9 / 20
小話『腐男子のサガ』&設定色々
第二話終了後:青也
秀和 と隆則 が食事の前にトイレに行っている間、青也はトイレの外で壁に座り込んで2人を待っていた。手を顔に当てて周りから表情が見えないようにしている。口角が上がったまま下がらない。
いやマジで田神 先輩最高かよ...!昨日挨拶しに行った時もなんか安達 先輩との距離近かったし、なんだよさっきの!重いって言ってたから乗ったんだよな??ドラマならスローモーションになってキラキラエフェクト入るぞ!?くそう、この目で観たかったな......
安達先輩も安達先輩だよぉなんだよいかにも受けみたいな言動しちゃってよぉ!......はぁ、本屋ではまさかぶつかるなんて思ってなくて、モブであるべきなのに関わっていいのか悩んだけど、本をすり替えることでBLを知ってもらって、田神先輩を意識し始めたりしてくれたら......くふふ。我ながらよくあの一瞬で閃いた!
ってか他人にあまり興味ないのに田神先輩と一緒に過ごしてるってことはすでにカップルなのでは!?それか田神先輩の片想いとか?......どっちだとしてもたまらん!
まあ、BLを教えてくれって頼まれたのはマジで焦ったけど、どうにかなるよな?
秀和と隆則がトイレから出てくる。
「わりぃな、待たせちゃって。」
青也はすぐさま立ち上がり、にこやかな笑顔で応える。
「いえ、大丈夫ですよ。さあ、行きましょうか!」
大丈夫心配ない。焦らず悟られず、温厚な少年を演じるだけでいい。
彼は沼行きの列車に、自ら乗ってしまってたのだから。あとはゆっくり沈みゆくだけ。
うん。カッコつけるの向いてないな、ハハ。背中がムズムズしちゃう!
まあ、自分が好きなものを好きになって欲しい、魅力を伝えたいってだけ!あーあ、春人 もBL好きだったらよかったのになぁ。...カケルには結局、BLの魅力を伝えきれなかったのかなぁ。もっと自分からぐいぐいいけば結末は変わったのかも。
いや!過ぎたことはもういいんだ!やっぱり自分から行動しなきゃなんも変わんない!頑張れ俺!腐男子仲間を作るんだ!
...じゃなかった!カップル爆誕させるぞー!おー!!
設定:寮について
・消灯
深夜二時から五時にかけて寮事務によって消灯される。そのせいでデスクトップパソコンでの作業がしにくいと評判が悪い。エアコン用のコンセントのみ常時使えるが、そこの電気代は個人負担。消灯されるのは各部屋のみで、廊下やトイレ、談話室などの場所は電気が使える。
・部屋の壁
元々4人部屋だったものを、寮の増設に伴い中央に薄めの壁を作ることで1人部屋に改築していた。古い分、部屋を可能な限り広くすることで価値を高めたが、そのせいで元々同じ部屋だった隣同士の部屋は声が漏れやすくお互い気を遣わなければならなかった。人によっては吸音材などを用いて遮音性を高めているそうだ。
例えば、春人は動画撮影の声が迷惑をかけると悪いので部屋の至る所に吸音材を設置している。
・共用施設等
キッチン、大浴場、洗濯機、乾燥機、トイレ、食堂、談話室が共用である。
設定:人物について
一年生
・松田青也 (168cm)
春人と親友でお互いの趣味を尊重している。過去にある出来事があり、自分に対する好意を拒絶しがち。いつもBLのことを考えている。腐男子に悪い印象を与えないように自身の身だしなみや話し方に気を遣っている。主導権を握られるのはあまり好きでは無い。
秀和にはBLを布教するために近づいた。(あわよくば秀和と隆則がくっつくと美味しいなと思っている。)だが、秀和とカケルを重ねてしまうことがある。
・赤木春人 (171cm)
着ぐるみパジャマが好きで、自ら作成するまでに至った。ハルとして作成した着ぐるみの動画の投稿をしており、ある程度人気もあるので、少量だがフリマアプリでグッズも販売している。グッズ作成に生活の多くの時間を割いているが本人は楽しんでいる。青也とは高校で知り合った。好きなものを好きと言えない人が嫌い。青也に対しても、BLが好きだと言えていればあのできごとは起きなかっただろうと考えている。
青也が秀和に近づき過ぎていることを懸念している。当初の青也の計画、目的からずれいるのではないかと感じ始めている。
二年生
・安達秀和 (176cm)
あまり他人に興味がわかず、来るもの拒まずさるもの追わずのスタンスで生活している。最初は話しかけてくれる人も多かったが、相手に興味がないのが透けてしまい、いつも去ってしまうので友達は田神だけ。なんだかんだでいつも構ってくれる田神に感謝している。人に期待することを諦めていたはずだったのに、青也には期待してしまっていた。そのことに対して自分でも驚いている。
・田神隆則 (179cm)
実は大学デビューして今のキャラになった。安達に話しかけたのも彼が1人でいることが多かったから。友達との距離感が未だわからず何かと近い。安達の他にも友達はいるが、安達に一番親近感を感じている。ギリギリ180cmないことを気にしている。バドミントンサークルに加入しているが、土曜日にしか活動しに行っていない。大地の前ではいつも通りには喋れず挙動不審になりがち。
優大と何やら連絡を取っているようだが...そのことについて少し後ろめたさを感じているものの、なるべく考えないようにしている。
・原田綾 (160cm)
誰にでも分け隔て無くにこやかで優しい。幅広く友好関係を築いており、広い視野で物事を考えることができる。好奇心旺盛だががっつき過ぎないように気をつけている。運動以外のほとんどの事ができる。本当に腐女子なのかどうかはまだ判明しておらず本人にしかわからないが、青也も秀和も腐女子だと思っている。
誰に対しても同じ対応なので聖人認定されつつある。本人はそれを知らない。
三年生
・角谷智治 (186cm)
ファンクラブがあるほどの人気で、クールかつ温厚。バドミントンサークルの創設メンバーの1人で、バドミントンサークルに加入する人の大半の理由となっている。隠しているが可愛いものが好きで、ハルの大ファン。可愛いものが好きなことはサークルの創設メンバーは知っている。
告白されること自体は嬉しいが、普段の自分は本来の自分ではない。期待には応えてあげられないので丁寧に断っている。
・三ツ橋大地 (174cm)
面倒見が良く誰にでも優しい。運動が得意だが、小さい妹がいるので縛りの少なく好きなタイミングで帰れるバドミントンサークルを設立した。智治とは妹のキーホルダー(ハルのグッズ)を通して仲良くなった。高校はスポーツ推薦で入学、結構有名な選手だった。親の再婚で姓が変わっている。
ゲイであることは誰にも話していなかったが、優大にはバレてしまった。父親の金を使うことに抵抗があり、日曜に日払いのバイトをしている。結構鈍感。
・優大 (180cm)
バドミントンサークルの創設メンバーの1人で、マイペースで気まぐれ。大地とは高校からの仲。面白いかどうかを判断基準にしていて少しSっ気がある。自身のことはあまり語らず、仲のよい大地でさえ秀和の存在を知らなかった。秀和とは腹違いの兄弟で、秀和ことを好きらしい。金持ち。
専属の執事もおり、大学から割と近い別荘にその執事と2人で住んでいる。大地と秀和が特別なだけであって、他人には結構ドライ。
ともだちにシェアしよう!