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番外編~茄治視点~ 3
朝帰りは二度目でごまかしきかなくて、両親と喧嘩になった。
兄さんの家に泊まっただけと言ったのが悪かったのかもしれない。
母さんは、あの子に関わるのはやめてとか言う。
俺の勝手じゃん。そもそもあんたらが追い出したんだろ。まじでふざけんなと思った。
マジで家を出ようかと思った。
でも、兄さんは冷静に考えろと言うし、親に監視されるしでろくなことになんなかった。
しかもあいつら、俺が学校に行っている間余計なことをしやがって。兄さんに手切れ金を渡そうとしたら返されたとぶつぶつ文句を言う父親に本気で呆れた。
でも、兄さんが返したと聞いて本当にうれしかったんだ。
親と喧嘩して、着の身着のまま家を飛び出した。
兄さんはまた帰れって言うだろうか。でも、他に行くとこなんかなくて。
合鍵もらったのに、拒絶されたらと思うと怖くて、店の前でずっと待ってた。
兄さんは家に入れてくれたけど、次の日に俺の親と会うと言われて驚いた。
兄さんが両親を説得してくれるなんて思ってもみなかったから、うれしくて、泣きそうだった。
週一回でもいい。高校を卒業したら兄さんと暮らせるとそれだけを楽しみに勉強した。
兄さんのお母さんに会った時は驚いたけど。しかも俺たちのことがバレてる気がする。
結婚なんてどうでもいいし、他の男にも女にも興味がない俺は、兄さんをいじめるのだけが生きがいなんだ。
大学に入ってやっと兄さんと暮らせるようになった俺に、他に欲しいものなんてないんだから。
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