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企み
「…なんで、またなんだよ」
出先から帰ってきたマジュがリビングのドアを開けると、弟二人が待ちわびたように笑顔を向けてきた。
「おかえり、マジュ♪」
「遅かったじゃん。疲れただろ?こっち来て座れよ」
弟の一人は瑪瑙でマジュの手からカバンを奪うと椅子に放るように置いた。そしてもう一人の弟もやはり瑪瑙でマジュの手をとりソファへとひっぱった。
無理矢理ソファへと座らされ両隣に座った瑪瑙達にまとわりつかれると、マジュは呆れたようにため息をつく。
「…どういう事だ。この間のアレで元に戻ったんじゃねぇのかよ?」
「ああ、戻った。けど納得いかねぇってコイツが」
「ああ?テメェだろうが。テメェがリベンジしたいってまた出てきたんだろっ」
マジュを挟んで両隣からキャンキャン言い合う瑪瑙達に、こめかみをピクピクとさせるマジュ。
「うるせえっ、いちいちケンカすんじゃねぇ」
マジュの怒声にピタリと騒ぐのを止めた二人。だが堪えているようには見えない。
「なあなあ。シようぜ、マジュ♪今度こそ突っ込んでもらいたいしさ」
「…またそれか。俺は帰ってきたばっかで疲れてんだよ」
「な~にオッサンくさい事言ってんだよ。始めちまえばギンギンなくせに」
「ギンギンなのはテメェだろ、瑪瑙。盛りのついた犬みたいに自分のモノを押し付けやがって」
マジュの腕にまとわりついていた瑪瑙が自分の中心部へとマジュの手の甲を押し付けようとする。
「俺のヤる気を分かってもらおうと思ってさ」
にやりと笑い、すでに熱の灯った瞳で見つめてくる瑪瑙に、マジュの目の奥にも妖しい光がチラつき始める。
「…ヤる気だけでテクもねえヒヨッコが。この前の二の舞にしてやろうか」
「……いいな、その目。ますます突っ込んでもらいたくなるぜ。おい、、」
と、それまで黙っていた逆側のメノウがマジュの顔を両掌で挟み、唇を押し当てると舌でマジュの唇を抉じ開け何かの液体を咥内へと流し込んだ。
瑪瑙に腕を捕られメノウの両手を振り払えずにいたマジュはろくに抵抗出来ないままソレをゴクリと飲み込む。
「…っ、ゲホッ、…なにを、飲ませ…」
文句を言いつつも、次第にくたりと身体の力が抜けていくマジュがソファに深く沈みこんでいく。
「…やっぱ、真珠と一緒で酒に弱えんだな、マジュ」
口付けで濡れた唇をぺろりと舐め、メノウがマジュの顔を覗き込む。そのメノウの目にも欲の滲んだ色が浮かんでいる。
「はぁ……ぁ……」と艶っぽい息をつくマジュに、もう一度唇を合わせ今度は舌を絡ませていくメノウ。
「テメェばっか楽しんでんじゃねぇよ」
と、ひとりで事を先に進めようとするメノウを瑪瑙がムッとしながら止めに入った。
「…ん?はは、わりぃ。こんなマジュ初めてだからさ、つい」
「ついじゃねぇよ。でもまあ次は警戒されっだろうから、好きにできるのは今のうちだけだろうけどよ」
「だろ?って事で、もう一回…」
「スんじゃねぇよ。俺にもさせろ」
「…チ、分かったよ。じゃあ俺は下のマジュにご挨拶でもすっかな」
そう言うとメノウがマジュから離れ、今度は瑪瑙の方がマジュに口付けた。
ゆっくりとマジュの咥内を味わう瑪瑙。いつもならマジュの反撃にあいキスだけで腰砕けにされるのだが、今日のマジュからは少しの抵抗もない。
そんなマジュに満足し十分に堪能した瑪瑙だったが、瑪瑙の唇が離れたマジュからは嘲笑うような言葉が零れた。
「………は、…まだまだ…だな」
「…っ、な。まともに動けもしねぇくせにっ」
マジュの言葉にカッと顔を赤く染める瑪瑙。そんな瑪瑙にマジュ自身から顔を上げたメノウが呆れたように嗜める。
「…煽られてんじゃねぇよ。どうせマジュは口だけだ」
「……そんな事言って、テメェだってマジュを勃たせられてねぇじゃねぇかよ!」
『ご挨拶』と言ってメノウがシていたのは、マジュのズボン前を寛がせ硬度の全く感じられないマジュ自身を口に含んでの愛撫だった。
「……全然勃ってねぇわけじゃねぇよ。つーか、口淫で勃たねぇのはいつもの事じゃねぇか」
「じゃあ、何でシてんだよ。さっさと突っ込んじゃえよ」
「酔ったら勃つかと思ったんだよ。文句言うならテメェが突っ込め」
「やだね。俺は今日は絶対マジュのでイクって決めてんだ。それにさっきジャンケンで決めただろ、負けたテメェが先に突っ込めよ」
「………チッ、分かったよ。けどテメェがイッたら俺だかんな?」
「ああ。分かってるから、さっさとヤれ」
バチバチに視線でもヤリ合い、ふっと目を逸らしたメノウがマジュ自身からその下の窄まりへと指先を滑らせる。
指二本で左右に開いてみるが、その孔はまだ男のモノをすぐに咥える程には開かなかった。
吸い寄せられるようにメノウがソコに唇を寄せる。チュッと軽く口付けると舌を出してピチャピチャと舐め始めた。
「……………ン」
ピクリと反応するマジュのシャツを瑪瑙がはだけさせる。現れた乳首にしゃぶりつくと、もう片方の乳首は指で摘まんでクリクリと捏ね回した。
上と下とで責められ、力の入らない身体とは言えピクピクと反応を見せるマジュに瑪瑙達は気分が高揚していくのを感じる。
唾液で濡れた孔はもう易々とメノウの指を咥え込んでいた。
その指を引き抜くと自身の昂りを取り出し、ヒクヒクと物欲しそうにする孔へと宛てがうメノウ。
「……挿れるぜ」
そう言うと一気に奥へと突き刺した。
「…く、っう、、」
声をあげたのはメノウだった。
お酒(たった少量)の入ったマジュのナカはいつも以上に熱く絡みつき、あっと言う間にもっていかれそうになる。
「…………どうした?…早く動けよ」
ニヤッ、と笑いながら受け身のマジュがメノウを煽る。
「……わ、かってんだ…よ!」
言葉と共に抽送を開始したメノウだったが、それは勢いだけで、数回と持たずにマジュのナカで呆気なく果ててしまった。
「………は、…は、…くっそぉ…」
「…なにやってんだ、テメェは」
呆れた瑪瑙がメノウに代わってマジュのナカに自身を突き立てる。
「………く、…(な…んだ、これ?)…」
メノウの吐き出した白濁でマジュのナカは滑りは良ったが、熱さと締め付けが半端ない。
その過ぎた感覚に何とか耐えていると、またしてもマジュの嘲るような笑いがあった。
「……くくっ。なんだ、テメェもさっきのアイツと一緒か?…俺に酒まで飲ませて、そのザマかよ?」
ギラリと光る眼光で瑪瑙を射抜くマジュだったが、その身体はまだ自由に動かせるようではなかった。
「…くっそうっ、ゼッテー啼かす!!」
「…くっ、啼かす?」
「いや、じゃなくて、いや啼かすのもだけどっ。啼かして、勃たせて、ゼッテー突っ込ませてやっかんな!!」
マジュの腰を掴み、グッと自分の腰を押し付けてくる瑪瑙。その後ろでメノウも意気込む。
「俺だって次は簡単にイッたりしねえ!逆にテメェのを俺のナカに吐き出させてやるから、覚悟しろっ!」
そんな熱くなる二人にマジュは、余裕の笑みを浮かべる。
「…ふ、やってみろよ」
数時間後。
酒の抜けたマジュが「……ふぅ」とタバコをふかす。
その傍らには、散々搾り取ってやった瑪瑙達が気を失ったようにベッドで眠りに落ちていた。
「…酒はヤベェな。少しだったから良かったものの次からは気をつけねぇと…」
もう一度タバコの煙を吐き出すと火を灰皿でもみ消し、二人を振り返る。
(…つーか、酔った状態で勃つわけねぇだろ。バカなガキ共だぜ)
とりあえず起きたら説教だな、と弟達の寝顔を見ながら苦笑いするマジュだった…。
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