1 / 1

第1話

嘘つきが治らない… 子供の頃から嘘つきで、大人になっても嘘をついてしまう。 これはもう…心療内科の扉を叩くしか無いのか… 本気で悩む、ついつい吐いてしまう自分の嘘。 「もっくん、それって本当?」 「本当だよ…だって、そうじゃなかったら東京タワーなんて立たないよ?」 そして、今日もまた、嘘をついた。 行きつけのバーで、可愛い女の子をナンパした。 このままお持ち帰りできそうだ。 「じゃあ、国会議事堂は?」 「あー、あそこの下にも埋まってるよ。沢山の死体が埋まってて、怨霊が日本を守ってるんだよ~」 「本当?凄いね!」 嘘だ。 そんなわけ無い。 耐震構造上、下には何も無い方が良いに決まってる。 「ねぇ、陽子ちゃん。そろそろ違う店に行かない?」 「えーっ!エッチな事考えてるでしょ?」 「考えて無いよ?」 また嘘をつく。 でも、この嘘は…大抵の男なら吐くはずだから、ノーカンだ。 俺は順調に陽子ちゃんをお持ち帰りし、満足した朝を迎えた。 「ねぇ!もっくん、昨日送ってくれるって言ったよね?」 「そうだっけ…」 「ひどい…もう、遅刻しちゃうじゃん!バカ!」 陽子ちゃんは昨日とは別人みたいに、俺を罵って去って行った… あんなに甘えん坊だったのに… それだって嘘じゃ無いか… 「おはよう~」 「あれ?基樹先生今日は遅刻ですか?」 俺は塾の講師をしている。 大学まで出たのに、いざ就職するとなると勉強しかしてこなかったせいか、他の畑に入ることを尻込みした。 勉強に縛られる人生だ… 「今日は、受け持ちの授業がないから、遅刻じゃありません。」 俺はフン!としてコーヒーを淹れに給湯室に向かう。 いつからか、自然と吐いてしまう嘘に気付いて悩み始めた。 またこんな事で嘘ついてるよ…と自分で突っ込んでしまうのだ。 いっそ、気にならない方が良いのかもしれない。 それくらい、空気を吐くように嘘を付く。 「基樹先生、今日は新しい生徒の子が来るので、5時。どこにも行かないでね」 「はいはい」 俺は集団授業の合間の空いた時間に個別授業も受け持っているので、一度出勤するとほぼ人にものを教えてる。 嘘つきだけど、合格率の高い先生だぞ。 新しい生徒の情報を見てみる。 この時期から塾通いだなんて…少し遅い気もする。 だってもう11月。受験は来年の2月だ。 4か月で何が出来るんだ。 早い子だと何年も前から受験を視野に勉強しているというのに… 受験生なのに…今から追い込みかけるの遅くないか… まぁ、落ちても俺のせいじゃないけどな… 「先生?家の武が全然勉強しないんです!塾ではどうですか?」 「そうですね、塾でも全然身が入らない様子です。」 俺の嘘は自分の為だけに使う。 武の為に嘘はつかない。 「やっぱり!一発ぶん殴ってやろうかしら!」 「お母さん、武君の志望校を見直してみてはいかがですか?偏差値の高い高校を目指すことが彼の負担になっていて、身が入らない可能性もありますよ?」 フォローも忘れない、俺は出来る塾講師だから。 「確かに…家に帰って相談してみますね…」 お母さんが帰られる。 俺のフォローもばっちり効いていた。 さて、5時までもう少し。テストの出題でも考えて待とう。 「初めまして、後藤です。」 「基樹だよ、よろしくね」 中学3年生の後藤通永ごとうみちながくん。 立派な名前だね、でも小柄で可愛い感じの男の子だった。 文化部に居そうな…髪は細くてサラサラで、色白の肌は陶器のようにすべすべそう。 大きな目には長いまつげがビッシリ生えていて、伏し目がちな彼の目元は印象的だ。 「じゃあ、まず今やってる単元、教えてもらっても良い?」 俺は後藤君の学校の授業内容を聞く。 彼は淡々と俺を見ながら教えてくれる。 間違いなく、淡々と、冷静かつ迅速に… 何だろう…この子、すごい…すごい理系感、強い…! 「ありがとう、よく分かりました。では苦手な所を一度やってみようか?」 警戒しつつ俺は後藤君の苦手とする分野の問題を出す。 何で警戒するかって…? 分かるだろう? 理系をこじらせた奴の末路を… 「苦手の定義は何ですか?」 後藤君… 「簡単に言うと点が取れない部分だよ。」 「なるほど」 君はそんなに可愛いのに… 「では、問題をお願いします。」 そんな話し方するから… 「なぜこんな計算になるのですか?」 ロボットみたいに見えて… 「よく理解できました。ありがとうございます。」 君の良さが半減。いや、ゼロに…ゼロになってしまうんだよ? 「後藤君はバリバリの理系だね。」 「その定義は何ですか?」 「そういうところだよ。」 俺は笑ってそう言うと彼を見て戸惑った。 俺に指摘されたことが情報処理できなくて、キョトン顔でフリーズしていた… その顔が…めちゃくちゃ可愛かったからだ…! 「後藤君…?」 俺に声を掛けられてハッとした顔でまた伏し目がちになる。 なに、この子… めちゃくちゃ面白いな… 俺は彼に興味を持った。 「ありがとうございました。」 礼儀正しくそう言って帰る姿はまるでロボットの様で、彼の見た目とのギャップに萌える。 「基樹先生、彼、どうでした?」 塾長に授業の進捗を報告して予定表を確認する。 次、彼が来るのは今週の木曜日… 楽しみだ。 塾講師を続けていると、特徴のある子に何度か携わる。 全然勉強する気のない子や、勉強しても身に着かない子。おしゃべりの過ぎる子や、大人しくて何も気持ちの読めない子… これは大人でもそうかもしれないけど、いろいろな人格に否が応にも対応しなくてはいけないこの仕事は、ハードだけど、楽しい部分でもある。 あんな顔するなんて、元の素体は凄く良いんだろうな… 理系一家なのかな… 可愛いのに、絶対モテるのに…それなのに、あんなんで…ウケる。 塾も終業の時間を迎えて俺は帰り支度を始めた。 携帯電話に着信がある。 「お、陽子ちゃんだ~」 おれはウキウキで彼女に連絡して、昨日のバーでまた会うことにした。 今朝は怒っていたけど、戻って来てくれた~ やった~ 「今日、会社で聞いたの。昨日もっくんの言ってたことって嘘じゃん!」 「え~、嘘じゃないよ~」 そんな事言いにわざわざ会いに来たの… 面倒くさい陽子ちゃん… 「だって、海上保安庁は昔は海賊だったって言ったよね?」 「う~ん」 シニカルなギャグだったんだよ。 それを真に受けたのは君が馬鹿だからだ… 「あとさ、アメリカ人は本当はイギリス人だって言ったよね?」 「う~ん」 それは本当だよ。 本当に馬鹿なんだな… 「こんなくだらない嘘つく人嫌だ!もう会わないから!」 はいはい。 俺と付き合う人は嘘を嘘と見抜ける人しか無理なんだね… 陽子ちゃんは飲み物のお金も置かずに帰って行った… 「振られちゃったね…」 お店のお兄さんに悲しい顔をされた。 俺は陽子ちゃんの分までお代を払って店を出た。 「イギリス人がアメリカを侵略したんだ、これは嘘じゃない」 家に着いても、そこだけ納得いかなくてインターネットで調べる。 「あ、ポルトガル人もアメリカ大陸に来てたんだ…」 悶絶して寝転がる… 嘘にキレがないよ…もっくん。 前はもっと飛ばしてたじゃないか… あの頃のもっくんが懐かしいよ… 木曜日。 俺のお気に入りの後藤君の授業がある。 俺は朝からワクワクしていた。 憂さ晴らしする訳じゃない、後藤君にジャブをかまして沢山のキョトン顔を手に入れたい。だって、可愛いんだもんなぁ。 陽子ちゃんよりも、後藤君の方が圧倒的に可愛いね!フン! 「基樹先生、今日もよろしくお願いします。」 「後藤君…いいや、みっちゃん。今日もよろしくね」 俺は初めから飛ばしていた。 「なぜ、そんな呼び方をし始めたんですか?」 表情も変えずに涼しい顔で聞いて来る後藤君に言う。 「だって、君、可愛いから…」 その瞬間、彼の情報処理能力が止まって、キョトン顔が… キターーーーー!! 「うぷぷ、めっちゃ可愛い…」 続けざまのキョトン顔で今にも彼が壊れてしまいそうだ!! 「みっちゃん!みっちゃん!大丈夫?」 俺の呼びかけにも反応が鈍くなって、少し心配になる。 「後藤って呼んでください…」 「ん~、分かった。」 顔を赤くして、そんなに恥ずかしかったのかな… 先生はケアレスミスをしてアメリカに侵略したのをイギリス人だって限定して間違っちゃけど、ほんの少し悶絶したら、もう恥ずかしくなくなったよ? 「後藤…くん。君の手って…とっても綺麗だね。」 俺はそう言って彼の鉛筆を握る手を掴むと、そっと手のひらを指で撫でた。 キターーーーーーー!! また、キョトン顔来ましたーーーー!! もう、堪んないな。これ。 俺はどんどん悪乗りして、純情な彼を弄ぶ。 「君の計算は途中まで合ってるんだけど、ここから脱線して来ちゃったね?」 そう言いながら彼の足に自分の足をさわさわと触れさせていく。 勘違いなんかじゃないくらいに、押し付けて足を広げさせる。 「……ん!やだっ!」 え!? 何、突然!? 女の子みたいに嫌がって、耳を赤くして怒った顔をして… 可愛い… 「先生!この行動の説明を求めます!」 立ち上がって俺を見下ろすと、彼はムッとした顔でドカッと座り直して俺を見る。 あまりの気迫に戸惑って…自己防衛本能が発動した。 俺は…嘘を付いた。 「き、き、君の事が…好きなんだ」 俺の告白に彼は驚きもせずに、ただじっと見つめて話した。 「スキという気持ちから、足を広げさせるという行動までが繋がりません。なぜ、好きだと足を広げさせるのですか?」 真面目かよ… この場合…破廉恥な事を言って黙らせるしかない… 「足を広げさせて、お股を見るんです。好きな人のお股のおちんちんを見て、興奮するんです。」 最低だよね。 俺もまさかこんなことを塾で言うとは思わなかった。 しかも、中学生の男の子に。 でも、自分を守るための嘘を貫くために、俺は更に嘘を重ねていく。 「君のおちんちんを触りたいんだ。」 キョトン顔でフリーズした後藤君は俺の怒涛の猥談によって、クラッシュした。 可哀想に…もう塾辞めちゃうかもしれない… 「…ありがとうございました。」 全然授業をしてないのに、お礼を言って帰っていく後藤君。 可哀想な事をした… つい、吐いてしまった嘘。 まさか、男に告白されると思わなかったよな… 可哀想、でも、俺はなりふり構わないんだ。 スケジュールを確認する。 後藤君、今度は来週の月曜日に来る予定だ。 それまでにやめてしまうだろうな…きっと。 セクハラ先生の居る塾なんて、やめてしまうんだろうな… と、思ったら来た。 しかも、今日は女の子みたいな姿でやって来た。 肩が見えそうなくらいの首の開いた黒いトレーナーに、細身の黒いズボン。 抱ける…直感的に思った。 しかし、彼は男の子だ。 脳内で性別を転換し、目の保養にしよう。 「ご、ご、後藤君。こんにちは。今日はどうしたの?」 「え…先生がこういうの…好きだと思って…」 は? マジか? 後藤君をキョトン顔にする筈が、俺がキョトン顔になった。 長いロードの末に出た答えがこれだ。 「すごく、可愛いよ…」 嘘を付いた。 それを誤魔化す為にもっと嘘を付いた。 結果がこれだ… 「せんせ…もっとキスして?」 ムーディーに間接照明をつけた俺の部屋。 ソファに座る俺に跨って通永みちながが可愛くおねだりをする。 おかしいよな… 俺もそう思ってる。 でも意外とこうなるのって、トントンと行く時は行くんだ… 「可愛いよ…通永…もっとして欲しいの?」 俺はゲイじゃない。 陽子ちゃんのくれた傷を癒すために通永をからかって遊んでいた。 そして、怒った彼に言い訳するために嘘を付いたんだ。 そしたら、彼はそれを本気にして、俺の事を好きになってしまった。 俺は立派なゲイの変態塾講師にジョブチェンジした。 運命のいたずらだ… どこかで早く修正しないと、取り返しのつかない事になります。 顔は可愛いから、女の子だと思ってキスしてる。 しなだれてくる雰囲気も可愛くて、このまま押し倒してしまいたくなるけど、 彼の服を脱がせたら、きっとそこには付いている物があるはずだ。 だから、俺はキスでやめる。 何とか、彼に嫌われて…振られる方向に持っていかないと… ゲイでロリコン変態塾講師から、また普通の塾講師に戻りたい… 彼を傷つけずに…別れないと… 「通永、知ってる?海上保安庁は昔、海賊だったんだよ?」 俺はしなだれかかる彼を見下ろして嘘を付いた。 彼はキョトン顔をして、笑う。 「そんな訳ない、もっとましな冗談を言ってよ…」 ほう… 「東京タワーの下に死体が沢山埋まっているの、知ってる?」 彼は可愛く笑って俺を睨むと言った。 「レベルが低い…東京タワーの下にはB1、B2とありますけど、そこには死体はないですよ。そして、坂を上る形になった場所に立つ東京タワーは、坂の下から入るとそこを1階扱いにしていて、本当はB2の建物構造なのに、エレベーターではB1までしかない表記になっています。」 他には何かありますか? そう俺に聞いて微笑むと可愛くキスしてくる。 まずいな…彼にはこの手の嘘はうんちくを言うネタになるだけみたいだ… 「今度、海に連れて行ってあげようか?」 「え…ボク、海は嫌いです。あの大量の海水。どうしてあるのか、説明できますか?」 可愛い顔して…お前は…本当に 厄介だ… 「アメリカ大陸に侵略してきたイギリス人が、今のアメリカ人だ…」 「ポルトガル人も居ました。アメリカ大陸は広いですから。」 「地球の内側には地底人が住んでいて、地殻とマントルで埋められているという説は嘘で、本当は空洞になっていて中にコアみたいな太陽があるんだよ?」 「もし地球の内部に空洞があったとしたら、潰れて無くなっている事でしょう。地球に重力が発生する原理をご存じですか?重力がなかったら、水も下に落ちない事をご存じですか?海面ももっと高くまで上がるでしょうし、月は引力圏内なので地球に落ちてくるでしょう。もし、その仮説を可能とする方法があるとするならば、それはSF小説の重力発生装置を作るしかありません。でも、そうなると層になる部分は崩れますよね…不可能です。まるで、地球が平面だと言うくらい。ファンタジーですね。」 長い!長いの!通永ちゃん、長いよ! 「うん…そうだよね」 俺はしょんぼりして彼の顔を見る。 「どうしてそんなつまらない話をするのか、説明して下さい。」 追い詰められた俺は、中学生の、思春期の、傷つきやすい子供に言う事じゃない事を話した。 「通永の事、好きだけど、受験も控えているのにこういうのは良くないと思うんだ。」 彼は一瞬驚いた顔をしたが、長いまつ毛をしならせて伏し目がちになると視線を外して寂しそうに言った。 「…そうですね」 「塾だけで、会う様にしよう…通永が無事合格したら、先生と付き合って?」 俺の言葉を聞いて、キョトン顔をする。 そこは喜ぶと思ったのに、どうして処理落ちしてるんだよ… 長い沈黙の後で彼から出たひと言は、俺の心を蹴飛ばすように揺らした。 「…本当にそう思っていますか?」 疑われている…体が固まる。 「ど、どういうこと?」 俺は彼をとっさに抱きしめて取り繕う。 「先生、知っていますか…」 彼はそう言って俺を見上げて話し始める。 「昔、同性の生徒に手を出した塾講師が居ました。きっかけは些細な事でした。塾講師はもともと彼の事が好きではありませんでした。しかし、何かの理由でそういう嘘を付きました。嘘を取り繕うために嘘を重ねた塾講師は彼に言いました。受験が終わったら、付き合おう。それを真に受けた生徒は頑張って受験を終えて、彼の元に行きました。彼はそれは嘘だった、ごめんと謝りましたが、生徒の心はボロボロになってしまいました。そして、嘘つきの塾講師を何度も包丁で刺して、殺したのです。」 なに、それ、怖いね。 「何の話だい?」 俺は冷や汗をかいているのを察せられない様に装って、彼に微笑んだ。 彼は俺の顔を見て、にやりと笑うと言った。 「よくある話です。」 そして俺の体に手を添えて、シャツのボタンをおもむろに外し始めた…。 「通永ちゃん、いけないよ。君はまだ中学生じゃないか!」 通永の顔を覗きながら必死に止めるけど、まるで俺の反応を楽しむみたいに微笑んでボタンを外していく。 中学生にしては…慣れてんな、おい! 俺は貞操を守ろうと、彼の腰を掴んで自分の上から退かそうとした。 「せんせい!これ…これ見て?」 突然通永にそう言われて退かそうとする力を抜いて、彼の差し出した物を見る。 「じゃ~ん!」 通永は悪戯っぽくそう言うと、俺の手首に手錠をかけた。 あっという間に手を後ろに回して、もう片方の手首に手錠をかけた。 「何?」 キョトンと処理落ちする俺を見てみっちーが笑う。いや、嗤う。 そして、ゆっくり立ち上がると言った。 「お兄さん、覚悟してね。僕はプロだから、めちゃめちゃにしてあげるよ?」 何これ…みっちーどうして、俺の可愛いみっちー… 彼は一旦俺から離れると視界から消えていった。 俺は手錠の感覚を確かめる。 なんだ、どうせおもちゃかなんかだろう… しかし、最近の中学生はハードなプレイをするんだ。 初めは余裕を保っていたが、いくらもがいても抜けそうにない手錠に焦ってくる。 この手錠…重さも、重厚さも、本物っぽい… 慌てて立ち上がると、視界に再び現れた通永は黒いエッチなボンテージ姿をしていた。 俺の胸板に足を置いてそのままグッと下に押し込んで来る。 俺は膝立ちする姿勢になって彼を見上げる。 「通永、やめなさい…」 「ふふ、やだね…かわいこちゃん」 マジか…マジなのか… 夢なら覚めて…俺、もう嘘つかないから… 彼はそのまま俺の頬を平手でぶった。 「みっ!通永!怒るよ!」 そんな俺の声もむなしく、彼の表情はどんどん興奮して行った。 俺の正面に座って、脱ぎかけのシャツに手をかけると、俺の目を見ながら一つ一つ外していく。 その目つきがひどくいやらしくて俺は視線をそらした。 彼は満足そうに嗤って、俺のシャツを脱がせた。 「あぁ…良い体してんじゃん…たまんないよ。お兄さん…」 そう言って俺の乳首を指でぐりぐりと押した。 「あっ!通永!やめなさい!!」 年上の威厳だ!怒鳴ったぞ! 「ふふ、自分の状況が分かってないみたいだね。可愛い…」 そう言って俺の頭に足を置いて、思いきり後ろに蹴飛ばした。 そのまま仰向けに倒れる俺に跨って見下ろして嗤う。 「気持ちよくしてあげるよ…」 俺のズボンの上から、彼の足が俺の股間をグリグリと踏みつける。 「あっ!ちょっ!待って!待って!!潰れちゃうから!」 俺の悲鳴を聞いて笑う声が聞こえる。 「潰れないよ、絶対潰れない。こんなにおっきくして、本当は気持ちいいんだろ?」 通永…お前ってば、ドSなのか… ほらぁ!と言って下から俺の股間を撫でる様に踏み続ける。 気持ちよくなってくるのは、ドМな訳じゃない。 生理現象だ! 「アハハ、可愛いね。そして大きいんだね。美味しそう…」 みっちー、もうやめるんだ…これ以上汚れてはならない… 彼は俺のズボンのチャックを下ろしてズボンを足首まで脱がせた。 「あぁ…!もうやめてってば!通永…!もう!」 すかさずしゃがみ込むとみっちーが俺のモノをパンツの上から撫でる。 「大きいおちんちん。気持ちよさそう…」 そんないやらしい事するな…! そのままパンツの上から俺のモノを唇で咥えて刺激する。 腰がびくついて、快感が廻る。 「あぁ!やめなさい!こら!いけない!こんなことするんじゃない!」 あっという間に先っぽから液が垂れて来てパンツを汚す。 「アハハ、ほらぁ、気持ちいいって言ってるよ?どうして?どうして本当の事言わないの?嘘つき君だからなの?可愛いね。大好きだよ、せんせ、堪んない。」 彼が俺のパンツを下げると、すっかりガン立ちしたモノが立ち上がる。 それを彼が指で弾いて遊ぶ。 「んふふ、すごい硬いね。エッチなの。」 俺の腰に手を置いて顔を覗くように体を伸ばしてくる彼。 恍惚とした表情を浮かべて笑う彼と目が合う。 興奮したのか、また自分のモノがビクンと反応してしまう。 「せんせ?見てて?」 彼がそう言って、俺の股間に可愛い顔を埋めていく。 さっきまで控えめなキスをしていたはずの、彼の可愛い唇が俺のモノを咥えていやらしく扱き始めた。 「あーー!みっち~!!ダメだよっ!ダメっ!いけない!それはダメ!」 どんどん気持ちよくなって顎が上がる。 クチュクチュといやらしい音を立てて、俺のギンギンに勃ったモノを美味しそうに扱き続ける。 「はぁはぁ…あっ…あぁ…!通永…だめ、ほんと…はぁはぁ…あぁ…」 イキそうだ… 中学生に抜かれる。しかも可愛い理系の男の子に… 彼は俺の顔をまた覗くと、クスクス笑って言う。 「先生、すんごい可愛い声出すじゃん…聞いてたら勃っちゃったよ…」 なんてことだ… 「あぁ…!!通永っ!!あっああ!!」 俺は彼の口の中で盛大にそしてあっという間にイッた… 「ん~、量多いから要らない…」 彼はそう言って俺の顔に近づくと、俺の髪を鷲掴みして頭を持ち上げた。 そのまま顎が開いた俺の口に精液を垂らして流し込んだ。 「グフッ!」 俺が咽る様に吐き出すと、顎を持ち上げて口を閉じさせる。 「せんせ…ごっくんして?」 なぜ、なぜに…リサイクルをご希望ですか… 首を横に振って抵抗すると、彼は俺の鼻を摘まんできた。 苦しくなって、どうしようもなくて、俺は自分の精液を飲み込んだ。 「お利口さん。今度は自分から欲しがれよ…」 リサイクルした…命がかかっていたんだ…忘れよう… 「通永!お前っ!怒ったぞ!」 俺が荒ぶっても、彼はクスクス笑って俺を見る。 「ねぇ、ボク、勃っちゃったよ…こっちに挿れても良い…?」 「ノー」 俺は即答して逃げる。 後ろ手に拘束された手を掴まれてソファにうつ伏せに押し付けられる。 「通永!お前!それ以上やったら、ぶん殴ってやるからな!」 こんな中学生に…俺の初アナルを開発されるなんて…絶対にいやだ! ギャーギャー騒いでも、俺は実質何もできない。 後ろ手に手錠を掛けられている限り、俺は抵抗できない… 尻を突き出すようにソファに押し付けられて、小さな体の彼が俺の背中に体を添わせる。 顔を覗き込んで可愛い顔でエグい事を聞いて来る。 「怖い?ねぇ…怖いの?せんせい、お尻やられるの…怖いの?」 「うん…やだ…」 「絶対?」 「うん…絶対…」 俺のその言葉を聞いて、通永は黙って顔をひっこめた。 やめてくれるのかな… そう思った瞬間、俺のモノを手で扱き始める。 気持ちよくてソファに顔を埋めて、快感に耐える。 足が震えるくらい気持ちよく扱くその手は、彼が言った通りプロ級だった。 「あぁ…!通永、だめだ…またイッちゃう…そんなんしたら、またイッちゃう…」 あまりに上手で、俺は少しこの状況を楽しみ始めていた。 もう少しで訪れるあの恐怖までは… すっかり気持ちよくなって腰が動いてしまう俺の尻に、小さな手がぬっと伸びてくる。 「ノーーーーー!!」 俺の反応に大笑いしながら、通永が俺のお尻の中に指を入れてきた。 「あっ!信じらんない!お前!ほんとに!抜いて!抜いて!」 嫌がって暴れる俺を抑え込んで尻を弄る。 「ねぇ、覚えてよ。こうやるんだよ?あとで、先生が俺にするの、覚えて?」 そう言って俺の中を指で押し広げていく。 「やだ…指抜いてくれ…抜いてくれ…通永には入れるから…俺には入れないでくれ…」 頭の後ろで大笑いする声が聞こえる。 俺の懇願も叶わず、彼は指の数を増やした。 「あぁ…最悪だ…こんな少年に…犯されるなんて…なんて事だろう…」 俺が小さくブツブツ言っていると、通永が顔を寄せて言う。 「最高に官能的だろ?ボクに犯されるなんて…興奮するだろ?」 そう言って、俺の中から指を抜くとゆっくりと自分のモノを押し当ててくる。 もう、ダメだ… グッと腰を押し付けると彼の可愛いモノがすんなりと俺の中に入ってしまう。 「ああっ!きもちい…すごくキツイよ?ねぇ…んん…あぁ、きもちいよ…」 可愛い喘ぎ声を出しながら、俺にファックするって… 最高に興奮する。 ヤバイ。まずいだろ。それはまずい… 細い手に腰を掴まれて、可愛い彼のおちんちんが俺の中でビクビクと感じている。 そう思っただけで極まりそうになって、ただソファのしわを見て揺すられる。 その内、彼の手が俺の股間に伸びてきて、俺のモノを扱きだした。 「あぁ…!もう!…通永…はぁはぁ、だめだ、そんな事したら…また…また…」 「イッちゃうの?」 後ろから言われて頷いて応える。 段々と気持ちよくなってくるのは何なの? まるでちびっこ王様のように、可愛い顔はそのままなのに、俺に腰を打ち付けてくるんだ…信じられないよ… 「あぁ…通永、だめだ…イキそう!」 「我慢しないとお仕置きするぞ…俺がイクまで我慢しろよ…」 こんなこと言われて…中学生にこんなこと言われて… なんで、俺はこんなにも悦んでしまっているの…? 開発された…М男開発された… 腰がビクビクして、俺のモノから液が溢れても、通永の為に我慢して快感を耐える。 背中を撫でられて、今にもイキそうに腰が跳ねても、彼がイクまで我慢する。 めっちゃ健気… 「お利口なもっくん…偉いね…ボクも、もうイキそうだよ…はぁはぁ…もうちょっと我慢しろよ…」 あぁ…みっち~俺は我慢するよ…お前の為に我慢する。 「あぁあっ!もっくん!!気持ちいい!!あっああん!」 通永の可愛いおちんちんが、俺の中でビクビクと温かいものを吐き出した… クタッと俺の背中に体を預けてはぁはぁと息を整えてる。 顔が見たいよ…通永。 お前のイッた後の顔がすごく見たいよ… しばらくそうしていると彼は俺の中でまた腰を動かして、俺の中の彼の精液を掻きだした。 「めっちゃ気持ちいい…あぁ、グチュグチュ言ってるよ?もっくんのお尻はエッチだね?」 「お前のが…音を出してるだけだろ!」 そう言って俺はビッチじゃない宣言をした。 彼はまた大笑いすると、俺の中から自分のモノを抜いて歩いてきた。 そして俺の突っ伏すソファの上に乗ると、 俺の頭の上で仁王立ちして俺を見下ろした。 頬を赤らめて紅潮した顔は、とてもエロくて…興奮した。 そのまま膝を曲げてしゃがみ込むと 俺の顔の前に彼の股間が来て、半勃ちしたモノを手で扱き始めた。 「はぁはぁ…もっくん…もっくん、お口でしてよ…俺のお口で気持ちよくして?」 堪んないな! 俺は彼の可愛いモノを口の中に咥えて、舌を絡めて扱いた。 途端に彼の体が仰け反ってビクビク震える。 首を伸ばして天を見上げながら震える唇が見えて…興奮する。 「あぁあ…もっくん…すごい、気持ちい…あっあぁああん、もっくん…!」 通永が俺の口にファックするみたいに腰を突き上げてくる。 なんだこれは…めちゃめちゃ、可愛いじゃないか! 俺はお口で頑張って奉仕した。 「あぁああ!もっくん、イッちゃう!」 可愛く喘いで腰をビクビクと振るわせて俺の王様がイッた。 口の中に吐き出された彼のモノを飲み込むと、俺は彼に覆いかぶさって腰を振った。 「あはは、もっくんは悪い犬だ。」 そう言って俺の髪の毛を鷲掴みすると、ソファに座らせる。 勃起した俺の膝の上に小さな通永が跨いで座り、俺を見下ろしていやらしく笑う。 「挿れたくなっちゃったの?ねぇ、もっくん。ボクに挿れたくなっちゃったの?」 「挿れたい…通永に挿れたい…!」 犬と化した俺は彼の穴に少しでも当たる様に腰を突き上げて催促する。 「あはは…本当に悪い犬だ。」 そう言うと通永は俺の体に体を添わせて、自分のお尻の方に腕を回した。 「もっくん…自分で広げるから…ああっ…お預けしてて…はぁはぁ…ああん…」 彼は自分で穴に指を入れてる様子で、腰を震わせて喘ぐ姿を間近で見て、さらに興奮する。 「通永、早く挿れたいよ…お前の中に挿れたい…!」 俺の口にキスして、舌を入れてくる。 それはあの幼気な少年のキスではなくて、大人のねっとりとした、エッチな方のキスだった。 頭がジンジン痺れて、気持ちよくなってくる。 すると、俺のモノを後ろ手で扱きだして、俺の腰が反応する。 「もっくん、ボクの気持ちいいよ…すぐイッたら、もう二度としてあげないからね…」 彼はそう言って笑うと、俺のモノを自分の中に挿入した。 「ああ…通永、すごい…気持ちいい…!!」 俺はイキそうになるのを耐える様に体を屈めて歯を食いしばる。 彼はそんな事、お構いなしに俺のモノを根元まで咥え込むと、ゆっくりと腰を動かし始めた。 「あっ!もっくん…おっきいいよ…すごく熱くて…気持ちいい…!!」 可愛い声を出して、喘ぐ通永の顔を見る。 ヤバイ…あまり見るとイキそうになるくらい、可愛くて興奮するんだ。 俺の胸板に両手を置いて、彼が体ごと動かして俺のモノを扱く。 可愛い首に汗がにじんで伝って落ちる。 いちいち可愛くて腰が震える。 ハマった。 俺はこのちびっこ王様にハマった。 両手を後ろで縛られているのに…無理やり犯されたのに… 好きになってしまったのは、俺がドМの資質があったからなの? それとも、お前は俺からドМの資質を感じて、あんな風に可愛く誘って… 開発するつもりだったの? 彼は俺を見つめてキスしながら後ろ手になった手錠を外した。 「通永…」 俺は解放された手で彼の腰を掴むと、押し倒して腰を振った。 彼の中を堪能する様にねっとりと腰を動かす。 彼は体を仰け反らせてビクビクと感じた。 そのまま彼の勃起したモノを手で扱く。 短く悲鳴を上げて彼が俺を見る。 その目が潤んで、紅潮した唇がいやらしくよだれを垂らしていた。 「通永、もっと気持ちよくしてあげるね…」 俺はそう言って彼を思う存分堪能した。 男の子とエッチするのって…こんなに気持ちのいいものだと思わなかった… 「え?陽子ちゃんの知り合いなの?」 事の事後、通永がネタばらしする。 「もっくんに腹を立てた陽子ちゃんがボクに頼んだんだ。掘ってやれって。ふふ。お金ももらったし、面白そうだから話に乗ったの。ちなみに、ボクは中学生じゃないよ?ふふ。そんな若いわけないじゃん。」 クスクス笑う彼の足元に膝まづいて聞く。 「君の名は?」 「ハハハ!やばっ…僕の名前は通永だよ?」 本名なんだ…可愛い でもね、と言ってみっち~が話を続ける。 「ボクは君よりもお兄さんだよ…」 「嘘だ」 「ふふ、お前みたいに嘘つきじゃないから、本当だ。」 俺の顔に足を付けてグリグリと踏みつけてくる… それが気持ちよくて…また勃起する。 「もうもっくんは僕の犬だね?」 そうだ…俺は強制開発された通永のワンコになった。 塾の講師からゲイのロリコン変態講師になって、通永のワンコになった… これで嘘を付く必要も無くなっただろう。

ともだちにシェアしよう!