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最終話
***
「これ、俺んとこの合鍵な。ここの合鍵も作ったから」
相沢から返された鍵には新しい鍵が付いていた。
「合鍵って? 勝手に作ったの?」
「別にいいだろ? それと来年からは一緒に住むから年内に解約しろよ」
「え、どういう事⁉︎」
なかなか理解出来ないでいると。
少し拗ねたような顔をした相沢が、僕を抱き寄せ耳元で言ったんだ。
「来年からは結婚を前提に同棲しませんか? ってこと」
「── ⁉︎」
僕が目を丸くさせると今度は満足げに歯を見せて笑う。
「今日は泊まってくからな」
夢みたいなことが現実になっていく。
抱きしめられて相沢の腕の中で眠れる日がくるなんて。
そして、おはようって寝起きの相沢に言えるんだ。
風邪がうつってないかは心配だけど。
目を合わせ、左手の指輪の感触を確かめながら。
そっとキスをした。
終
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