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潜むように生きて来たのに、悪魔にも恐れられる憤怒の末裔に目を付けられました。
悪魔の国にある国一番のエリート学園、デルシス。
そこには将来国の中枢を担う大悪魔になるであろう非常に優秀残虐、見目も麗しい者しかいない悪魔の為の学園がある。
人間とみれば虐待は良い方、大体は虐め殺されるのが関の山。
彼らは選ばれたエリートの悪魔であるのだから、力を持たない人間など塵芥のような扱いになるのは必然。
そんな魔窟へと今日、俺は入学する。
人間である俺とこの場にいる人間達はエリート悪魔達の為だけに存在し、消費される物として学園に補充されるのだ。
悪魔の為の学園には弄ぶ為だけに人間のクラスが有り、人間は悪魔の数存在する。
悪魔様教育という人間に刷り込みを行う教育が産まれた瞬間から全人類に施されて来ており、殆どの人間は悪魔を狂信・崇拝している。
今も同じ馬車に乗せられた人間達がまだ見ぬ悪魔達を今か今かと心待ちに頬を赤らめている。
……俺からしたら頭がおかしいとしか思えない。
教育を施されているにも関わらずそんな事を思っている俺は、つまりは生まれた時から前世で普通に人間の国で普通に人間として生きてきた記憶があり、この国が異常だという事に早々に気が付いていた。
だから悪魔の目に止まらないように目立たず過ごしていたというのに……何故か国一番のエリート悪魔共が集う学園へ配属される事になって頭を抱えている現在。
デルシス学園は選民思考からか、特に人間を消費するスピードが早い。
最低で一月に一度、早ければ1日で頻繁に追加の人間を要求する位に軽く命を粗末にする。
だからといって礼儀も教養もない人間を渡せばエリート悪魔である彼らは怒り狂う。
エリートに相応しいエリートな教育を施された人間しか受け入れないのだ。
殺される確率はほぼ100%だが一縷の望みを掛けて逃げ出すか、このままどんな方法で殺されるのか分からない学園に行くのかと俺は途方に暮れていた。
人間は産まれたらまず先に悪魔の血を体内へと注射される。
体内にほんの一滴混ぜられた悪魔の血が悪魔国の全人類の位置を常に把握している為、逃げられた者はたまたま旅人が持っていた聖水で血を浄化して逃げたとも、たまたま怪我をさせられて吹き出した血の中に悪魔の血が混じっていて逃げ出せた者もいた……らしい。
逃げ仰せた者達は悪魔国の存在を声を上げて訴え出て、ある人間の国が真に受けて悪魔国へと戦争を起こした事がある……と教科書ではもっと人間の国が悪い事のように書かれていたが、人間を囲い、刷り込みを行い、家畜のようにしている時点で外の人間からしたらいつ拐われるのか襲われるのかという脅威の何者でもない。
その後悪魔国は煩わしさを嫌い、人間の軍を虫のような感覚で凪ぎ払い、さっさと現在の山に囲まれた土地へと国を丸ごと移動させた……とされている。
だからこそ悪魔国は人間への悪魔崇拝の催眠教育には手を抜かず、ここ100年は逃げ出すという思考さえ奪われているのだから。
人間に人権などない。逆らったり体力がない役に立たない人間から食肉になっていく。
強い人間は性奴隷もしくは人間を増やすための家畜として。
俺は生き延びたい。何故神様は二度目の生を与えてくれたのか分からない。
が、なんとしてもこの国から逃げ延びてやる、と決意を秘めていたのに。
目立たず真ん中の点を取るようにキープして、上手く立ち回っていたはずなのに。
気付けば人間をぎゅうぎゅうに詰めた馬車は学園デルシスの見るものを威圧する巨大な黒い門を超えて建物内へと入っていった。
「わぁ、ここが学園デルシス……!」
「凄いね、僕達選ばれたんだ……!」
「悪魔様ぁ、僕はどなた様のしもべなのでしょう……!?ああ、ドキドキが止まりません……!」
周りの人間はひそひそと、それでいて期待に満ち溢れた声で悪魔へ仕えられる事を喜んでいる。
これから自分が死ぬかもしれない事も、分かった上で。
……ヘドが出る。
人間の住む寮と悪魔の住む寮は10倍も大きさが違う。
だがここは学園デルシス。距離こそかなり離れているが、いくら人間の寮だからと汚い寮では無かった。
最下層の学校ではボロボロにされた寮の屋根の下で凍え死んだり、倒壊した建物に押し潰された者がいたという話を面白おかしく悪魔達が語っていた事もあったなと思い出した。
自室へと上がっていく。
組分けのカードが部屋の真ん中へポツリと置かれていて、ため息を吐いた。
俺のご主人様の名前が書かれたカードだ。
俺をどこかの教育施設で見付けて選んだのだろう。
悪魔参観の日は特に気を使って目立たないようにしていたのに。
ペラリと捲った先には……“バファエル・サタン”という文字が目に入り。
俺は一瞬意識が飛んだ。
“サタン族”。
憤怒の名を頂くその一族は悪魔界でも自身が優秀すぎるが故に周りが遅く見えるらしく、非常に短気で有名である。
気に入らないと一ミリでも機嫌を損ねれば、不快にした相手の首は飛ぶ。同じ悪魔であっても容赦はしない。
サタン族と肩を並べられるのは同じく7つの罪を受け継ぐ者のみで、例外は無い。力も拮抗し、それぞれが一癖二癖ある為か、専用の宮殿が仕事場として彼らに与えられている。
“バファエル・サタン”の噂を知ったのは教育施設にいた以前、施設の建物近くで悪魔同士の小競り合いがあった時。
目に見えない程の速さで繰り広げられる魔法や肉弾戦。
それを終わらせたのがその場に通りがかったバファエルだった。
『俺の目の前で喧嘩とは良い度胸だ。買ってやる』
それは一瞬の出来事で。
2体の悪魔の首、胴体、手足は細切れになり、塵も残さずに燃え上がった。
仲間の悪魔達はバファエルへと許しを願っていたが、バファエルの額に青筋が走った瞬間にそれらも燃えて消えた。
『煩わせるなゴミ共が。』
その時の残酷な目を思い出す。
悪魔であっても彼を少しでも刺激すれば殺される。
ひそひそと施設の人間や街の人・悪魔が“バファエル・サタン”について噂を垂れ流していたのを聞いた。
そんなサタン族の中でも特に手がつけられない、下手したら初代に匹敵する力と残虐な性格を持つと噂されていたあのバファエル・サタンが、俺を選んだ……?
足元がおぼつかず、世界がぐらぐらと歪んで落ちていくような錯覚を覚えた。
だが、時間が無い。
人間は悪魔の為、自分の時間を削って奉仕しなければいけないのだから。
悪魔をご主人様と呼ぶように調教された人間達のように、ここまで来てしまった以上は俺も彼らのように振るまわなければ。
集合時間に間に合うよう、走って階下へと降りた。
全員きちんと整頓済みで、これから向かう大ホールにて出会うご主人様に期待と羨望を抱いている。
彼女、彼らはきっと、死ぬ瞬間までも彼らの為に身を捧げられる事を喜ぶのだろう。
……前世の記憶がある事を怨めしいと思うなんて。
そして彼らの曇りなき眼が、これから確実に死に向かうであろう俺にはとても羨ましいと感じた。
もうじき、悪魔達を待って二時間経過する。
彼らは人間など待たせるのが普通だと思っているのだからこれが通常で。
俺は収まらぬ眩暈を耐えながらじっとその時が来るのを待っていた。
―カツン。
足音。
とうとう悪魔達が大ホールへと足を踏み入れた音。
途端に襲い来る威圧、嘲笑、欲望、殺意。
負のエネルギーが満ちている空間は、俺に耐え難い苦痛をもたらした。
喘ぐように息をし、無理やりに体を動かす。
自分のご主人様を探しにいかなければならない。
待たせればそれだけで殺される。
びしゃ。
悪魔の戯れで、誰か、死んだ。
『ギャハハ……』
ぐちゃ、びちゃっ。
何かが踏み潰される音。
ゴトンッ。
何かがごろりと転がる音。
急がなければ。
急がなければ。
待たせれば待たせる程、人間は減っていく。
―カツン。
喧騒の中で非常に静かに響いたそれは、ご主人様のものだとすぐに気が付いた。
気が付いてしまった。
自分はご主人様の反対側へ誤って動き出してしまったらしい。
カツン。
ああ、あああああ……。
揺らめいている。空間が。炎のように。
険しい表情を浮かべたご主人様が、こちらへ向かって歩いて来る。
カツン。
悪魔に迎えに来させるなど、お前の首を跳ねに来たと言われているようなもの。
その証拠に、ご主人様の感情に呼応して空間が歪む程の高魔力が立ち上っているのだから。
悪魔達が静かになり道を開け、俺への一本道が出来上がる。
カツン。カツン。カツン。
ご主人様の目が、髪が赤い光を灯して激しく燃え上がっている。
目の前まで現れたご主人様は、
『今から部屋へ来い。すぐに来なかった仕置きをする』
と痛い位の力で俺の腕を掴み、歩き出した。
どっと汗が流れ、何故この場で殺さなかったのか考える。
もしや、拷問に掛けた上で殺すのでは……?そう思い至った瞬間、血の気が引く思いがした。
悪魔寮の最上階、眼紋とカードキーでのみ入れるようなワンフロア貸し切った見るからに豪華絢爛な場違いのその部屋へ、ご主人様に腕を掴まれたまま立ち止まる事も許されずに入った。
『脱げ』
腕を離された瞬間に指示を出され、痛む腕を省みる事なく怯えるよりも早く従った。
ご主人様自身も隣で、体を拘束するかのような鎧を外し、見るからに高価な服を乱雑に床へ脱ぎ捨てていた。
ご主人様の引き締まった立派な筋肉が露になる。
自分も急いで服を脱ぎ去った。
お互いに一糸纏わぬ姿になり、ご主人様はじろりと俺の貧相な体を一瞥すると、ベッドの上へと優雅に腰掛けた。
『舐めろ』
顎でくいっと指し示したのは
(え)
もしかして、もしかしなくても。
『早くしろ』
明らかに勃ち上がっているご主人様のモノを前に、混乱する頭を叱咤し、嫌悪感を飲み込みながら唇をソレへと寄せた。
『俺は舐めろと言った。……お前は俺をこれ以上刺激したいのか』
ご主人様が怒っている。
早く、早くご奉仕しなければ……!
震える舌でご主人様の、自分よりも遥かに大きなそれを下から上へ刺激を与えるように舐め上げた。
性教育は、悪魔の為の奉仕の一貫として受けさせられる。
勿論悪魔参観の時も悪魔達相手に何度か実践させられて来たが、早速使う機会があるだなんて思いもよらなかった。
なるべくご主人様に気持ち良くなって頂く為に、根元を手で擦りながら先端を輪を描くようにくりくりと舐め、吸う。
その瞬間、手の中でご主人様のモノが急激に膨らみ、大きく脈動したかと思うと口の中へと大量の精液が雪崩れ込んで来た。
「ッッッ!!!?」
思わずそのねばついた液を大量に飲み込み、飲みきれず逆流した粘液に呼吸が苦しくなり噎せ込んだ。
『次だ。自分から挿入れろ』
嘘だろ?
舐める前よりも血管がドクドク脈打ち、遥かに大きく張ったソレを俺の尻に?
明らかに入らないであろうサイズを前に、自分の股間へと手を伸ばした。
っえ……?
なんだ、これ……濡れている……?
自分の体の急激な変化に戸惑いを隠せない。
そうっと濡れている箇所を確かめると、肛門と男性器の間に割れ目のようなものが開いているのが分かった。
ぬめりはそこからだらだらと透明な液を垂らし続けている。
もしかして、これ……?これに、アレを突っ込めと……?
これってもしかしなくても女性器。
そんなものいつ出来たんだと思ったが、ふと、過去に習った悪魔との性行為についての教本内容を思い出した。
・男性の性行為、ご奉仕について
~~~中略
悪魔様に性行為を望まれている時、先ほどのように肛門から挿入し、腸内を使うのが普通ですが、中にはそれ以上を望んで頂ける場合があります。
その時はこちらから赦しを請い願い、悪魔様が特別な精液を恵んで下さった時は余すことなく全て飲み干しましょう。
・特別な精液とは……
人間の男性には通常、女性器がありません。
卑しくも穢らわしい力のない弱い我々人間との間に万が一子供を望んで頂けた場合や、もっと深く繋がりたい、欲望を解消したいと畏れ多くも望んで頂けた場合には、腸内だけでは興奮した悪魔様の御神体を全て収めきるのは不可能です。
よって、悪魔様は欲望を解消しきれず、申し訳なくも不満を感じさせてしまいます。
そういった不出来な肉体を恥じ、全身全霊を掛けて悪魔様へ赦しを請い、悪魔様の御神体を収める為の精液を賜れるよう精一杯努力致しましょう。
・特別な精液を賜った場合……
全て飲み干した後は間も無く体に変化が現れるでしょう。男性器と肛門の間に割れ目が生じ、通常の女性器の二倍以上もの長い管が生成される為、悪魔様の大きく雄々しい御神体を根元深くまで受け入れる事が可能になります。
相性が悪くとも切れて血が吹き出ようとも悪魔様の御神体を奥深くまでくわえ込み、気持ち良くなって頂けるようご奉仕しましょう。
中にはその貧相な体を悪魔様が気に入り、悪魔様自らが矮小なその身を抱いて下さるかもしれませんが、そのような事は滅多にありません。抱いて頂けた時には悪魔様に最大限の感謝と、幸運を賜れた事を一生の誉れとしなさい。
……え?俺、そんな望まれるような事した覚えないんだけど……。
ますます混乱を極めて動けなくなった俺に焦れたのか、ご主人様は俺の腰を引き寄せ、俺の体の鎖骨付近までありそうな大きなソレを俺の口へ当てがった。
『足りないなら飲め』
どぱッ!!
という擬音が聞こえそうな勢いで喉へと塊のように流れ込んできたご主人様の精液を頭と腰を押さえられていた為に吐き出す事も叶わず、次々に飲み込まざるを得なかった。
……一分は飲み込み続けただろうか。
不意に頭と腰の圧が無くなり、ぺたりとへたり込んでしまう。
ご主人様は眉を潜めるだけでじぃっと見下ろしている。
目が早くしろとばかりに急かすのだが、体が言う事を効かない。
「っは、…ッは……!」
熱い。熱い。なんだ、これ。
腹の中が何か別の生き物がうねっているみたいに熱くてぞわぞわとして、だらだらと透明な液が涎のように溢れて粗相をしたかのように明らかに高価な毛足の長い赤い絨毯に染みを作っていく。
ご主人様は何も言わない。
サタン族特有の非常に短気で我慢が効かない性分のはずなのに、俺が自ら動き出すのをありったけの理性を動員して待っているのだ。
ご主人様の赤黒く染まり、激しく痙攣を繰り返す怒張。
俺の締まりのない股の間から零れ出る汁と同じように、
真っ赤な先端からは次々と溢れてはベッドとご主人様の足元を濡らしていく。
「っは……」
早く、早くしないと。
危機感が募り、頭に警鐘を鳴らす。
ご主人様の赤黒く染まる今にも爆発しそうなソレに。
手を。
『遅すぎる』
腰を強い力でかき抱かれ、瞬きすら許されない一瞬の出来事。
「ッッッッあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」
グボォッッ!!!
一気に、ソレは最奥へと突き刺さった。
突然の大きすぎる衝撃に息もつかさぬまま、体を天井に向けられ、何度も何度も何度も衝撃を体内へ叩き付けられた。
「ひあ"あ"あ"あ"あ"!!!!あ"ぐうッッ!!!!あぎッッ、が、あ"あ"あ"ッッ!!!!」
こんな。
キツい。
辛すぎる。
無理だ。
耐えられない。
―こんなに気持ち良すぎるだなんて!!!
「ごしゅ、ひあ"あッッ♡♡♡
ゆるッひ、んひィ"ッ!!!♡♡♡
ごめ、あ"ッッ♡♡♡なさ、ふあ"あ"!!!♡♡♡」
『お前が俺をここまで興奮させたんだ。責任を取って孕め』
はらめ?はら、め……。孕め……?
「やッッ……!!それ、だ、けはぁッッ……!!」
そんな事になれば俺はもう、人間の国に行けなくなる。
悪魔の子供を孕んだ人間など、人間の国にとっては忌むべき存在だろう。
『嫌だなんて言うなよ……?仕置きだと言っただろう。
孕め、俺の子を。
産むまで孕ませ続けるのが仕置き内容だ』
「あ、ああ……あああ…………!!」
ご主人様は言う事は全て伝えたとばかりに、俺の口を自分の口で塞ぎ、口内と体内をひたすらに蹂躙した。
「んぁッッ♡♡んん♡♡♡んむぅううッッ……♡♡♡」
的確に俺の気持ちの良い所をご主人様の大きなソレがごちゅごちゅと突き上げる。
沸き出す涎をご主人様が器用に動く舌ですくい、飲み下す。
押し寄せる快楽の波と、このままでは孕んでしまうという危機感に、必死で身をよじった。
「んひぅ!!♡♡♡んんッ♡♡♡ん"~~!!!♡♡♡」
ご主人様の腕がガッチリと背中と尻を掴んで離さない。
快感に固定された俺の体は今にも達してしまいそうだった。
ご主人様の欲が体内で大きく膨らむ。
それがまた気持ち良さを増し、腹の底からぞわぞわと沸き出す感覚に俺はじたばたともがいた。
が、そんな弱い力などご主人様の立派な体格により全て胸の中に封じ込められ。
「ん"ッッ♡♡♡ん"う~~~!!!♡♡♡んん"ッぅ♡♡んぐぅッッ……!!!♡♡♡」
抵抗虚しく、ご主人様のモノがドクンと波打ち、熱いものが俺の体の中を満たしていった。
「ふッ……ふッッ……んぐッッ!?んんん"ぅッッ……!!♡♡♡」
ご主人様のモノはたった一度だけでは満足出来なかったらしい。
ご主人様の胸の中で、力強く鼓動するご主人様を中で感じ、勢い良く溢れ来るご主人様の熱く滾る子種を、最も快感に敏感な最奥で受け止め続けた。
「……ッッ♡♡♡……~~♡♡♡!!……ッ♡♡♡…………」
―子供を望んで頂けた場合、長い管の奥は通常の女性器と同じ役割を持つ臓器が生成されている為、そこに悪魔様の大量の精液を注いで頂きましょう。
悪魔様のお子を孕めた場合、体が悪魔様の精液を欲するように常に熱く火照り発情します。
毎日たっぷりと栄養満点の悪魔様の精液を入れて頂けるようおねだりしましょう。
栄養が許容量を超えた時、悪魔様のお子が産まれ落ちます。悪魔様のお力により、産まれる日はまちまちです。
栄養を賜れなかった場合、一年後に母体の生命力を食い破って産まれますが、その場合はそのお子の糧になれた事を誇りに思いましょう―
俺には関係が無いと思って流し読んでいた教本の一ページが、嫌に頭の隅にこびりついて残った。
初めて、人間という存在に惹かれた。
「ん……んッ……」
ちゅく、ちゅぱと艶かしい音がその人間の口からまろび出る。
「ふ……」
じゅる、じゅるり。
白濁液と涎の混ざった液を啜る様の妖艶な表情。
色気が目に見えるとはこの事か。
他の人間とは一線を画す雰囲気に、他の悪魔共も飲まれたらしい。
実技でイチモツを貸し出していた悪魔も例外ではなく、そのペニスを赤黒く染め、まだ物欲しそうにピクピクと揺らしている。
あの人間が実技を終えてこの場を去ってからも、目で追うのを止められない。
すました顔をしているが、表情が、その何者をも寄せ付けまいとした雰囲気が、どこか他の人間とは違うのだ。
悪魔教育の成果を確認する為と学園で自分の下僕とする人間を前以て選ぶ為の顔合わせ。
それが悪魔参観の目的だ。
正直に言えば学園で選ぶ下僕は誰でも良かった。
この苛立ちをぶつけられるのであれば。
だからこんな催しなどどうでも良いと思っていたし、さっさと家に帰って奴隷でもいたぶりたかった。
それがどうだ。
これが運命の相手とでも言うのか。
運命など悪魔が嫌う言葉の一つではないか。
それなのに目を離せない。
欲しい。
あの人間が欲しい。
あの人間を組み敷いて思う存分にその肢体を暴けたなら。
欲が下半身に集まるのを感じた。
あの表情で俺の熱を口に招き入れられれば。
あの表情で俺のモノを体に受け入れて啼いてくれたら。
人間が特別な精液と呼ぶ愛液が、俺の精巣内部へと次々に溢れて来るのを感じて、頬の裏の肉を噛みちぎった。
今はそんな不埒な事を考えている場合ではない。
…他のヤツらも狙っているのだ。
誰にもアレは渡さない。
あの人間は俺のモノだ。
悪魔共一人一人に話をつけ、時には脅し、それでもダメなら暴力で解決した。
そうしてやっと、俺はあの人間を学園内でのパートナー……下僕として手中に収めた。
俺にしてはかなり迂遠な方法を取ったと思う。
それなのに直接接触し、その体を奪おうという気には何故かならなかった。
一年待った。
この俺が一年だ。
学園に入る日を今か今かと待っていた。
いきり勃つ己を自らの手で宥めすかし、あの人間の体内へ収めるその日を。
そうして現れたそいつはやはり他の人間と違った。
顔には脂汗が滴り、見るものが見ればその引きつった表情は醜いと口にするだろう。
だが、欲に滾る俺には極上の獲物のように思えた。
ようやくだ。
ようやくお前の中に挿入れられる。
それなのに、そいつは俺の元へなかなか来ない。
まだか。
まだなのか。
何故来ない?
俺を避けている?
無駄だ。
時間稼ぎ?
最終的に俺の元へ来るしかないだろう?
早く。
早く……。
早く!!!
俺は居ても立ってもいられず、歩き出した。
俺は激情を無理に抑え込み、そいつの元へ向かった。
目を見開いて固まるそいつの腕を掴み、部屋へ連れ込んだ。
すぐ様命令してまずは俺のモノを舐めさせてみた。
俺のモノへ舌を這わせる姿は非常にそそった。
ここまでこの俺が我慢したのだから、コイツから自分で体内へと誘わせようとしたが、なかなか来ない。
こうも俺を焦らして生きていられるのはお前くらいだろう。
怒りも抱かず純粋にただただ翻弄させるのは。
だが、理性の方はもう持たなかった。
極上のご馳走を目の前に、ここまで我慢出来たのが我ながら凄いとしか言いようがない。
その後は気絶するまで何度も犯した。
皮肉にも天へと導かれるように感じた甘美な快楽に、いつまでもこうして己を沈めていたいと思ったが、さすがに犯し殺すのは理性を総動員して避けた。
ようやく手に入れた宝を壊すなど、愚の骨頂だろう。
無論、学園内だけでこの関係を終わらせるつもりはない。
俺が執着した物をそう簡単に手離せるものか。
だから大量の子種を体の奥底へと植え付けた。
必ず孕むように。
俺から逃げられぬように。
俺の子供を産めばコイツは俺の子供の母体として監視され、簡単に死ぬ事を許されなくなる。
コイツは俺のものだ。
生まれてからなにか足りないものが有って、それが慢性的に俺を苛立たせて来た。
足りないはずだ。
この存在をずっと待っていたんだ。
生涯手離してやるものか。
俺の苛立ちを止められるのはお前だけなのだから。
『気分はどうだ?』
「き、ぶん…… ……」
目を覚ますと、すぐご主人様の声が聞こえた。
不敬にもご主人様のベッドで同衾してしまったらしい。
所がご主人様は怒るよりも俺を気遣ってくれるかのような声掛けをされた……と思ったが、瞬時に違うと思い直した。
体が熱い。お腹が疼く。
ああ、これって、もしかして、もしかしなくても……。
『孕んだか』
「ッッ……!!」
お腹がドクドクと脈打つ。
俺の体の最奥に、ご主人様の子供が宿ったのだと強く主張していた。
『くく……欲しくて疼くだろう?
今日こそ、お前から挿入しろ。
次は俺を待たせるな。
もし俺を待たせたなら二人目が待っている。
……この意味が分かるな?』
「ッッ……!!……はいッ、ご主人様ッ……」
俺は赤く勃ち上がったご主人様を、快感を求めて濡れそぼった下の口へと招き入れた―。
~~~~~~~~~~~
【その後のお話や補足など】
その後はパートナーとしてあちこち連れ回されたり、人間の寮には帰さずに攻めの寮で寝泊まり(イかせられまくって気絶するともいう)する毎日を過ごす。
毎日大量にほぼ絶え間なく栄養を注がれ(下手したら気絶中も注いでる)、初代サタンとほぼ同じ速さである2週間で産まされる羽目に。
ちなみに悪魔界の出産最速記録。そんで子供は一族に丸投げ。
悪魔の母体という実績を得てしまって学園外の悪魔からも一目置かれてしまい、ますます逃げられなくなる主人公。
勿論子供が一人だけで済むはずがなく、
「一人だけって言ったのに!」『言ってない』「酷い!悪魔!」『悪魔だが?』
みたいなやり取りがあるとかないとか。
その内攻めから一人だけ目立ってたという話を聞いて愕然とする主人公。
それから敢えて周りの人間のように好き好き~♡を演じてみるが、『よし、腹いっぱいに孕ませてやろう』と逆効果。
また元に戻って『ごっこはやめたのか?』とバレててうがーっ!と頭をかきむしる。
ちなみに、なんで最初から憤怒が好感度MAXなの?という理由としては、作中にある通り、
悪魔様教育時代、悪魔参観に来ていた攻めが主人公が他所の悪魔のブツに舌で奉仕しているのを見てその色気(※だるくて気持ち悪くておえええ無理!の顔が出てしまっていた。他の人間達は嬉しくてやってるので顔が全然違い、良く目立った)にどうしようもなく欲情して初恋を拗らせたから。
ライバル悪魔は沢山いたが、全部ばったばった薙ぎ倒してご主人様の枠を勝ち取った。
そんな一年前位から主人公が欲しくて欲しくて滾って張って処理しきれなくて仕方なかったので、『遅すぎる』の一言は真理。
サタン一族は短気だが一途。
むしろ良くそこまで我慢した!と一族によしよしされてキレる。
それから学園生活はご主人様と一緒に受けさせられています。
時折視線を感じるが、振り替えると誰もいない為に首を捻る。
ご主人様が首を自分に向ける。
『俺だけを見ていろ、命令だ』
と独占欲。
主人公に未練がましく視線を向けていた悪魔はバファエルにギンッと睨まれて一瞬で逃げてます。
~~~~~~
読んで下さり有難う御座いました!
すぐキレる短気なやベーやつが我慢しちゃう位お気に入りなステルス希望自称平凡の未来やいかに。
一応続編は今の所ありません。
希望者が沢山増えれば。
当小説を気に入って下さった方や他の人外攻め(悪魔・邪神・魔王・魔族・魔物・吸血鬼・獣人・宇宙人・触手・植物・自分で動く大人の玩具などなど人外攻めオンリー)を読みたい!と思って下さった方は月額100円から現在30作品以上、300円からR18イラスト閲覧+45作品以上読めますので是非。
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