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怖い… 課長は何も言ってこない こんなにも沈黙が怖いと思った事はない 静かな部屋の中で普段気にも止めない冷蔵庫のモーター音が耳に届く 課長の手を握っている手に力が入らなくなって緩めた時 「…ッ、か、課長?」 「、…ッ…くそッ」 今度は反対に力が込められた 「…っ、ちくしょうちくしょうっ、なんでお前は分からねぇんだ…… お、俺はなぁこう見えて、強くねぇんだッ! だから好きだと言われ続けられれば絆されるし、優しくされると縋りつきたくなる…」 課長を見れば繋いだ手を凝視し そこに向かって何かを吐き出すように紡ぎ出す言葉が、痛いぐらいに伝わってくる 「お前の隣にいるのは俺じゃ無い方が良いのは分かっているんだ。 俺はいいが、お前が周りからどうこう言われるのは我慢出来ねぇ。 今はいいかもしれないが、これから先お前にちゃんとした相手が出来たらと思ったら… お前まで離れていかれると… お、俺は…無理だ、もう立ち直れねぇだろうが…ッ…、っ」 「課長…」 「だから…これ以上側にいるのは、…いけねぇと思ったのに…、っ…、…」 声を震わせ泣いている 泣いている姿は初めて見た いつも気丈で 先頭だって行動する勇ましい課長が。 鬼の目にも涙… そんな言葉が浮かぶ 「くそ…情け無ぇ…」 「俺…自惚れてもいいですか?側にいても良いですか?」 俺が一方的に気持ちを押しつけているだけだと思っていた だけど、そうじゃなかった 「課長を、これからも好きでいるのは迷惑ですか?」 「あーーくそったれ…迷惑なんて思ってねぇ」 課長の視線がゆっくりと俺と合う そして小さい小さい声で… 「好きだ…佐和」 ずっと欲しかった言葉 初めて課長の想いが言葉になって耳に届いた瞬間 涙が溢れた 「ッ…う、ぅ」 「ずっと言わなくて悪かった」 「あ…ありがとうございます俺、すっごく嬉しいです…課長ッ…陣さんっ」 俺と同じように涙が零れる課長に 力いっぱい抱きついていた

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