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第117話
『…………』
「おら、チンタラ歩いてんじゃねー」
またまた色んな生徒の視線がバチバチと感じる
的にされて可哀想に……と哀れむ視線も多く感じた
俺、ただ教室に案内してるだけなのに
『えっと、ここです。到着しました。ほら、誰か落書きしてるこの非常ベルを目印にしたらわかりやすいと思いますよ』
「サンキュー!……で、お前は入らねーの?」
『俺は行く所があって……』
「ふーん、まぁいいや」
『じゃあこれで』
くるりと回れ右をしてダッシュしようとした時、後ろから頭をガシッと鷲掴みされた
『な、何!!?』
「お前いい奴だな、気に入った!」
気、気に……ええっ
『あの、本当に急いでて!ごめんなさい』
「早く戻って来いよ!帰って来たらちょっくら話そうぜ」
『え、ええっ!?』
「いいだろ!?」
その時、教室から出て来て誰かがバシッと勝哉さんの腕を掴んだ
「離せよ」
「あ?」
『さ、朔夜っ』
教室から出てきたのは朔夜だった
俺がなかなか中庭に来ないから案の定教室に来てたのか
そして颯太が真っ青な顔をして教室の中からこちらを覗いていた
「何だてめぇ」
「憂、こっちにおいで」
今度は朔夜に手を引かれた
ジリジリと睨み合う2人に俺は冷や汗をかいた
なんかヤバイ予感が……
「てめぇ、1年じゃねーな」
「だったら何?」
「年下と喧嘩するようなだせー事はしねぇ主義なもんでよぉ。売られたもんは別だがな」
「喧嘩?バカじゃないの」
「ああ?おい、お前が言ってた用事ってこいつか?」
『は、はい、まぁ……』
「……行くよ」
『えっ?……うん』
朔夜に手を引かれたまま中庭へ……
と思ったら図書室に連れて行かれた
「さっきの奴誰?」
『この間颯太が話してた転入生だよ。今日うちのクラスに入って来たんだ』
「そいつが何で憂に絡んでるの?」
『それは、えっと……』
朔夜、何か怒ってる?
何故そうなってたのかの経緯を言おうとしたら朔夜が顔を近付けて来た
「……煙草の匂いがする」
『えっ?』
「どうして?」
『それは……さっき俺が売店で……』
ついさっき起こった出来事を俺は初めから朔夜に説明した
だけど、朔夜の機嫌は悪いままだったんだ
「そう、体育館の裏でねぇ……」
『俺だって急いで中庭に行こうとしてたんだよ。でも……ごめん』
「憂は何も悪くないよ。……ごめん、ちょっとした嫉妬だから」
『嫉妬?』
「だって憂の体から憂じゃない匂いがするから」
『……』
犬か
その時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた
結局あまり朔夜と居れなかったな
『朔夜、戻らないと』
「ん、もういいや。このまま一緒にいようよ、それにあいつがいる教室に憂を帰したくない」
『いや、俺は戻らないとヤバイ』
「どうして?」
『次英語の小テストだから。受けないと補習になっちゃう』
「英語なら俺が教えてあげる」
『そういう問題じゃない!』
グイッと朔夜を押し返し図書室から出ようとした
「待って」
『……!』
「頑張ってねのキス」
『図書室だったら何をしてもいいと思ってるでしょ?』
「そんな事ないよ」
この間図書室でサボった時危うく最後までヤリかけたから……
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