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第3話

 ヴィスタ様は、頭が真っ白でベットにぐったり横たわっている僕の太ももを優しく撫でた。 「・・・ああっ・・・」  太ももを撫でられるだけでさっき穢れを放出したばかりの僕の体はびくんびくんと跳ねてしまう。 穢れを放出したすぐ後は、穢れが出たばかりなので、穢れが空っぽの体に集まりやすいらしい。 「前に教えましたね、ルーク」 「・・・ひ・・・ひゃ」  優しく呼びかけるヴィスタ様は僕の太ももを撫でるのをやめてくれない。僕の体は、ヴィスタ様が話をしてくれているというのにびくんびくんと静まってくれなかった。 「穢れを出したばかりの時というのは、ルークの体にたまっている穢れを放出したばかりの無防備な状態。穢れがまたルークの体に集まりやすいのです」 「・・・うっ・・・うう」  回らない頭でなんとかヴィスタ様のお話に集中しようとしたけれど、ヴィスタ様の長い指は僕が冷静に、話を聞く姿勢を整えようとすると、僕の太ももの付け根へと滑り落ちていく。 「聞いていますか?ルーク」  ヴィスタ様は、僕の穢れを出し切って縮んだ棒を握った。 「ひぃっ・・・ああっ・・・」 「ぼーっとしてましたね。顔をそんなに上気させて」  ヴィスタ様・・・ごめんなさい。僕はいつもこうだ。ヴィスタ様は、自分の貴重な時間を使って僕を清めてくれているというのに、穢れ放出の時、お清めの時、頭が真っ白になってお清めに集中できなくなってしまう。 「あ・・・んんっ・・・」  ヴィスタ様は、穢れが出たばかりで無防備な状態の先っぽを重点的に右手の人差し指、中指、親指の三つの指でちゅくちゅくいじりながら、左手で太ももをすりすり撫でていた。 「先ほどのは、身体にたまった穢れの放出、これから行うのがお清めです」 「ああっ・・・ああ・・あっ・・・はあ・・・ああ・・んンっ・・・」 「ちゃんと聞いていますか?ルーク」  ヴィスタ様は、左手の人指し指を僕の棒の下の穴の中につぷりと入れた。 「ーーーーーっ」 「ルーク?返事は?」 「んンっ・・・ああっ・・・あんっ・・・あああ・・・」  ヴィスタ様に呼びかけられているのに、僕はヴィスタ様が僕の穴の中で人指し指をくちゅくちゅ動かすたびに体がはねて頭がまた頭が真っ白になって、それから・・・それから。 「ルーク・・・聞こえますか?」 「・・・あっ・・・ああっ・・・」 「このくちゅくちゅとした水音。ルークの中の穢れが放出され、これからルークが私のお清めを受けるための準備ができているという水音ですよ」  ヴィスタ様はそういって、今度は中指もぬぷりと穴の中に入れた。 「ーーーーーーっ!」 「お清めをするためには、こうして沢山のお清めの潤滑油を出しておくことが重要ですからねっ・・・?」  人差し指、中指が僕の中でばたばたと激しく暴れている。このお清めの潤滑油を出す儀式も、最初は痛かったけど、ヴィスタ様に言われた通り続けていたらそんなに痛くなくなった。その変わり、僕のお腹の奥がむずむずして、もっと奥をお清めの時みたいにヴィスタ様ので・・・。 「これだけ準備ができていれば大丈夫でしょう」  ヴィスタ様は、ふっと微笑んだ。そして、するりと上のローブを脱ぎ、下に着ている黒いズボンを膝くらいまで下げ、シャツ1枚のまま、ベットで寝ている僕の上に体を傾けた。 「あっ・・・」 「お清め前はどうするんでしたっけ?」  ヴィスタ様は僕の上に覆いかぶさると、そういって耳元で囁いた。 「はあ・・・っ」 「どうするんでしたっけ?」  また耳元でヴィスタ様の熱い吐息と共に囁かれた言葉に、僕はびくりと体を震わせた。 「・・・あっ・・・ヴィスタ・・・さ、ま」 「はい」  僕は、少し口元を開けた。 「いい子ですねえ、ルーク」  ヴィスタ様は、僕の口の端に右手の親指をひっかけて僕の口を少し開かせた。僕が舌を出すと左の人指し指で僕の舌をすーっとなぞった。 「あ・・・ひ・・ふ・・あ・・ああ」 「ルークの口元に穢れがないか確認していたのですよ」  たまにヴィスタ様は僕の口の中に穢れがないか確認してくださる。 「それにしても」  ヴィスタ様は、僕の口内をじっと観察して、呟いた。 「いつ見ても綺麗な歯ですね」 「・・・あ・・っ」  僕は、自分の歯がキライだ。こうして自分の歯を見せるのはヴィスタ様だけ。  僕の歯は、ヴィスタ様いわくサメ歯というらしい。  ぎざぎざしていて、鋭い。昔はよくこの歯でいじめられた。僕はこの歯が嫌で嫌で仕方なかった。  でも、ヴィスタ様は、ヴィスタ様だけは僕のこの歯を綺麗だと、肯定してくれた。僕は変わらずこの歯がキライでマフラーで隠して生活はしているけれど、ヴィスタ様にお清めしてもらう時は、必要な儀式としてこの歯を見せる。そのたびに、ヴィスタ様は、僕の歯を誉めてくれる。 「ひっ・・す・・・あ・・・・」  ずっと口を開けているから、口の中に唾が溜まってきた。それを言おうと口を更に開けると、僕の唇にヴィスタ様の唇が重なった。 「・・・んンっ・・・んむっ・・・」 「ちゅっ・・・んんっ・・・んむっ・・・」  ヴィスタ様は、僕の口内に自分の舌を入れてなめた。これも、お清めの大切な事前準備らしい。 「あ・・・はあっ・・・」 「ちゅ・・・はあっ・・んむっ・・」  ヴィスタ様は、僕の唇に吸い付きながら自分の舌を僕の舌に絡めてくる。僕は、実はお清めの事前準備の中でも、この時間が大好きだ。ヴィスタ様の腕が僕の頭の後ろに回され、僕は腕を、ヴィスタ様のうなじと背中の方へとそれが自然の流れのように添えた。  ヴィスタ様の舌は、不思議な力がある。ヴィスタ様の舌で歯を、そして上あごの裏を舐められると、僕の体は力が抜けてしまう。  僕の歯はギザギザしていて鋭いから、ヴィスタ様の柔らかい舌を傷つけないか心配だけれど、ヴィスタ様は、僕の舌も、歯も優しくなめてくれる。 「ちゅ・・ちゅっ・・・んっ・・・はあっ」 「ちゅっ・・・ちゅっ・・っちゅ」  ヴィスタ様は、今度は僕の唇を吸って僕の下唇と吸った。僕は凄くドキドキして、首に回した手に力がこもってしまう。 「はむっ・・・ちゅっ・・・んっむ・・・」 「ちゅ・・・っはあ・・・ん・・っちゅ・・」  僕たちは、お互いの体にお互いの腕をからませてお清めの前の事前準備をしっかり、じっくり行う。  僕はヴィスタ様にされるがまま、舌をからませ、口を少し開けているだけだけど、ヴィスタ様の舌で力がすっかり抜けてしまった。 「事前準備・・・っはあ・・・そろそろいいころ合いですね」  ヴィスタ様は、僕と違って少しだけ息を切らしながら、仰向けで体の力が抜け、足もだらしなく開いている僕の太ももを押さえるように掴んだ。  ああっ・・・いよいよだ。お清めが始まる。

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