃうかもね」
そして今日。病院の近くのバスケットコートが併設されてる公園に先生を連れてきて賢也さんと1on1をしてみせた。
ここは俺が初めて賢也さんに出会った場所だ。
あのときと違うのは初めから観客がいること。それが担当医師だ。それともう一つ。俺が賢也さんに勝利したこと
そして同じところもある。
始めは先生一人だったのにギャラリーが増えたこと。
その中にたまたま居合わせたカメラマンがいた。その人は実はすごい人でその人がきっかけで後日俺の復活が一斉に報じられ世界各国に広がった。
「本当に…良く頑張りましたね」
「先生ありがとう。最後まで見守っててくれて」
「すまなかった」
「そんな、頭下げないで。まぁ。もう無理だって宣告されたときは生きてる意味がないって正直思ったんだ…俺の生きてる意味なんてないなって。けどね。信じてもらえるかわかんないけど夢を見たんだ。諦めるなって言われる夢をね。ずっとさ、施設にいたとき一緒に暮らしてきた家族にね。その夢から覚めたらなんかすごく体が楽になって背中押されたから頑張らなきゃってそう思ったらなんか力が出て。そんで今日を迎えられたよ。先生ありがとうございました」
「これからも応援しています」
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