14 / 35

家族になりましたね

悠斗(はると)くん似かな。」 「まだわかりませんね。優一さんに似たほうが可愛いですよ。僕だと可愛げなさそ。」 「いやないない。悠斗(はると)くん似になったら最強だろ。俺は至って平凡顔だ。」 病院着の前をはだけて、平たい胸を晒してみる。 あ、なんかクチモグモグさせ始めた。 なんか匂いでもすんのかな。 「ほら、飲むか?」 軽く乳首をウェットな清浄綿で拭いて、息子のクチに寄せてみる。 ……は……はむっ。 「「お。」」 「吸い付きましたね。わ……。吸ってる。いいな。」 心做しか羨ましそうな目つき。 悠斗(はると)くんも飲みたいんかい。笑 んくっんくって必死に飲んでる。 平たい胸なのに、出るんだな。 「悠斗(はると)くん。」 「はい。優一さん。」 「家族になりましたね。」 「っっ。……はい、家族です。」 感極まった!というように声を詰まらせる悠斗(はると)くんに、胸キュンしてしまった。 「なんかさ。まだお互いの家族の事とか、俺ら知らない事だらけでさ。本当に運命の(つがい)かどうかも俺、よくわかんないんだけど。悠斗(はると)くんの事は全面的に信頼してるし、こんなに安心感あるのって悠斗(はると)くんだけだし……とにかくこれから少しずつお互い知っていこう?」 「はい。」 妊娠中、結婚に向けて、幾つか悠斗(はると)くんには聞きたい事を聞いたんだけど、会話になっていなかった。 お互いの両親とか家族の事、話し合いたかったんだけど、結局俺の家族には電話で結婚する事を話したものの、俺の家族は海外に住んでることもあり、顔合わせをしないままだった。 悠斗(はると)くんに至っては、うちは大丈夫です。 優一さんの出産が済んでからで。 というもので、どこかはぐらかされた感があったけど、優しく笑みかける悠斗(はると)くんに、ま、いっか!って……俺も相当なアバウト野郎である。 会話の少ない俺らの間で。 とりあえず決まったのは、長男の名前だった。 「北條龍(ほうじょうりゅう)」 なんかヤクザっぽくね?‪w‪w‪w 俺じゃなくて悠斗(はると)くん推しの名前だかんな。 うん。カッコイイと思うよ。 龍、宜しくな。

ともだちにシェアしよう!