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◇大好きすぎ*圭4

「あ。高瀬、仕事は? 進んだの?」  話題を変えるためにも、さっきまで気になってた事を口にすると、高瀬は、ん、と笑んだ。 「絵奈の電話が途中で入ってきたから、早く帰ろうと思って……ものすごい進んだ」 「あ、逆に?」 「そう。大分捗ったから、オレが帰りたいって言う前に、渡先輩の方から帰ろうって」 「良かった」  仕事の邪魔かなと思いながら電話したけど。捗ったなら良かった。  ふふ、と笑いながら、お茶を飲んでいたら。 「そーいえばさ……」 「ん?」 「オレが戻った時、お前、机に倒れてたよな?」 「――――……あー……うん……午後頑張ってたら疲れて……」  あはは、と笑って、お茶を喉に流し込む。  朝の事も、昼の事も、高瀬とのやりとりが、全部、オレには強烈すぎて。  強烈なそれを吹き飛ばしながらの仕事は、かなり疲れたんだよね……。 「なあ、織田」 「うん?」 「強烈って、なに?」 「……っごほっ……!……っっ」  びっくりしすぎて、変な風に息を吸ったらお茶が変なところに流れ込んだ。  むせてるオレに、苦笑いしつつ、背中をさすってくれてるけど――――……。  え。オレ、今、声にだしてた????  出してないよね?  今、お茶飲んでたし、しゃべってないし。  ……高瀬って、前から思ってたけど、エスパーなのでは……。  やっと落ち着いて、ふーと息を吐いて、高瀬を見つめてみる。 「……今なんて?」 「――――……強烈ってなに? て聞いたけど」  クスクス笑ってる高瀬。 「オレ、今、声に出した?」 「――――……ん? いや……? ただ、絵奈が言ってたから」 「絵奈ちゃんが??」 「織田が好きな人の事、強烈って言ってたって」 「……あー……」  それか……。  ……はい。……言いました。  確かに言いました。オレ。 「オレの事だよな?」 「……うん」  諦めて素直に頷いてるオレを見て、高瀬はクスクス笑っている。 「強烈ってどういう意味なの? 声に出したか聞くってことは、今も、何か強烈って思ってたって事だよな?」 「――――……」  えーと……。  何て答えるべきか困っていたけど、もはやごまかす事もできず、ただ思ってる事を言う事にした。 「……高瀬が、言う事とか、する事がさ」 「うん」 「……なんか……全部、嬉しいんだけど……」 「ん」 「……心臓が痛いっていうか? ……胸が痛いというか……」 「――――……」  ぷ、と笑われて、ちょっと困って高瀬を見つめる。 「……オレにとっては、結構強烈なの。それを、言ってる、だけなんだけど…… 分かる??」 「ふうん? それ、良い意味なの?」 「……良い意味じゃなきゃ、絵奈ちゃんに言う訳ないじゃん……」  答えると、高瀬はクスクス笑った。 「そっか、分かった。 なんかさ。絵奈、お前の事、気に入ったみたいだった」 「……そうなの? それは良かった」 「珍しいんだけどな。 割と、人見知りだし」 「――――……人見知りなの??」 「あいつ、自分でも言ってたけど、そんな初対面の奴に恋愛相談するような奴じゃないから、結構びっくりした」 「え。そうなの?」  すっごい、スムーズに話し始めたけどなあ。  人懐っこい子だと思ったんだけど。 「何だろうな? 高瀬家の血は、織田に弱いのかなー?」  クスクス笑いながら、高瀬がオレの髪の毛に触れる。  急に触られると、まためちゃくちゃドキッとする。  だからね、高瀬……。  こういうのが。  もう、オレには、とっても強烈なんですけど……。

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