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⑧
(やっちゃった…)
男に
しかも年上の上司に
理性無くすぐらいこんな事出来るぐらい俺って…
チラッと横を見れば、眠っていても分かる精悍な顔の課長
す……すっげぇ可愛い!
可愛い過ぎる
いつも鬼みたいに恐くて、近づき難い存在なのに
呑んだらデレ一色になるこの豹変ぶり
人を殺す様な鋭い眼つきが一変して、潤んだ瞳で甘えて俺を見つめてくるのも
気持ち良さそうにしがみついてすり寄ってくる仕草も
筋肉質のガタイのイイ引き締まった体を紅く染めて快感に揺らすのも
全部が全部
「荒木課長、俺……どうしたら……どうしたらいいんですか?
やっぱ俺……すっげぇ好きになってる、課長の事……」
「ん~~」
「っ!!!!」
と、
突然、床で寝ている課長の体が寝返りをうって、心臓がバクバク早鐘の様に打ち付ける
「っ、!?か、課長?」
まさか、起きた!?
課長に恐る恐る近づいた時……
「もっと…佐和」
「え゛ッ!!!」
俺の耳ハッキリとそう聞こえた
今、今…
俺の名前、呼んだ?
(嘘ッ、おねだりッ!?だって名前呼ぶってそう言う事だろ?あ~も~抱きたいっ!)
「か、か、課長!!」
急いで課長に近づく
今だ目を瞑り熱い息をする課長の顔を覗き込んだ
瞬間……
「さ……」
「さ?」
「酒注げっ、注げやぁああ!!」
「痛だぁあああっ!!!」
右頬に衝撃が走った
あ~、この人………
どこまでも、残念な人だ
きっと夢の中でグラスを掲げてるであろう課長は、めちゃくちゃ幸せそうな顔をしていた
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もう止められない部下くんの想いと行動
鬼課長がそれを知るのは…
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