92 / 184

第92話

動画を見た後俺は勿論颯太に質問攻め あんな映像を見ただけじゃ色々納得できない 『あれはフィクションだ!』 「フィクションじゃないって!現実から目を背けるな」 『現実……』 途中までは普通のAVと何ら変わりはなかった だけど下半身を触り出してからおかしくなった あれを見てから俺の妄想が暴走している 『えっと、因みに颯太はどっちだったの?』 「それは聞くんじゃない!」 『えー』 「まぁ憂は間違いなく受けだな」 『受け?何それ』 「んー、簡単に言うと女側かな」 『女側……女!?』 「朔夜先輩は見るからに攻めだろ」 『攻め?』 「攻めは普通に男側」 『へぇ〜』 ってマジか 確かに俺が先輩にごにょごにょするのは絶対に無理だ でもそうなら俺は先輩にごにょごにょされる側なのか 先輩のあれが俺のあそこに…… 『ぶはっ!!無理!!絶対痛いじゃんか!!』 「うんうん」 『うんうんって……さては受けだな?』 「さ、さぁ」 『教えろ!』 「ヤダね!」 『むぅ……』 「まぁ流れに身を任せればいいよ。先輩なら優しくしてくれるって。普通のカップルみたいにすればいいんだよ」 『俺、付き合うのも先輩が初めてで普通のカップルが何だかわからんのだけども』 「それは知らん!」 先輩はそういう経験あるのかな? 男同士で……あ、なんかモヤモヤする そうだよな、あんなモテまくりの超格好いい人が未経験な訳がないだろ 女とも経験あるだろうし絶対に…… ダメだダメだ!凹むだけなんだから考えるな! 『はぁ……』 先輩と付き合えてる事自体奇跡なのに ってか先輩はこんなポンコツの何がよくて好きだなんて言ってるんだろうか 何か色々不安になってきちゃったな…… 放課後、教室に尾澤会長が俺を訪ねて来た 「憂くん、少しお時間大丈夫ですか?」 『え?あ、はい』 これから先輩んち行こうと思ってたけど仕方ないな 会長に連れられ中庭へ……てっきり生徒会室に行くのかと思った 「怪我の具合は大丈夫ですか?」 『大丈夫です』 「それは良かった。朔夜の様子はどうですか?」 『先輩は元気ですよ!これから先輩んち……あっ』 「……」 『何でもないです!先輩謹慎中ですもんね!』 「私は教師ではありませんから大丈夫ですよ。ただ、謹慎中に軽率な行動は慎むようにと、憂君からも朔夜にお願いしますね」 軽率な行動……例えば何だろう 『はい、俺からも伝えておきます』 「林崎君の事は聞きましたか?」 『はい。今日担任から話がありました』 「そうですか。体育館倉庫の件も無事……ではありませんでしたが解決して良かったです」 『はい』 「憂君は何一つ悪くないですからね」 『……はい』 「私で良ければまた何かありましたらいつでも相談して下さいね」 『ありがとうございます』 「では……先生方に見つからないように気を付けて」 『はい!』 尾澤会長はにっこり笑って中庭を出て行った 尾澤会長にも沢山迷惑かけちゃったな…… いい人過ぎて本当に感謝しかないよ 早く先輩んち行かなきゃ .

ともだちにシェアしよう!