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Ⅰ 世界よ、我に跪け!⑤
あぁ、そうだ。
人間という生き物は排他的だ。
容姿・思想、信条
己と同じ者は歓迎し、己と異なる者は拒否し、時に拒絶する。
弱きものは群れをなす事で、各々個体を守る。生物の本能ゆえに。
だが種を守るための「生物の多様性」を理解できず、同じ「種」同士で争いを起こす。
実に精神の脆弱な生き物である事を、ここ2年間で学んだ。
ゆえに、俺もまた人間と同じ格好をせねばな。
怪しまれぬように。
銀の髪が、毛の先から黒に変化していく。
俺の力を持ってすれば造作もない事だ。
(まぁ、どんな「種」であろうと大差はないさ)
群れを為して生きる「種」がある。
生存の確率を少しでも増やすために。
だが、それは弱いからではない。
生き残るための知恵だ。
だが知恵が行き過ぎると、同じ群れの中で争い、同じ「種」でありながら戦い、殺し合うだけの事だ。
利権が絡むと、特に……
本国でも同じさ。
我が地位を確固たるものとするために、この星を制圧しなければならない。
俺が本国で……
由緒あるルフラン家当主に相応しい者として。
父と、親類縁者、有力者達に認めてもらう必要がある。
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