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第122話
そして何故か尾澤会長の後ろにいる朔夜……
「来ちゃった」
『売店行ってから中庭に行こうと思ってたのに』
「売店?一緒に行こうか?」
「あ!この間の銀髪野郎!」
そしていつの間にか俺の後ろにいる勝哉さん
『びっくりした!いつの間に……』
「あー?」
「憂から離れろ!」
「憂?ああ、チビ助か」
「チビ助?確かに憂は小さいけどお前にそう呼ばれる筋合いはない」
『ちょっ朔夜!』
「へぇ……」
勝哉さんは俺と朔夜を交互に見て何かを察したのかニヤリと笑った
「はーん、分かったぞ。お前らあれだな」
『あれ?……!!』
その時、後ろからいきなり勝哉さんにぎゅーっと抱き締められた
「!!!」
『ちょっ!!何するんですか!』
「別にいいだろ?減るもんじゃねーし」
「お前っ!!」
「やめなさい!!!」
殴り掛かろうとした朔夜を尾澤会長が咄嗟に止めた
「貴方もいい加減にしなさい!暴力沙汰の次はセクハラ行為ですか!?」
「セクハラだと?人聞きの悪い事言っちゃって」
「話があるので今すぐに来てもらいます!」
「あーはいはいお説教ね。真面目なこった」
「尾澤!こいつを殴らせろ!」
「いけません!!」
『朔夜!落ち着いて!』
教室の中は修羅場化としていた
注目の的になり過ぎて本っ当に気まずいったらありゃしない
「憂君、朔夜を頼みました。貴方はこっちに来なさい」
「いてててっ引っ張り過ぎだっての」
「待て!!」
『朔夜!』
尾澤会長は勝哉さんを連れて生徒会室へ……
俺は朔夜の腕を引っ張って教室から抜け出した
人目もあり俺はそのまま図書室へ朔夜を連行した
「何なんだあいつは!!?」
そして朔夜はブチ切れていた
『や、俺もびっくりしたけど!取り敢えず落ち着いてっ』
「大丈夫!?他には何もされてないか!?」
『ちょっ!』
俺の全身をベタベタと触り何かを確認する朔夜
「はぁ……」
『あの……大丈夫?』
「ん、無理。めっちゃムカつく」
俺をぎゅーっと抱きしめ、肩に顔を埋めた
『朔夜……』
ぎゅっと抱き返し朔夜を宥めようとした
その時、目の前の本棚に[止まらない嫉妬]と言うタイトルの本があるのを見つけた
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