今朝の俺は自分磨きで忙しい。 　昨日はあれから瞼の腫れを取るために冷えた濡れタオルで一日を潰した。 　今日は小顔になるためのフェイシャルマッサージと、服に身体を合わせるためにウェストが7センチも細くなるというWEB動画のエクササイズをしている。 　姉は女性としては身体が大きい方なのだが、置いていったロング丈のブルーのワンピースはスカートの部分は履けても男の俺ではウェストから上のファアスナーがどうにも閉まらない。 　メイクの練習もするが、篠崎の好きなタイプは可愛い女の子。 　だけど、俺の顔立ちからすると可愛いメイクは到底似合わない。 　無理にメイクしてみたが気持ち悪い。 　仕方無しに綺麗めのお姉さんメイクにしてみるとなんとか見れる顔になった………。 　朝から頑張ったエクササイズのお陰でウェストは少し減ったけれど、やはり男の骨格ではファスナーをあげることが出来なかった。 　俺の身体に合う服をネット見つけて特急料金で注文をしてみたけれど、もう機能していないみたいで商品を送っては来なかった。 　この服で行くしかない。 　変装に足りないウィッグとパンプスは昨日の不細工な顔で買いに出たら、俺とは分からなかったらしく誰もついてこなくて快適だった。 「篠崎会ってくれるかな………俺を女と思ってくれると良いな………」 　篠崎に会いたい、傍にいたい、それだけなんだ。 　……………… 　息がかかるほど顔を近づけたらキスしくれるかな。 　想像しただけで股間が熱くなる。 　ははは、ダメだろ、そんなことしちゃったら………一緒に過ごすことが目的なんだから 　 　 　でも 　 　 　篠崎がセックスしたいって言ってきたら？ 　　 　力いっぱい抱きしめて、それから蕩けるようなキスを………　 　ダメだダメだ。 　無理だろう。 　抱くなんて、そんな事出来ない。　 　 　…篠崎にこれ以上嫌われたくない。 　涙が溢れてくる。 「わわっ、バカ、折角腫れが引いたのに泣くなっ」 　自分で自分を叱って、濡れタオルで目を押さえ涙を吸わせる。 「篠崎は童貞捨てたいんだもんな………抱かれたくないよな………………あっ！………」 　俺が抱くんじゃなくて、篠崎の童貞を貰えば良いんじゃないか？ 　篠崎に愛してもらえるなら俺はなんだっていい。 　そうと決まればその手の動画を片っ端から見て学習することにした。 　 　 　 　 　 「ゴムを嵌めて中に指を………」 　ローションで濡らした指を自分のアナルに入れてみると、粘着力のある水音と共にぐにゅっと入ってくる馴れない感覚が気持ち悪い。 　篠崎を受け入れると決めたからには、ココを最低でも指3本分広げる必要があるらしい。 「ぐにゅぐにゅと異物感だけで、全然気持ち良くない。」 　それでも力を抜けるようになり指1本入るようになったら、もう1本増やして中をかき混ぜる。 「うっ…っ……」 　流石に2本はキツイ。 　硬い入り口を少しずつ揉みほぐすように広げていく。 　明日会うのに、2本でこんなにキツイんじゃセックスは出来ない。 　そんなのは嫌だ。 　指2本分より少し大きめの化粧水瓶をゴムの中に入れて縛り、ローションでよく濡らすと後ろに充てがいゆっくりと挿入する。 「うっ…くぅ……んっ…きっ…つぅ…」 　全部入れてしまうと入り口が閉じてしまうので咥えたままで過ごすことにした。 　その間、痛くて身動き出来ず30分経過してから化粧瓶を取り出し、少し大きい瓶に変えるというのを繰り返す。 　脂汗をかきながら痛さに堪えて入り口を広げていく。 　身体を求められず、この努力が無駄になるかもしれない…それでも構わない。 　篠崎のことを思って行動できることが嬉しかった。 「いっ…たっ……篠崎…待っててくれ…セックスっ…絶対出来るように…してみせるからっ…」 　地球が消滅するまで、あと1日