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憂える胸を焦がす 14
「はぁ…ぁ……はぁ……」
息が整うと同時に、快感がおさまるとまた罪悪感の方が大きくなっていく。
そして、言いようのない虚しさが湧き上がってきて、何年振りかの涙で枕が濡れた。
やっぱり好きだ。
和臣が好きだ。
虚しいけれど、それでもまた俺は和臣に出会うことができた。
また思い悩むことも、自問自答も増えるだろう。
でも、和臣の未来に俺が必要だと思ってくれているのであれば尚更、俺の進むべき道は決まっている。
ベッドから体を起こし、頬を濡らした涙を擦るように拭いた。
和臣が医学部を卒業するまで、ストレートに行けば約1年半。
卒業後の前期研修が2年、そのあとの後期研修が1~5年。
俺はそれまでに一人前の臨床検査技師になるのは必須で、それに加え俺は一流にならなければいけないと改めて思った。
そう一人前で、一流の。
もう逃げないし、高望みもしない。
和臣が望むことだけに応えていく。
そうして、生きていくんだ。
そう気持ちを奮い立たせ、その日はいつもより熱いシャワーを頭からかぶり眠りについた。
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