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「この先はずっと」

  「――――……ンん……っ」  キスって、こんなに気持ちいいんだなあ……と。  啓介とキスしてると、いつも頭の隅っこに、それがある。  唇を重ねて。舌で触れて。それだけ、なのに。 「……んんっ……はっ……き、つ……」  息、できない。  深く重なって、舌が奥まで入ってきて。  好きに、口内、愛撫されて。  気持ちいい通り越して、今ちょっと、きつい――――……。 「……ん、ぅ……っ……」  舌を吸われて、噛まれると、びく、と体が震えた。  啓介の服にしがみついて。  体も、めちゃくちゃ、密着してて抱き締められていて。   「……け、 すけ……っ」  苦しいし。  ――――……こんなの、おさまんなく、なる。  少し唇を外して、名を呼んだオレを見下ろして。  そのまま何も言わず、また唇を重ねてきた。 「――――ん……っ……」  ――――……離す気、ない、な、これ……。  すっかり、その気な啓介の、男っぽい、顔に。  ゾクゾクするのはもう――――…… オレ……どうしようも、ない。 「……ベッド、行く?」 「――――……っ……食事……は?」 「もう食べたやろ?」 「……か、……片付け……」 「後でオレがしとく」 「――――……っ……オレ、今、立てない」  足に、力、入らない。  啓介は、くす、と笑いながら。立ち上がった。 「――――……抱き付いて?」 「――――……っ」  ひょい、とうまく抱き上げられて、咄嗟に、啓介の首に抱き付いた。  体重は……そこまで大きく変わらないと思うのに。  そんなひょいひょい抱えられると、悔しすぎる。 「……オレさ……女の子じゃないんだからさ……」 「んー?」 「……ひょいひょい抱えんなよ」  抱き付いたまま運ばれながら、啓介にぶつぶつ文句を言うけど。  啓介はクスクス笑ってる。  啓介の部屋に連れていかれて。そっと、ベッドに下ろされた。  もう何度も――――……なのに、まだ、始める前は、ドキドキが半端ない。  啓介が、ベッドのライトを カチ、とつけた。 「……お前が立てないて言うたんやろ?」  座ってるオレの前に、膝立ちで近づいてきて。  肩に触れた啓介に、ゆっくり後ろに倒される。  大きな枕に背を沈める感じで斜めに座らされた、オレの脚に跨がる。 「……それに、抱えるのに男とか女とか、関係ないし」  ちゅ、と首筋にキスされる。 「――――……お前、可愛ぇからやし」  また、唇にキスされる。 「……あ……まだ途中やった」 「……ん……?」 「……さっきの話」 「……何だっけ?」  聞くと、啓介、すごい苦笑いを浮かべてる。  両頬、挟まれて。じっと見下ろされる。 「……オレ、この先はずっと、他にはいかんで、お前と居るからな……」  ――――……あ、その話か。 「……うん。――――……オレも。居る……」  頷くと。ちゅ、とまたキスされて。 「まじめに話しとったのに――――…… 可愛ぇんやもんな……お前……」  ん?  ……話中断して、こうなったの、オレのせい……?  そんな事を思いながら、啓介をむ、と見つめると。  何を思ってるんだか。  クスクス笑いながら。また唇が重なって。深く、キスされる。

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