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第85話
なんて、なんて瞬間に告白してしまったのでしょう。
私は本当に馬鹿です……。
もう少し時と場合、場所を考えれば良かったです!!
「なぁに?また逃げるの?」
またしても更衣室でしたように一回ヌいてから、杉原先輩は身体を洗って今浴槽に入ろうとしています。
「私、出ます!」
「叶の替えの着替え、まだ用意してないって言ったデショ?」
『裸で出て待ってる?』と言われて、私はまたしても浴槽の隅に出来るだけ小さく固まっていることしか出来ませんでした。
すると杉原先輩は『あははっ』と笑って、私の腰に手をあてる抱き寄せてきます。
お湯の力も加わり私の抵抗は無いも等しく先輩の膝の上に乗せられてしまいました。
「杉原先輩!!その……恥ずかしいです!!」
「誰も見てないよ?」
やはり、杉原先輩には勝てません。
いえ、勝てる気がしないんです。
勝てるのは『お母さん』の小雪さんだけだと思います。
「ねぇ、叶キスしない?」
「こここっこんなところで、ですか?!」
このまま流されて……エッチなことをしてしまうのでは?と心配になりました。
「キス以上はしないようにする。今日は、ね」
『叶の裸も見れたし』、と言われて今更になって身を私は屈めました。
この杉原先輩の余裕はなんなのですか?!
凄く恥ずかしい人です……!!
「『求めてくれたらいつであげます』はウソなの…?」
先輩は困ったように笑って項垂れてしまいました。
「『好き』ってウソなの?!」
また……反則技です。
その表情は卑怯ですよ。
なので、初めて私から触れるだけのキスをしてやりました。
「叶!!」
「えっと……、その……今日は晴れているので……特別に私からです」
「かなえぇ……。大好き、愛してる!!」
……今日は新鮮な体験を沢山しました。
そして沢山刺激をもらいました。
ですから、今日だけは晴れて良かったです。
完
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