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第75話 ー出会い ② 伊吹sideー
さて、どこに行こうかな?
携帯と家の鍵だけ持って、財布など特になにも持たずに出てきてしまった伊吹は、店に入れもせず、ただうろうろ散歩していた。
いつもは、ほとんどスーパーと学校と部屋の行き来ぐらいで、部屋から遠い場所はまだ知らない場所だったので、色々と変わる景色が伊吹には新鮮だった。
へー、こんなところに公園なんてあったんだ……
小さな公園を見つけた伊吹の足が止まる。
あ、この木、多分桜だ。
来年の桜の季節になったら、蒼とお花見しに来たいなー。
伊吹はまだ花が咲いていない桜の木や、他の草花を撮った。
いいのが撮れた。
近くにベンチを見つけた伊吹はそこに座り、撮ったばかりの写真を見ていると、
「いい写真だね」
頭の上から、声がした。
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