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その数日後、男はまたユキトを指名した。
その日は話の中盤くらいで、
「ユキトくん、そろそろ君の裸が見たいな」
と言われた。
きたか、とユキトは思った。
なるべくそっち方面に話を持っていかずに、なんとか情報を絞り出そうと思っていたが、やはりそれは難しいようだった。
「わかりました。電気を消してもいいですか?」
「だめだよ、明るいところで見たいんだ。いいだろう?」
「…わかりました」
ユキトは立ち上がり、シャツに手をかけた。
ユキトは様々な潜入捜査をしてきたが、この手の潜入捜査は経験が薄かった。
手が少し震えるのがわかった。
― 情けない。服を脱ぐくらいで。
ユキトは自分に言い聞かせて、勢い良く上半身のシャツを脱ぎ捨てた。
白い裸体が男の前にあらになった。
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