スーパーの帰り、蒼の隣で楽しそうに話す伊吹を見て蒼は愛おしさでいっぱいになっていた。 「でね、蒼……」 ‼︎‼︎ 前を歩いていた伊吹が後ろを振り返った時、 まただ‼︎ 伊吹からオメガの甘い香りがし、蒼はすぐにでも伊吹に襲いかかりたくなる。 抑制剤‼︎ 鞄の中の薬を探すが、そこには空のピルケースしかない。 しまった‼︎ 補助し忘れてる‼︎ このままじゃ…… でも、ここからだ時家までもうすぐ。 まだ間に合う‼︎ 急ぎ足で部屋に向かい、伊吹が話しかけているにもかかわらず、蒼はすぐさま抑制剤を手に取ると、水も飲まずにそのまま薬を飲み込んだ。