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アフターストーリー
(※そんなの、聞いてないです 第1.5話)
もうここにきて結構な時間が経った
家具も家電も全て揃ったおれだけの部屋は完成していて
週に2度ほどくるハウスキーパーの田中さんには滅多に会わない
匡平は今でもたまに遊びにくる
急に来る時もあれば
おれが連絡してしまって来てくれる時もある
おねしょは2.3ヶ月ですぐ止まったけど、
いつまで経っても寂しさには慣れない
だからちょっと私生活は荒れたかもしれない
今はちょっと生きていることも
エッチすることもどうでも良くなった
全部流されるまま生きていて
友達も減ってそろそろガタが出始めていて
そんな生活を続けていたから
多分、きっと
匡平の真似をしたくなってしまったんだ
ようやく寝れる、と寝室に入って
ベッドに横になろうとしたが、
…そういや直接は連絡してなかった、
伝えておこう、と寝る前にスマホを取り出した
『明日の朝の宮城さんの予約の件、とりあえず大丈夫そう』
「大丈夫って?」
『…知り合い?やってくれるって』
「えぇ?うちのキャストの子じゃねえの?」
『…だから、見つかんなかったんだって。しょうがないじゃん。』
「…まぁ、お前の知り合いなら身元知れてるからいいけど……」
『…あー、うん』
「…は?なに?つか知り合いってなんだよ。お前去年高校の同級生と縁切ってから友達あきらくんしかいねえだろ」
『失礼な』
「つか誰だよ、名前は?」
『あー、そういや聞いてないや』
「は?聞いてねえ?知り合いじゃねえだろ、そんなん。つか第1そんなんじゃ明日になって逃げられるんじゃねえの、連絡つかねえとか」
『あー、それは大丈夫。よく眠ってるし』
「…は?なにが?」
『だから、明日連れてく子』
「なに?家にいんの?お前の家?」
『そうだけど?』
「…は?」
『なんだよ』
「なんでお前ん家にいんの?名前も知らない奴が」
『…どうでもいいだろ、そんなん』
「…良くねえだろ、知らない奴家に入れんなよ」
『知らない奴じゃないよ、拾った。』
「拾った…?」
『うん。帰る家ないんだって。だからひろっといた、飼おうかな、おれも』
「なんだよそれ。やめろ。すぐ元あった場所に戻してこい」
『…やだよ、つかそんなんしたら明日の仕事困る』
「…とりあえず、そしたら明日終わったらちゃんと帰ってもらえよ」
『…お前みたいに飼うし』
「…シバ、人間はペットじゃねえよ」
『お前が最初に言ったんだろ』
「…だから、それは、」
『だから、俺だってペットの頃悪くなかったし。だから俺もちゃんと大事にしよって』
「お前なぁ…いい加減にしろ。お前今自分一人だってまともに生きてねえだろ」
『ちゃんと、生きてんじゃん。仕事して、稼いで、家賃払って…ちゃんと住む家あるくらいにはちゃんと生きてる』
「それだけだろ。お前今私生活崩れてんだから余計なこと増やすなよ」
『なんでそんな意地悪言うんだよ。おれちゃんと生きてんじゃん。だから飼えるし。捨てねえ』
「ダメだ。明日仕事終わったら元いたところに返してこい」
『やだ、おれはあの子飼うし、ちゃんと飼い主やるってもう決めた。もう寝るから』
じゃあね、と電話を切った
なんだよ、そんな否定すんなし
匡平から見たらおれはちゃんと生きれてないのかよ
なんでそんな否定すんだよ、
おれの事飼ったこと、後悔してるから
おれがあの子飼うの反対すんのかな、
おれは結果的には匡平の家を出てきたけど
捨てられたけど
匡平に飼われていた時は幸せだったのにな
だから、おれも飼おうって思ってたけど
匡平はやっぱり、
おれのこと拾ったの
後悔してんのかな
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