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第三章・3
やっちゃった。
途端に、他の男が騒ぎ出した。
「おい、しっかりしろ!」
「ンだぁ! てめぇはァ!?」
(に、逃げなきゃ)
でも、足が竦んで動けない。
その隙に、女性が立ち上がって素早く逃げ出した。
(ぼ、僕も逃げなきゃ!)
男たちが、立ち上がる。
その時、楓は腕を掴まれて明るい方へと引っ張られた。
「先生!」
「な……ぅぐぐ」
難波さん、と言いたかったが、その彼から口を塞がれた。
「走ってください、何も言わずに!」
手を引かれ、言われるままに駆けだした。
手を取り合って、逃げ出した。
「待てェ!」
「追えッ!」
背後から、男たちの足音が聞こえる。
「はぁ、はぁ、もうダメ……」
「隠れます。息を殺して」
楓は、征生に手を引かれたまま、家電量販店の駐車場へ紛れ込んだ。
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