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「男とか女とか」
「……うん。触りたいっていうか――――……こうしてるの、安心するし」
「ふーん……」
「よく寄りかかってたよね、オレ……」
素直に答えると、快斗はクスクス笑う。
「愁?」
「ん?」
「……なんか、今更だけど聞いてもいい?」
「うん」
「……愁は、やっぱり、女の子が好き?」
「――――……」
「……オレの事、いろんな意味で「好き」なのは分かってるんだけどさ。やっぱり、恋愛は、女の子としたいって思ってる?」
オレは、快斗を振り返って見つめてから、また前を向いて、うーん?と考える。
「……オレさ、あんまり、好きだーって子、居なかったんだよね」
「まあ確かに聞いた事はないけどな」
「……AVとか……ほぼ強制で借りさせられた、友達のおすすめとかも、見たけどさ……まあ、あの……その……反応……はするんだけど…………だからって、何が何でも彼女をつくろーって燃えてる友達とは、オレは勢いが違うっていうか……そこまで思わないというか……」
うーん。 良く分かんないんだよなー。
答えながらも、迷う。
「……ずーっとさ、快斗がそばに居たじゃん? 快斗の事を好きな女子ばっかり知ってたし。 むしろオレ、快斗を取ったって女子に怒られる事もあったし、女子怖いっていうのが小学生ん時だったしさ。中学んときもそういうのあったし……」
「……それはごめん。女子って、オレに言わないで愁に言うんだよな……ほんとそれは悪かったと思うよ」
「もう昔の事だから、謝らないでよ」
苦笑いでそう言うと、快斗も、でもなぁ、と後ろで苦笑いしてる。
「でもさ、あんなので怒る子苦手だから、そもそも対象じゃないし。優しい子とは友達になったけど、別に恋愛感情は持たなかったんだよね。それで高校でも快斗とずーっと居たし……居なくなっちゃう時に快斗があんな事言ってくから……なんか、全然、そういう気分になれないし。……それでそのまま、ここまで来た感じ」
考えながら自分の今までを言ってると、なんだかおかしくなってきた。
「なんかオレって、ほんとに快斗だけと、生きてる気がするよね……」
クスクス笑ってしまう。
「……そうだ、快斗がさ、何回か彼女作ったじゃん。で、初体験がどーのとかさ、そんな話もしたじゃん? そういう時にさ、なんかつまんないし、オレも彼女ほしいかなーと一瞬思った事もあるんだけど……結局、一瞬で終わったし」
「……んー……」
「だから、オレ、すっごく女の子とどーにかなりたい、とは思ってないんだと思う」
「――――……」
「でも、男は、快斗以外は絶対無理だと思うから、ほんとは女の子なのかもしれないけど…………なんかさ、今の言ってるとさ。 オレって、快斗しか無理なのかな?って、思ってきた。女とか男とか、関係なく……どう思う??」
「……どう思うって――――……うーん……難しいな」
「難しいの?」
苦笑いの快斗を、振り返ると、難しい、ともう一度言われた。何が?と聞いて、しばし快斗の言葉を待つ。
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