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第113話

『なぁなぁ颯太、なんか転入生が何とかって聞こえたんだけど……』 盗み聞きした訳じゃないけど授業中クラスの奴が言ってた話を俺は休み時間になってから颯太に聞いてみた 「ああ、退学者が1人出て空きが出来たから近々このクラスに転入生が入ってくるんだって。噂では年上らしいけど」 『1年なのに年上?何で?』 「他校でずっと暴力沙汰で留年してた奴らしくてさ。手に負えなくなったかで遂にこの学校に行き着いたらしい」 『暴力沙汰……ってかそんな詳しい情報お前は一体どこから手に入れてるんだ?』 「俺の情報通なめんなよ」 『情報通?よくわかんないけど……暴力沙汰か、何か恐いなぁ』 最近色々あったし余計に…… ってか尾澤会長が1番大変な思いをする予感がする 「んーまぁ憂は特にそう思うだろうな。ま、大丈夫だろ!お前は目立つキャラでもないし」 『目立つキャラ……』 「あ!でもある意味超目立ってるかも。朔夜先輩と……だし」 『嘘っ』 「いや、マジで。朔夜先輩と一緒にいるあのチビは一体何者なんだ!って……ぷくくく、チビ……」 『笑い事じゃないって!』 「朔夜先輩と付き合ってるって知れ渡るのも時間の問題だな」 『や、そんな話颯太以外誰にもしないし!朔夜だって誰にも……』 いや、めちゃくちゃ言い回りそうだ 「朔夜?もう呼び捨てにしてんのか!?」 『あ、いやっその……だって朔夜が名前で呼んでって』 調教されたのを思い出しカーッと赤面してしまった 「何か知らんが腹立つな。このリア充め」 『あはは……』 そして遂に待ちに待った昼休み だけど、朔夜は来れなくなったみたいだ 朝職員室に行かなかったから昼休みに呼び出されたらしい…… それならそれで言っといてくれたら良かったのに いや、多分忘れてたに違いない そして俺の予定が空いたのをいい事に今度は俺が颯太に質問攻めされたんだ 「……で、初体験の感想は?」 『黙秘する』 「お前はあれだけ色々俺に聞いて来たのに?ぁあ〜?」 『…………』 「痛かっただろ?痛かっただろぉ〜??」 絡み方がウザイ 『そりゃあ……まぁ』 「ほら!やっぱりお前は受けだった!」 『あっ!!引っ掛けやがったな!』 「俺は普通に質問しただけだし!そうかそうか、抱いてもらったんだな」 『何か言い方オヤジ臭いし』 「オヤジ臭くて結構!……で、感想は?」 『ノーコメントで!ってか感想なんかないし!』 「俺が教えてやったサイトが役に立っただろう?」 『先輩はあんな……っ』 危ない、余計な事を言いかけた 「くそっ惜しかった」 『お願いだからもう何も聞かないで……』 俺が両手で顔を覆い隠すと颯太はそれを阻止しようと俺の両腕を掴んだ 「お前本当すぐ顔に出るから。どうせ真っ赤になってんだろ?見せてみろよ」 『む、無理』 「恥ずかしがりな所は昔から変わらんな」 『うるさいな』 「あ!朔夜先輩!」 『えっ!?』 そう言われて顔をパッと上げた 「うっそーん」 『お前本当ウザイ』 「ほらやっぱり真っ赤」 『むむむむ……』 「可愛い可愛い」 颯太に頭を思い切りわしゃわしゃされた そのおかげで髪がかなり乱れてしまったじゃないか 『この野郎……』 髪を整えながらどう反撃しようか考えていると、教室内がザワついた 「あ!朔夜先輩!」 『またそれ?』 「違うってマジだって」 『同じ手にはもう引っ掛からん!先輩は今呼び出され中だし!お前も俺と同じで乱れればいい』 そう言ってジリジリと颯太に近づこうとしたら…… 「……じゃあ今夜乱れさせてあげようか?」 と、後ろからそっと耳元で囁かれた 『!!!!?』 驚いて振り向くと、朔夜が俺の直ぐ後ろにいてニヤニヤしていた .

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