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第126話

『颯太ーっこれ何回やっても取れねーよ』 「これに引っ掛ければ落ちるんじゃね?もっかいやってみろよ」 『うーん』 1つの景品に大苦戦 久しぶりだからUFOキャッチャーの感覚が全くわからん さっき颯太は一発で何かのフィギュアを取る事が出来たのに俺は何故こんなに苦戦してんだか たまたま見つけた俺大好きあっちの森クッション 間抜けな顔したキャラクターがまた愛らしい 『この辺かな?……よし、来い!』 「いい感じ!」 そしてアームが開いて…… 『やった!取れた!』 落ちた景品を取り出して上機嫌 「おー!やったな!頑張った甲斐があるじゃん」 『超嬉しい!早速今日から使うよ』 「お前本当あっちの森好きだよな」 「取れたの?良かったねーっ」 『おう!』 …………ん? 颯太じゃない声がして後ろを振り向いてみるとすぐ側に何故か朔夜が…… 『え?』 「ん?何?」 「朔夜先輩!」 『あれ?何でいるの?』 行き先はわからなかったから言っていない筈だが…… 「んー?……勘?」 絶対嘘だ 「ああ、学校で靴履き替える前にトイレ行った時に丁度先輩と出会して行き先聞かれてさ。あれ?言わなかったっけ? そうか、電車の時間やばかって急いでたから言い忘れてたわ!」 颯太…… 朔夜を見てみると私服だった 一度家に帰ってから来たのか 「俺も誘って欲しかったなー」 『ん、ごめん』 勝哉さんもいるし何かややこしい事になりそうだったから 「あー?何で銀髪頭がいるんだ?」 勝哉さんが一服から戻ってきた 「あ!お前っよくも憂の体をベタベタと!」 「はぁ?」 何故か朔夜が勝哉さんを見た途端怒り出した 一体何の話をしてるのやら 「何だ?あれか?お前らやっぱりデキてんの?」 『デキ?ええっ!?』 「実はそうなんですよ」 『颯太!』 「別に聞いた所で何にも思わねーよ!俺がそんなくだらねー偏見すると思うか? ……そうかそうか、やっぱりデキてんのか」 「だったら何?」 「いや別に。おもしれーなって思っただけだ」 『面白いって何ですか!』 「あー?」 「触るな!」 公の場でまたわーわーギャーギャーと…… 「俺そろそろ帰るけどお前らは?」 勝哉さんにそう言われて携帯を見てみると結構いい時間になっていた そして画面に映っている不在通知に気付いた……朔夜だ 『え?もう?……本当だ。もうこんな時間なんだ』 「俺は本屋寄ってから帰ろっかな」 「チビ助は銀髪頭とだろ?んじゃーなー」 「チビ助じゃない!!」 「お疲れっす!」 『ありがとうございました!また明日っ』 「へいへい」 勝哉さんは手をひらひらと気怠そうに振り帰って行った 自由な人だ 『颯太は本屋?』 「おー、プジャンの新刊が発売だからよ」 『あれっ今日だっけ?』 「そーそー」 『じゃあ俺も行こっかな』 「本屋行くの?乗せてこうか?」 「乗せる?」 『車で来たの?』 「うん」 「車って?えっ!?マジですか!」 颯太のテンションが急に上がった 「やべーやべー!!朔夜先輩マジやべー!!」 俺は助手席、颯太は後部座席に座った 「先輩マジやばい!格好良過ぎでしょ!!何?本当に高校生なんすか!?」 「んー?」 車の中で大はしゃぎな颯太   「まさか先輩の車に乗せてもらえるなんて……!!ヤバっ!ワッフーッ!」 『あはは……うるさい』 「完璧過ぎる、マジ爆イケ彼氏じゃんか。あー本当憂が羨ましい……」 「近くの本屋でいいの?」 「何処でも大丈夫っす!」 「じゃあ行こうか」 「宜しくお願いします!」 .

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