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第1話

 箱根カイル(はこね-かいる)は電車の中で時々後ろを向くとその人を盗み見ていた。  彼の名は剣崎伊里(けんさき-いり)。掘りが深くて外人かと思うくらいの顔立ちだが、それだけではなくカッコイイのだ。自分よりも頭ひとつは背が高くてサラッと流れる髪が印象的な男。彼とはこの電車で知り合った。今のように満員電車で、男に下半身を弄られてた時に助けてもらったのだ。  カイルは自分がちょっとだけ女の子よりな顔立ちをしているのも知っているし、色も白くてはっきりしない子だと言うのも自覚していた。だけど男に下半身を触られるのは嫌だし、言い寄られるのも嫌だと思っていたのに、今は彼のことが気になって仕方なかった。  助けてもらった時には満足にお礼も言えなかった。だからその日から今日お礼を言おう・今日お礼を言おうと彼の姿を目で追うごとに彼のことをもっと知りたくなったし、彼そのものも好きになってしまっていた。  今知っているのは彼の名前くらい。確実な年も知らないし、どこ住んでいるのかとか、どこの駅で降りてどこの会社に行っているのかも分かっていない。だけど彼のことが好きな気持ちは日増しに増すばかりだった。 「次は××。次は××」  車内にアナウンスが流れ、車両がホームに入り込んで行く。 その駅でカイルは降りなくてはならない。彼のいる位置は遠い。  今日も彼とは口も聞けなかった。カイルは落胆しながら降りようとしていた。ここは降りるのと同じ数くらいの人がまた入り込んでくる。だから出る人は心して流れに身を任せなくてはならないのだが、今日に限ってそれはうまくいかなかった。カイルは前の人に続いてドアから出ようと思ったのだが、前からの人並みに飲まれて元の位置に戻されてしまったのだった。 「あっ……!」  プシュッと勢いよくドアが閉まる。 「どうして……」  この初めての出来事に半ば放心状態になってしまった。 「どうしよう……」  学校に遅れちゃう…………。  泣きそうになってしまったが、次でどうにか降りて、それからまた向かいホームの電車に乗って元の駅に戻るしかない。  カイルは今度こそ降りるぞ! と意気込んでいたが、気がついたらすぐ近くに彼がいて、彼もこちらに気がついている様子で、それはそれで困ってしまった。 どう言ったらいいのか、すぐには言葉が出て来なくて俯いてしまう。それをどう取ったのか、彼が人を割ってグイグイ近づいてくると「大丈夫?」と声をかけてきてくれたのだった。 「ぇ……?」 「駅、降りれなかったでしょ?」 「ぁ、はい……」 「次で降りよう」 「でもあなたは……?」 「最初からそこで降りる予定だから大丈夫だよ」 「す……みませんっテン……」 「気にしないで」 「すみません……」  まったくすみませんしか言えなかった。本当にちょっとトロい。でも彼と話せた。それは幸せだと思った。 「時間は大丈夫? 門閉められちゃうでしょ?」 「ぁ、はい。でも走れば何とか間に合うんじゃないかと…………」 「ならいいけど」  どうしてそんなこと知ってるんだろう……と首を傾げながらも嬉しさが隠せない。 「あれから気にしてたんだけど、大丈夫?」 「あ、はい。お陰様で……。ぁ、あの時はありがとうございました。ずっとお礼が言いたかったんですけど……」と言うことは気にしてたのはお互い様と分かる。  分かるとやっぱり嬉しくて、俯きながらはにかんでしまう。  すると「どうしたの?」とばかりにカイルが触られていないかと辺りを警戒しながら彼が聞いてきた。 「触られてないよね?」 「ぁ、はい。大丈夫です。今のはちょっと嬉しかったって言うか。気にしてもらえてたってだけで嬉しくて……。ホントはもっと早く言いたかったのに言えなくてすみませんっ」 「そんなことは気にしないで。その制服」 「制服?」 「母校だから、余計に気になるんだ」 「……先輩、なんですか?」 「先輩って言うかOBって言うか。もう何年も前の話だから気にしないで」 「先輩……なんですか…………」  だから門が閉まる時間とか知ってたんだ……。  彼が気にしてくれてたのは、まず後輩だったからと言うこと。そして「君が可愛かったから」と言われて有頂天になってしまった。 「ぇ、えっ……。それって…………」  もしかしてもしかしたら彼は僕のことを好いてくてるれんじゃないかって思ってしまうんだけど、それはどうなの?! ●  そんな出会いの数日後。カイルは彼の家のベッドで裸体を晒していた。  制服の上着を脱いで、下半身だけ裸になると半勃ちのモノをしごかれる。顔を顔に近づけられて観察しながらモノをしごかれて恥ずかしさでいっぱいになりながらも快感にも浸っている。 「んっ……。んっ……んっ」 「どう? 人にしてもらうのって感じるんじゃない?」 「はっ……はぃ……」  特に好きな人にしてもらえるなんて夢のようだと思えた。脱がされた時から感じてしまっていて赤面ものだった。  彼は隣駅の広告代理店に勤める三十歳。普通だったら声もかけられないほど立場が違うと思った。だけど実際には学校の先輩で、カイルのことを好きでいてくれる。  今回の行為も本当は口にするのも恥ずかしかったが、どうしても彼としたかったのでカイルか誘った。 「して欲しい」と言った時の彼の目は点になるほど驚いていた。そしてしばらく考えてから、「絶対に人には言わない」と言う約束で関係を持ってもいいと言ってくれたのだった。カイルは自らの提案を受け入れてもらえたことに舞い上がってしまったが、後ろの経験がないので彼を受け入れられるかが問題でもあった。 「僕……。僕ね、まだしたことないんだけど、あなたに入れて欲しい」 「ぇ……」  またびっくりされた。そして屈託なく笑われると了承してもらえた。 「入れてもいいなら入れるけど、いきなりは駄目だと思うよ。徐々ににしよう。今日はしごいて出しちゃってから俺のモノしゃぶってもらおうかな」 「ぇ……」 「嫌?」 「ぁ、ううん。人のってあんまり見たことないから…………」  凄く興味あるっ!  しごいてもらっている途中で提案したものだから、順番にしようと思っても出来なくて結局カイルは彼の上に跨がって彼のモノをゃしぶりながら下からモノをしゃぶってもらう形を取ったのだった。 「こういうの、したことあるの?」 「ないよ……。こういうの初めてだし……」  しゃぶりながら言うのはうまくいかないから口から外してから言う。改めて見るとなんて格好をしてるんだろう……身震いしてしまうほど官能的だった。 「ぅ……ぅっ……ぅぅっ……う」  初めて見る彼の勃起したモノに興奮を覚える。そして初めての唇に触る彼の感触に酔いしれてしまいそうになっていると、自分のモノも口に含まれてピクンとからだが震えた。 「ふぅっ……ぅぅ……ぅ」 「綺麗だね。口に含むと……ぅ……ぅぅっ……旨いよ」 「あっ……ぁぁっ……んっ……」 「駄目だよ。ちゃんとおしゃぶりしないと」 「うんっ……んっ……ん……んっ」  互いに射精するまでおしゃぶりをして精液を飲み合うと充実感に満たされる。カイルはバタッと横に倒れ込むと自分の股間を手で押さえた。 「ふぅぅっ……ぅ」 「どう? 良かった?」  引っ張られ、たぐり寄せられて抱き締め合う。 「うんっ」 「俺も。男の子とは初めてだったんだけど……正直こんなにいいとは思わなかった」 「僕も……こんな風にするんだって初めてで……。でもすごく良かった……」 「さっきはああ言ったけど……やっぱり試してみていいかな」 「なにを?」 「入れるの」 「ぁ……うん…………」  恥ずかしかったが、本来してもらいたかったことを提案されて浮き足立つ。 「痛い、のかな…………」 「俺もソコに入れたことないからなぁ。試してみないと分からないけど……。ああ素股でもいいよ。まずは素股でいってみようか」 「なにその素股って」 「股をしっかり閉じてその間にモノを突っ込んで入れた気になるっての」 「ぇ、そんなので感じるの?」 「こっちもやったことないから分からないけど……聞いた感じでは感触いいらしいから」 「聞いたことはあるんだ」 「ああ。女ともこういうのアリらしいからね」 「そうなんだ……」  ちょっとその行為に興味を示したカイルは、甘えた声でしてみた。 「それ、僕にしてみて。それなら痛くないんでしょ?」 「ああ。尻に入れるとはまた別問題だと思うし」 「だったらお願い。それ体験してみたいっ」  そんなこんなでカイルは裸体のまま膝上あたりを紐で縛られると四つん這いになり後ろから彼のモノを迎え入れたのだった。 ジェルを塗るのにソコに指を入れられると旋律が走る。 「ぁ……ぁぁぁっ」 「え、もう?」 「だってエッチ過ぎるっ」 「いいけど」  クスクスっと笑われて恥ずかしくなるが、本当なのだから仕方ない。指で十分に慣らされるといきなり本物が入ってくる。 「あっ!」  ズズズッと根本まで入って先端ギリギリまで抜かれてからまた入れられる。 「あっ……あっ……あっ!」 「こ……れは本物だね」 「ぇ……何が?」と聞きたいのに聞けない。  カイルはしっかりと腰を捕まれて後ろからの出し入れに感じ入っていた。 「あっ……あっ……あっ……!」  彼のモノで後ろから袋やモノを突かれるとどうしようもなくなってしまい、知らぬ間に自分のモノを片手でしごいていた。そしてあっという間に射精してしまったのだが、相手はそうでもなくてガンガンに攻め立ててきた。 「出ちゃった?」 「ぅ……うんっ…………」 「でも俺はまだ大丈夫だから、もうちょっと付き合ってね」 「ぅん……」  後ろから乳首を摘まれて捻られると体がビクビクッと反応して彼を締める力も強くなる。  それから数分後、彼もカイルの股の間に勢いよく射精して出ていった。  事が終わるとまた抱き合って温もりを感じるのだが、すぐにまたしたくなる。 「今度はちゃんとしたの、やって」 「いいよ。ただしちょっと休憩してから」 「うんっ」  互いに体を弄りながら楽しむ。そして彼の指が双丘の間に入り込んできた時、指先にはたっぷりとジェルが塗られていたのだった。 「そろそろ大丈夫だから。次、本番いく?」 「うん」  一度にここまで進むとは思わなかったが、次があるかどうかも分からないのでカイルも積極的になる。 「こう?」 「ああ。いい眺めだよ」  仰向けになって両方の脚を抱えて彼を見上げる。膝立ちになった彼が自分のモノをしごきながら笑顔で身を屈めてきた。そして挿入。 「あっ! ぅっ……! ううっ…………!」  いきなり太いところまで入れられて目が白黒してしまう。それでもこれが彼の……と思うと全然大丈夫だった。 「ゆっくり入れる? 早く入れる?」 「早く入れて。ちゃんと根本までしっかり」 「分かった」  そういうと彼はカイルの希望通りズブッと根本まで入れると、ゆっくりと出し入れを開始したのだった。 「ああんっ……んっ……んっ」  どうしようもなく声が出てしまう。どうしていいのか分からないけど、気持ちいいのだけは分かる。 さっきの素股も良かったけれど、それとこれとは比べものにならない。カイルは身を捩らせて喘ぎ声を上げて何度めかの突き上げと同時に彼に向かって射精してしまったのだった。 「あああっ……んっ!!」  ドクドクッと勢いよく彼に向かって精液が放出される。それを体全体で受け止めながらも出し入れは止めやしない。 突き上げ捻りながらの挿入に余すところなく中身を見られた気がしたカイルは荒い息のままほほ笑んでいた。 終わり タイトル「おねだり上手」 20201103

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